漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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日曜散歩・せめぎ合う自然

2012-06-27 | 植物&動物
先日の日曜日は午後から婦人科の漢方研修会の予定があったので、
天気がまずまずの午前中は散歩に出かけた。


道端にすごく変わった形のローズ色の花。ツル性でバラのような小さな棘がある。
視線を移すとおいしそうな実がたくさんついている。
花の大きさに比べてたっぷり大きな実。

後で調べたら「ナワシロイチゴ」というのだそう。苗代ができるころに見られるからだそう。
変わった形の花は、花びらが落ちてしまったところかと思ったが、
もともと、花びらがしっかり雄蕊を包む形をとるらしい。
どうやって受粉するんだろう。
実は食べられる。蟻もそのことを知っているので、ちょうど熟れ頃は蟻と競争になると書いてあった。


よくみかける小さな十字の花は、自然観察会に参加した折に名前を教えてもらった。
「アカバナ」(アカバナユウゲショウ)という。予想外にふつう過ぎる名前に拍子抜けしたが、
きっと大昔から人の身近にあって親しまれていたのだろう。
アカバナ科というのがあってマツヨイグサ(月見草)も同じ仲間。


2,3日前の強い雨に打たれたのか倒れながら咲くタンポポ。


住宅街の道路からわきに入ると里山を切りとおす径の両側はもう薄暗い森で、
樹木が、勢いのある竹とせめぎ合っている。
手入れをしないと、そのうち荒れた竹林となってしまうだろうか。

最近、人が住まなくなった古民家(というとしゃれているが)の敷地に竹が入り込み
見るからにあばら家になってしまった景色を見かける。

もちろん樹木と竹だけでなく、樹木によって日陰となった地面でもたくさんの生態系の変化がある。
植物界も人間界もいい付き合いをするには、ときどき誰かの手を借りながらも
無理せず適材適所を見極めて根を下ろして住むのがいいのかもしれない。