漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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アトピー体質の急性炎症を漢方対策

2010-08-11 | 肌トラブル・アトピー・美容
もともと軽いアトピー体質だそうですが、急に、これまでにないほど、
首から下の体躯が真っ赤になってしまったという女性。
特に片方の手首は、浸出液も多く瘡蓋(かさぶた)もたくさんできている。

炎症発現の経緯を詳しく伺ってみると、
炎症が出る前、ゴム手袋で作業しているときに、その片側の手だけが
チカチカ刺激を感じていたとのこと。

ならば、その部分の症状が落ち着けば、おそらく全身の紅斑も
改善すると思われ、涼血清営顆粒を加えていただく。
(すでに他の漢方薬を服用されていたので)

手首は、まだ赤みと浸出液の上に細かな瘡蓋がふいているが初回よりおさまっている。
しかし、もうひと押ししなけらば炎症を抑えきれないと思う。
ちょっと費用は嵩むのですが、五行草茶、五涼華、涼血清営顆粒と3種類でがっちり対策。

かなりの回復。
全身の赤みはすでに引いて、首にかすかに形跡がみられるのみ。
手首も炎症が治まりつつある。

顔も首も肌色の赤みが引いて全体的にすっっきりした感じ。
ひどかった手首も、小さなポツポツが僅かに残る程度で、その付近の皮膚も
落ち着きを取り戻している。
経過はいいので、思い切って3種類のうちのひとつを減らしてみることに。
五涼華の味がきらい」と言っていたので、
ならば、それを止めてみましょう。」
うれしー」
よく頑張って飲んでくれてましたね。


夏の盛り、雑草の中で五行草(ごぎょうそう、ばしけん、すべりひゆ)が
小さな花を咲かせていた。



皮膚疾患の急性悪化時は、『湿熱毒』状態を一気に『処理する力』が必要。
漢方薬の服用量はかなり多くなるけど、ちびちび飲んでいては炎症の勢いに
追いつかない。

この場合の『処理する力』は「抑え込む」ではなく、いわゆる
『デトックス力』だと思います。

この女性も皮膚状態の経緯を冷静に観察して、体の反応を理解し納得して
くださっていたので、途中でめげることなく治療に励んでくださいました。

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