この椅子は、長女誕生の折に友人から贈られた物である。
ドイツ製で、小さいながらロッキングチェアになっていてとても可愛い。
三人の子供達はこの「ギッタンの椅子」から巣立って行った。
皆が小さい頃は、近所の子供達も大勢遊びに来ていて、その子達も乗せて
いた椅子だ。子供達は皆、この椅子の木の温もりと素敵な雰囲気を感じ
ながら大きくなった。
背もたれには数々のキズが入り、座面の布も汚れてしまったが、まだ
どこも傷んでいないし、私が踏み台代わりに使ってもビクともしない。
とにかく、がっしりと出来ているのである。
ドイツは森の国、伝統と職人の国と聞く。
日本の職人技も大したものだが、ドイツの職人技も立派である。
また、背もたれにくり抜かれた二つの穴。
これもデザインの内なのだろうが、持ち運びにとても便利である。
「一石二鳥の美」とでも言おうか、、、素晴らしい。
木で造られた物は、使えば使うほど味わいが増し、きれいになってゆく。
このギッタンの椅子も魅力を増し、我家での存在感は大したものである。
きっとこの椅子は、後々までも捨てられることはなく、いろんな人の手に
渡って生き延びていくことだろう。
また、そうであってほしいと切に願うのである。