「島宿 真里」の夕食は食事処で、今回は庭の見える椅子席です。
ここの夕食、醤油会席ですが、お品書きは最初は置いてありません。
代わりにこの紙が置いてあり、お品書きは最後に出てきます。
最初の酒は、夏みかんのお酒です。ほんのりと甘さのある上品な味です。
菜。
渡り蟹と木の芽のみぞれ和え。
上:にし貝黄身酢和え
左:いんげん胡麻和え、いぎす玉味噌
中央:鱸南蛮煎り唐墨、筍いりこぶし
右:たなご風干し
名前は難しいですが、味付けはやさしく、絶妙です。そして、今までに食べたことのないようなものが出てきます。
島。生こびき平麺、諸味つゆ、切ざみ野菜。
小豆島もう一つの名産、素麺とうどんの中間的な麺です。
諸味つゆは非常においしいです。「真里」の売店で売っています。無添加のためあまり日持ちがしないので買いませんでしたが、買ってくればよかったと後悔しています。
続いて鮮、の前にこのようなものが運ばれてきます。醤油バイキングとでもいえばよいでしょうか。
右から
諸味たれ(自家製)、二段熟成(特注品)、生あげ(非売品)、淡口生揚(特注品)。
諸味たれは売店で売っていますが、そのほかはここでしか味わうことができません。
鮮。春の造り盛鉢。畑野菜。
豪快に大皿で出てきました。
魚は鯛、にし貝、鰆と皮の炙り、イカとゲソのあぶり。イカは紋甲イカと同じ種類だったと思いますが、何イカかは忘れました。
この魚が非常においしいです。今まで食べた刺身の中で一番といってもよいくらいです。
また、野菜もすべて島のものということで、非常に新鮮です。アスパラの穂先を生で食べるのは初めてですが、ほんのり甘くて苦味とかはありません。
ここは日本酒のメニューも地元香川を中心に充実しています。グラスが約100mlということで、いろいろな種類を飲めるのもうれしいところです。
香川の日本酒は、今まであまりなじみがありませんでしたが、全体的に酸が強く、濃厚で個性的な味です。こういう日本酒、嫌いではありません。
さて、ここで選べる料理の登場です。
「て」の間に宿泊すると、三種類の中から一品選ぶことができます。
春鯛の鍬焼き もろみ塩だれ。
オリーブ牛 季節料理 もろみビネガー。
蒸。鮎並昆布蒸し いりこ酢。 新玉葱 春キャベツ 青梗菜。
いりこ酢はおいしかったので買って帰りました。
焼。鰆の照り焼き。 ほうれん草 大根 酢取り茗荷 絹さや。
油。 穴子天麩羅。 蓮根 アスパラ 天然塩。
汁。鰆の白子すまし汁。 牛蒡 三つ葉。
飯。島のおこげ御飯。 諸味みそ だいしもち入り。
このほかに漬物もあります。
かなりの品数が出てきましたが、一品の量が少なめで、味付けもやさしいので胃にもたれたりすることはありません。とてもヘルシーな感じです。
考えてみると小豆島の名産品はオリーブ、醤油、素麺なので、それ自体ヘルシーなわけです。豆腐と豆乳を出しておけばヘルシーだと思っている宿は一度ここに来てみるとよいです。
最後、甘。蜜柑アイスクリーム。
これだけでは終わりません。夜食として夕食のご飯をおにぎりにして部屋に盛ってきてくれます。
「真里」の夕食、質、量、素材、味付け、スタッフの対応、すべての面で文句なしです。ここまで素晴らしいとは思いませんでした。
「真里」の宿泊料金は安くはありません。しかし、この食事でこの部屋であれば決して割高ではありません。料金相応、それ以上の満足度がある宿だと思います。
部屋に戻り、風呂に入り、テラスから夜景と星空を眺め、ゆっくり過ごします。小豆島では時間もゆっくり過ぎていくようです。
<2日目に続く>