私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

備前焼祭り 天津神社とお茶席

2014年10月24日 | 旅の楽しみ

天津(あまつ)神社 備前市指定文化財(昭和56年7月24日指定)

創建が 応永十八年(1411年)以前の古い歴史を持つお社です。
祭神は少彦名命(すくなひこなのみこと),菅原道真公,天太玉命(あまのふとたまのみこと)、大巳貴命(おおなむちのみこと)の四神。
ご神徳は病気平癒、学業成就、陶業繁栄で備前焼の里の氏神様として知られている。
神門、随身門の屋根瓦は備前焼、参道脇に備前焼窯元、作家の作品が多数奉納されている。 参考 岡山県神社庁

写真は神門で、壁も屋根も獅子のレリーフもすべて備前焼です。




この狛犬も備前焼です。質感、色、造形など素晴らしくまるで銅像のように見えます。
こんなに大きな像がよく焼けるものだと、その技術力の高さに感心してしまいました。



山門の屋根です。瓦がすべて備前焼です。
窯変で一枚一枚の瓦の表情が違っていてとても美しい屋根です。



随身門から山門を見下ろしたところです。
ずっと続いている参道は、備前焼の陶板が敷き詰められています。
屋根瓦と同じく、一枚ずつの色や窯変による模様が違い、表情豊かな参道になっています。
備前焼の参道とは、この地ならではのことですね。



参道沿いの 塀には、作家の陶印入りの陶板が埋め込まれています。
そして、その塀の先にワンちゃんがすくっと胸を張って立っています。
このお社を守るんだ!という心意気が感じられる凛々しくも微笑ましい像です。
作者の気持ちを代弁しているかのようです。



小さいけれど迫力満点の獅子です。
がっしりと踏ん張った後ろ足と、目いっぱい恐ろし気な顔で、今にも口から火を噴きそうな勢いです。
邪悪なものはこの先一歩も通さない!そんな気迫に溢れています。
この像も、お社へ寄せる作者の気持ちがひしひしと伝わってくるようです。



本殿前の敷石です。こちらも全て備前焼の陶板で、色味も模様もそれぞれ違います。
タイルやレンガとは違った味わいがありますね。
我が家も、キッチンのタイルが備前焼だったなら、、、どんな風になるでしょう?
想像するだけでも楽しく夢が膨らみます。



ちょこんと石の上にお座りしている仔犬がいました。
あまりの可愛らしさに、誰かがお駄賃をあげたのでしょう、、10円玉が一つ。
人間の子供なら幼稚園くらいの年でしょうか、、この10円を握りしめて駄菓子屋に走って行って
「おばちゃん、それちょうだい!」なんて言って小さなお菓子を買ってくることでしょう。

このお社には、この様な備前焼の像がたくさん奉納されています。
それぞれに作者の心がこもっていて、お社への信奉の厚さと愛着の深さが感じられ
私まで心がほっこりとする思いでした。



境内のお茶席に寄せて頂きました。
お店巡りで疲れた体を休め、乾いた喉を潤すことができました。
そして、お点前は静かに進み心もゆったりと、、、

使われているお道具は、さすがに全て備前焼でした。



短冊は「竹清風自起 (たけ せいふう おのずから おこる)」曹源 筆
花は「見返り草」



お茶碗はやはり備前焼。
お菓子は薯蕷饅頭でご銘は「菊の香」
美味しく頂きました。ご馳走様でした。


この地の人々が大切に守り続けてきた天津神社。
これほど愛され、人々の手のぬくもりが感じられるお社は今までに遭遇したことがありません。
これから先も備前焼の里を見守り、人々の心の寄る辺として温かさを増していくことでしょう。
コメント
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