漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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小満初候「蚕起きて桑を食う」 たくましい桑は生薬

2019-05-22 | 暦・季節ごとの養生法

蚕が桑の葉をたくさん食べて育つ頃なのだそうです。生き物がどんどん成長する時期ですね。

小さな株でも桑の実は熟しています。

桑はとてもたくましい植物で、その実を鳥などが食べてタネが運ばれるのだと思いますが

私の散歩道にも住宅街のちょっとした空き地にも、そちこちで桑の木を見かけます。

あっという間に育ってすぐに実をつけるようになります。

そんな生命力あふれる桑は、葉だけでなく実も枝も根も生薬です。

桑の葉:桑葉(そうよう)辛凉解表薬(疏散風熱 清肺潤燥,止咳 平肝陽 明目)

桑の成熟した実:桑椹(そうじん)補益薬(滋陰補血 生発烏髪 生津)

桑の根皮:桑白皮(そうはくひ)化痰止咳平喘薬(瀉肺平喘 利水消腫)

桑の若枝:桑枝(そうし)袪風湿薬(袪風湿 通絡 利関節 行水退腫)

部位によってこれほど使い分けして利用されるなんて素晴らしいですね。


GW明け、のどの痛みと声枯れの風邪・板藍(ばんらん)のど飴売れてます

2019-05-10 | 暦・季節ごとの養生法
GWの疲労もあるのか、風邪をひいてしまう人が多いです。
多いタイプは、のどの痛みと声枯れ。
そのせいか、板藍茶(ばんらんちゃ)や板藍のど飴を求める人が増えています。
板藍は、炎症を抑える作用と抗ウイルス作用。飴の酸味で口内が潤います

疲労感もあれば、麦味参顆粒で元気と潤いを補ってください
麦味参顆粒は気陰両虚を改善します


今日は夏日。
急な気温上昇で体力を奪われますね。
麦味参顆粒を飲んで、十分な睡眠を。
ミニバラがどんどん開き始めました




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旬の食材は体が求めている味

2019-02-28 | 暦・季節ごとの養生法
千葉県の今年の冬はカサカサに乾燥し、鼻や喉もヒリヒリするほどでしたが、
やっと、曇ったり雨が降ったりするようになり、霞がかかる日もありました

暦をみれば、雨水(うすい)。
 (雨水初候)土脈潤い起こる
 (雨水次候)霞始めてたなびく
 (雨水末候)草木萌え動く
暦ってすごいですね


ちぎってゴマ油とポン酢、すりごま
八百屋で春キャベツを見つけて、さっそく生で食べたら甘くて、止まらないほどおいしい
菜花(菜の花)の苦味や、からし菜のちょっとした辛味も心地よかったし、
体が求めてたって感じだ
自然の旬を食せば体調はよくなるのだなあ

どこどこのスイーツがどうのとか、加工品の誘惑に踊らされすぎないようにしないとね

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胃のむかつき、下痢軟便、頭痛めまい、けだるさ・体の除湿によい食べ物

2018-09-26 | 暦・季節ごとの養生法
「6月より9月の方が雨が多いね、それにすごくジメジメしてる~」と薬局でお客様と話しています。
こんな時は体にも湿が侵入して、けだるさ、胃のむかつき、頭痛、めまい、軟便下痢などを起こしがちです

そんなときによい食材
●体表から外邪を追い払う解表(げひょう)対策
⇒体を温めたいなら辛温解表:シソの葉、ショウガ、ケイシ
⇒熱っぽいなら辛涼解表:ハッカ、菊の花、クズ粉

●体の芯から温まりたいなら
去寒:サンショウ、ウイキョウ、シナモン、トウガラシ

●血流を改善する食材もおすすめ
活血:ニンニク、タマネギ、ラッキョウ、ネギ、ニラ、ショウガも

●冷たい飲み物や食べ物は避けましょう。

漢方なら、なにはともあれまず勝湿顆粒ですね~


湯船につかったり、足湯をしたりして、少し汗をかくくらい温まる方がよいでしょう。

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長期間暑い国の人は発汗を減らし皮膚温を上げて放熱する

2018-07-31 | 暦・季節ごとの養生法
先日ちょっと涼しくなったと心地よく思ったら、その温度が平年並みとのこと
酷暑にも体は順応していたようです

長期間暑い東南アジアやアフリカ中央部に住む人の体温調節は、
発汗量を減らし皮膚の血流量を増やして皮膚温を上げ、放熱して体温を下げるんだそうです

たえず外気より体表を熱くしてるってことらしい
(うまくイメージできないが、汗腺能力が未発達な子供の放熱システムとよく似ているとか)
これによって体液の消耗を防ぐのです

一方、四季のある国の人は、暑くなるにつれて発汗量を増やし、
汗の蒸発により体温上昇を防ぐようにしています。
なので、汗をかくことを厭わず、汗腺の数や機能をアップすることですね。

ただしそのシステムは体液を消耗しやすいので、こまめに水分やミネラルを補給することが必要です。
水をガブガブ飲むと胃腸を壊してしまうので、
スイカや梨など旬の果物や野菜をこまめに食べると自然の水分がバランスよく体液を補ってくれます
そして梅干しや酢の物で体をさっぱり引き締め汗をうまく止めましょう。

麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)で夏バテ予防!

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赤い下着で勝負、申年

2016-01-04 | 暦・季節ごとの養生法
皆様のご健康とご多幸をお祈り申しあげます。
本日4日から営業しています。

申年にちなんでサルトリイバラ(猿獲茨)の赤い実
今年をがっちり捕まえることができるでしょうか。

申という字は、樹木の果物が熟して固まっていく様子を表したと言われるので、何か良い成果に恵まれるといいですね。

ところでこのところ下着売り場で赤が目立つようになりました。
お猿さんのお尻が赤いからかな~と思ったら、病気が去る(サル)、赤は病気を防ぐ厄除けの色、ということで申年に赤い下着が流行するんだそうです。
気合が入りそうな色だし、いいかも。


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アトピーらんど

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虎嘯風生

2010-01-04 | 暦・季節ごとの養生法
「虎嘯風生,龍騰雲起」
虎が吼えれば風が生まれ、龍が昇れば雲が起こる

ということわざがあるそうです。
今年は寅年。(上の写真はWikipediaのベンガルトラ)
何か新しいことに吼えてみようか。
何を吼えるかまだ予測も立たないけど。

少々前の新聞で、昭和を生き抜いた女性の連載記事で、
「女は新しいことをはじめるなら40代がいい」という言葉を目にしたっけ。
これって「おばさんパワー」が炸裂する時期ってことだろうか?
ま、それでも吼えてみよう。
私はすでに50代だけど、平成の世なら50代でも60代でもさらにもっと上でも、
まだまだ何か『吼える』ことができるかも。

そうそう、年末に意気消沈したmyパソコントラブル。
そのパソコンは蘇って明日戻ってくるとの電話がさっきありました。
予想していたよりも仕上がりが1週間以上早く
その費用は最悪の予想よりも6万円安い!

よっしゃー!

これで厄払いできたかもー!

というわけで、今年もどうぞよろしくお付き合いください。

追伸)正月休みは、ぱーっと景気付けに寅じゃなくて「ライオンキング」初体験してきました。

皆さんは、どんなものを見るのが趣味でしょうか。
楽しいものこれからも、教えてくださいね。

西風粛殺・秋の養生は?

2009-09-12 | 暦・季節ごとの養生法
昨日来局された女性が、
「すっきり晴れると鼻やノドがカサカサになっちゃって。潤う食べ物って何があります?」
(こらから夕飯の食材を買い物に行くところらしい)

果物なら梨、食材ならレンコンとかシロキクラゲ・・・・
食養生の本を見ながらそんな話題をするようになったこの頃は、すっかり秋ですね。

      

「西風粛殺、これに感ずるものは多く風燥を病む」

秋を方位に当てはめれば西になるので「西風」は秋風、
「粛殺」とは秋の気が草木を枯らすこと。
つまり
「秋は草木を枯らしてしまうほど乾燥しているので、人も乾燥する疾患にかかりやすい。」

風は肺から入るので、のどの渇き、声がれ、空咳、しつこく続くせきやたん、など喉や肺の症状に悩まされやすくなります。

特に、人生的にも秋を迎えて枯れてくる中高年は
もろに影響をうけるので十分漢方養生しましょう。

お勧めはまず、気陰を補う「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」
これなら夏を乗り越えた体の疲れも回復してくれるので一石二鳥。

すでに喉の症状がある場合は(空咳、ノドの渇き、痛み、痰がからむなど)「麦門冬湯」
ノドの乾く痛みが強ければ「養陰清肺」
などで症状を緩和しておきましょう。

鼻、のどの潤いのための養生法と漢方対策


で、このところの新型インフルエンザ。
これまで子供が危ないといわれていたのに、中高年もその渦に巻き込まれている様子。

中高年の秋の弱みに付け込まれているのかも、しれない。
くわばら、くわばら・・・

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丑年は

2009-01-12 | 暦・季節ごとの養生法
(昨年東京で出会った牛)

丑年になったとたんからマスコミでは、やたらとおいしい牛肉の話題が多いこの頃。
そりゃ、あんまりじゃないか?
それではご利益がなんじゃないかと思い、調べてみました。

時刻で丑の刻は、午前2時。
草木も眠る丑三(うしみつ)時は魔物が現れるこわ~い時間帯でもあります。

十二支を季節に割り当てると、
亥、子、「丑」は冬で、次の寅から卯、辰は春になります。

旧暦で丑は12月。

「律暦志」によると「丑」は「紐」(ちゅう:「ひも」「からむ」の意味)で、
芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態だとか。(参考Wikipedia)

つまり丑年は季節で言えば冬の最後、何が飛び出すかわからないけど、
この一年をじっくり耐えて力を蓄えれば、きっといい芽が育つに違いありません。

準備万端、この一年を悔いなく過ごしたいものです。

冬を温かく(中国のことば)

2008-12-20 | 暦・季節ごとの養生法
「天寒、暖身、先暖心」(チャイナビューNo.121より)
寒い時は、まず心から温める。

寒くても考え方まで縮こまらないこと。
冬はマイナー思考にならないこと。

と、いうことでしょうか。

そういえば、笑ってる時は寒さが吹き飛んでますね。
映画を見たりして感動したときも寒さを忘れるし、
ちょっとした言葉をかけてもらうと、うれしくて心が温まるし、
小さな親切ができた時も温かい気分になれる。

明日は早くも冬至。
冬至を過ぎても一層寒くなるけど、昼間の長さは少しずつ長くなる。
植物や虫や動物はすでにそんな変化を感じて活動を開始しているのでしょうか。

とりあえずは、温かい気持ちで、
カボチャとゆず湯、ほっかほか。


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冬の養生を(黄帝内経から)

2008-11-14 | 暦・季節ごとの養生法
立冬(11/7)も過ぎ、昨夜は月の光が冴え渡ってましたね。
暦では、立冬から時雨(しぐれ)や雪が降ったり、空っ風も吹いたりと冬の気候になるらしい。

そこで中国古代の養生書、黄帝内経(こうていだいけい)素問の四気調神大論から冬の養生法をご紹介。



立冬からの3か月は「閉蔵(へいぞう)」の季節。
万物が閉じこもる季節です。

人間は冬眠しませんが、できることなら
夜は早く寝、朝はゆっくりと起きる
欲望を潜め穏やかに満足感を保つ(気持ちを焦らず安らかに)
体内の陽気を漏らさず(過労や汗のかき過ぎは禁物)
寒い刺激を避け体を温かく包む。
これに背くと、腎気を傷め、春を迎えて足がしびれたり腰が曲がる病気になる

1年を通してみると、
春夏は陽気を保養し、秋冬は陰気を保養する
(春夏は元気に動いて、秋冬は静かに栄養を蓄える)
陰陽の規則に従った養生を行っていれば、自然の変化にも順応できるので病気をしない。

ついでに、養生とは
養生は病気になってからの治療ではなく病気になる前の予防法である。
つまり国を治めることと同じように
世が乱れてから手をつけるのではなく、戦乱が起こる前にそれを防ぐことである。
病気が発生してから治療を行うのは、まるで喉が乾いてから井戸を堀り、敵が来てから兵器を作るのと同じだ。


二千年以上昔に書かれたこの内容。
今も読み伝えられているのはそれが真実だからでしょうね。


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中国のことわざ(暑さ対策)

2008-07-19 | 暦・季節ごとの養生法
とうとう、このあたりも梅雨が明けた。
これまでの「蒸し暑い」から「蒸し」が少しとれたような気がするけど、
「暑い」は今後どんどん勢力を増すのだろう。

来局される方が口ぐちに、
「もう暑いのはたくさんだ~」
「これまで暑かったのに、もっと暑くなるのかしら・・・」
「年をとると暑いのがこたえるよ」
と、梅雨明けを話題にされた。

そこで、中国のことわざ

「心静自然涼」

暑さにイライラすると余計に暑く感じる
ゆったりとした気持ちでいれば、涼やかに過ごすことができる

だから「暑いわね~~」は禁句。
(といいながらも、誰かの顔をみれば口をついてきそうだけど)

「心頭滅却、火もまた涼し」
(無念無想の境地にあれば、どんな苦痛も苦痛と感じない。)
に、近いでしょうか。

個人的には、
とりあえずビールで、心も体も涼しく、が好みだ。


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夏の養生・黄帝内経素問より

2008-06-28 | 暦・季節ごとの養生法
中国のもっとも古い医学書(ざっと二千年以上前)、「黄帝内経(こうていだいけい)」という本に書かれている夏の養生法をご紹介。

夏の三か月は、
天地の気は盛んに行き交い、万物は花咲き実をつける季節。

夜はすこし遅くに寝てもいいが、朝は早く起きる。
(日の入りとともに眠り、日の出とともに起きる 夜臥早起)

暑さを嫌がらず、イライラせず、よく動いて汗をかき、

花が美しく咲くように気を発散させ、愛が外にあふれるように気持ちよく過ごす。

これが夏の養生法である。
この養生を行わなければ、秋に感染症にかかったり、冬に重病にかかる。



つまり、夏は冷房の部屋にこもらず、
暑さに親しみ、体を動かして気持ち良く汗をかき、発散して無駄なものをため込まないようにする

ってことです。

そして、愛があふれるような笑顔で過ごしたい。
(若所愛在外)


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冬至考・これを過ぎれば前向きになれる?

2007-12-22 | 暦・季節ごとの養生法
ばたばたしてる間に、冬至だ。
午後3時を過ぎると陽が翳り始め、4時を過ぎると暗くなってくる。(ちなみに千葉では日の出6:45 日の入り16:30)

薬局の定休日などは、明るいうちにと朝からかえって忙しくしており、結局日が暮れる頃にはいつもよりどっと疲れている。なので、「きっと今時分は物事を考えるには適さない季節なのだ」と勝手に決め付け、早めに寝る。

思うに師走とは、
日が短いために師匠でも気持ちが走ってしまう、おまけに勉強もろくにできず焦ってしまうという意味かもしれない。

そして冬至とは、
陽(よう)の力が一年で最も弱まる日ながら、
同時に
陽の力が復活する日。
一陽来復の日として尊ばれたそう。

たしかに冬至を過ぎると日の入りがぐんぐん遅くなるので、気持ちの余裕がでてくる。考え方も明るくなる。
ただし日の出は1月上旬までなかなか早まらず、おまけに冷え込みも増すので、朝は一層つらくなる。

動き出せそうで、動けない時。
エネルギーが充電されてきてるのに、まだ動けない。

こんな毎朝の葛藤は、人間を強くしてるのかなあ。