漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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北京で漢方研修その3

2010-05-13 | 漢方的話題

こちらは心臓内科の診察室。ずいぶんにぎわっているとお思いでしょう。
この写真、実はとても中国らしいと思った場面なのです。

左背中の白衣女性が75歳の医師。知識の豊富さはピカイチとか。
漢方薬を処方しますが、心電図や心血管造影図もチェックします。
患者診察にかける時間も長く(ひとり30分以上掛けていました)
そのため午前診察12時までの予定が、2時までかかってしまいました。
それでも、女性医師の細やかな説明に患者の満足度はとても高いようでした。
そしてこの長時間に、彼女はお茶で口を潤す以外一度も席を立つことなく、
ぶっ通しで患者を診ており、とても75歳のパワーとは思えません。
(この先生が食べているものと生活習慣を知りたい!)

さて中国らしさはというと、診察室への患者たちの出入りがかなり自由ということ。

医師と向かい合って中央左向きで座っている黒い服の男性が患者。
それを取り囲んでいる数人は家族のようで、皆真剣に医師の話に耳を傾けています。
中国では、家族とくに高齢者を大切にしているようです。

さらにその周りにいる人たちの中には、順番待ちの患者たちが混ざっているのです。
同じ疾患に悩むものとして、今診察を受けている患者にくっつくようにして
医師の話を聞き、時々うなづいたりしています。

まるで講習会のような環境で、それによっても患者の意識が高まっていると思われました。

漢方対策について言えば、
心臓疾患だから活血対策という単純なものではなく、
潤いを補う(補陰)ことによって体内の流れが改善し、
体全体を元気にして(補気)心臓の回復力が高まるという考え方です。
そのためにこまごまと症状をチェックし、個人に対応した処方が編み出されます。



ハードスケジュールに頭の中はいっぱいいっぱいで、へとへとでしたが、
もう一つの目的はまったく別腹。それは「豚の血」を食らうこと。
次回もよろしく。

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