私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

天神さんの梅の花 その1

2014年03月14日 | 旅の楽しみ


               ここは天神さん。菅原道真公をお祀りする京都の北野天満宮である。
               紅白の梅がこぼれんばかりに咲いている。
               美しすぎて、ほろほろと酔ってしまいそうだ。

               枕草子で清少納言は、「花の咲く木は紅梅が一番だ。紅色が濃くても
               薄くても趣がある」と言っている。
               私は、恐れ多いが、それにちょっと付け加えたい。
               「紅梅の美しさは白梅があってこそ輝くのである」と。
               白梅の中に少し紅梅が混じるくらいが、私的には一番美しいと思える。


               梅の花がさまざまに咲くように、それを愛でるにもいくつかの呼び名が
               あるようだ。

               まだ春浅く寒い頃に、二、三輪の花を探しながら鑑賞することを「探梅」
               (たんばい)と。
               少し暖かくなり七、八分咲きのちょうど見頃の花を観賞することを「賞梅]
                (しょうばい)と。
               また、いよいよ暖かさが増し、満開となった花を惜しむように鑑賞する
               ことを「送梅」(そうばい)と言うのだそうだ。


               この、こぼれんばかりの梅はちょうど「賞梅」の頃であった。
               ふっくりとして、玉のような蕾がまだあちこちにある内が一番の見頃だと
               言うことだろう。

               それにしても、簡単に言い表せないさまを、一語で言い当てる日本語は
               本当にすばらしい。
コメント
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