この子達、もう数十年もの間 私と人生を共にしている。
七、八歳の頃に母から買ってもらったものだ。
それ以来、毎日この子達の顔を見て暮らしている。
今では木地が飴色に変わり、あちこちにシミやキズも出来たが、
着せられている着物の色や柄などは、大正時代か昭和の初め頃の
雰囲気で、なかなかいい味わいだ。
あともう少し頑張れば、「骨董」と呼ばれるようになるかも知れない。
首が回るように作られており、振動によって、男の子と女の子がおでこを
ひっつけていたり、どちらかがそっぽを向いていたりする。ひっついて
いる時は「よしよし」とそのままにしておくが、そっぽを向いている時には、
「これはイカン!」とそそくさと直している。
毎日、毎日、見ていて楽しい。私は本当にこの子達を愛しているのだ。