漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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北村薫「ひとがた流し」覚書

2009-07-18 | 
北村薫さんの作品「鷺と雪(さぎとゆき)」が、直木賞を受賞した
つい最近、彼の作品「ひとがた流し」を
はじめて読んだところだったのでちょっとうれしい。

      

「ひとがた流し」

幼馴染みだったとか、学生になって知り合ったら家が近かったとか、
ごく自然に、長い付き合いとなっている40代の3人の女性。

仕事、結婚、離婚、こども、病気、親の死・・・
さまざまな人生の転機があるごとに、
さりげなく気をつかいあい支えあうというストーリー。


友達ってありがたいもんだなあ、とつくづく思う。
そして自分はというと、
こんなに人を想いやっていなかったなあ、と反省。

だけど現実には、人を想いやるって難しい。
それぞれの人生、どれも同じものなんてない。
似たような状態でも、人それぞれの想い方は違うよね。
だから、気を遣ったつもりが、
かえって《傷に塩を擦り込む》なんてことにもなりかねない、かも。

それでも、後になって、
あのとき友達が声かけてくれてうれしかったなあ、とか、
あのとき少しは役に立てたかなあ、なんて
きっと思えるものなんだろうね。

こんな物語を読むと、歳はとるもんだなあとしみじみ感じる。


北村 薫  昭和24年埼玉県生まれ