だいぶ前に読んだはずだけど、その時やけに印象深かった作品。
久しぶりに
この文庫本を手に取ったら、
「げっ」
「字が小さい!」
というより最近の文庫本が、字も大きくなったし文字間隔も広くなっていたのだ。
一昔前は、字のサイズは確かにこのくらいだった。
おまけに幸田文の文章は、途切れることなく続くので、
ページ全体がその小さな文字でびっしり埋まっており、
文字を追いながら視線を下から次の行の上に移すたびに迷子になる。
若いころは電車の中でもこんな小さな文字を読んでたんだ・・・
そろそろ老眼が入ってきている私としては、かなり苦しかったです。

内容は、かなりの量できものの話題なのに、女の生きざまが
すごい勢いで現わされています。
それは幸田の性格の強さが出ているのかもしれませんが、
あるある!と共感するところがいっぱいでした。
季節感、お手入れの仕方、人への思いやり方、受け答え方、
細やかな当時の日本文化が、それはきめ細かく表されています。
そしてこの時代(大正から昭和初期)に使われていた、会話の言い回し。
そういえば私が幼いころにも、母がこんな言い方してたなあと思いだされます。
なのに今、こんな素敵な言葉を全然使っていないことに《愕然》とします。
この本を読んで、テレビをつけると、一瞬違う国に来たかと思うような錯覚を覚えました。
いつの間に、こんなに言葉や文化が違ってしまったんだろう。
関東大震災のまさに直前、商店街のいつもの静かな様子を描いた部分が印象的でした。
幸田文 (1904年9月1日 - 1990年10月31日)
幸田露伴の次女として東京向島に生まれる。
久しぶりに


「字が小さい!」
というより最近の文庫本が、字も大きくなったし文字間隔も広くなっていたのだ。
一昔前は、字のサイズは確かにこのくらいだった。
おまけに幸田文の文章は、途切れることなく続くので、
ページ全体がその小さな文字でびっしり埋まっており、
文字を追いながら視線を下から次の行の上に移すたびに迷子になる。
若いころは電車の中でもこんな小さな文字を読んでたんだ・・・

そろそろ老眼が入ってきている私としては、かなり苦しかったです。




内容は、かなりの量できものの話題なのに、女の生きざまが
すごい勢いで現わされています。
それは幸田の性格の強さが出ているのかもしれませんが、
あるある!と共感するところがいっぱいでした。
季節感、お手入れの仕方、人への思いやり方、受け答え方、
細やかな当時の日本文化が、それはきめ細かく表されています。
そしてこの時代(大正から昭和初期)に使われていた、会話の言い回し。
そういえば私が幼いころにも、母がこんな言い方してたなあと思いだされます。
なのに今、こんな素敵な言葉を全然使っていないことに《愕然》とします。
この本を読んで、テレビをつけると、一瞬違う国に来たかと思うような錯覚を覚えました。
いつの間に、こんなに言葉や文化が違ってしまったんだろう。
関東大震災のまさに直前、商店街のいつもの静かな様子を描いた部分が印象的でした。
幸田文 (1904年9月1日 - 1990年10月31日)
幸田露伴の次女として東京向島に生まれる。