古血とは瘀血のひとつでもあり、血の流れが悪く停滞して居座ったものというイメージでしょうか。たとえば、昔けがをしていまだに動かしづらいとか、長患いの慢性炎症で瘀血状態が続いてあちこち痛むとか、婦人科で癒着があるとか、案外、古血状態にお目にかかることも多い。
これを掃除するには「破血薬」を用います。「破」の字に、怖い印象をもつ人もいるかもしれませんが、作用の仕方は、硬いものを少しずつ穿つように破砕するイメージです。
破血薬のひとつ、水蛭(すいてつ)は、血を吸うあの蛭(ヒル)のことで、生きたヒルに古血を吸わせる治療法もある。
内服での効能は、破血、逐瘀、通経で、肝系血分に入る。神農本草経では「主逐悪血、瘀血、月閉、破血瘕積聚、無子、利水道」と記されている。
中医学でも広い範囲で使われ、乾燥したものを内服して、生活習慣病(高脂血症や糖尿病、高血圧など)、リウマチ、それに私が中国で研修した症例では肝硬変にも使われていた。婦人科分野(生理痛や子宮卵巣の炎症や癒着、嚢腫など)、しびれや痛みしこりなどにも応用される
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日本では医薬品ではなくサプリメントとして発売されている。剤型は錠剤なので気楽に飲めます。
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