2016年154回芥川賞受賞作品ということで初めて本谷さんの作品を読みます。

山芍薬
彼女の文章はなめらかで、見ているかのように情景が広がり想像力をかきたてます。
そしてその空間は思わぬ方向に豹変します。
「abさんご」を思い出したりもしましたが、それよりはわかりやすいです。
さて、
「自分の顔が旦那に似てきた」という出だしでもう、それは嫌だなあと思ったのです。
物語の中にも、夫に似た石を捨て続けたという女性が登場したり
飼い猫が歳をとり室内のアチコチに排尿するので山へ捨てに行く決心をした女性のエピソードも
「旦那」は妻をどんどん自分のペースに巻き込んでいく。
元来お人好しの妻だったが、しだいにあがく。
そして妻は「自分のなりたいものになりなさい」と夫に言い放つと、夫は山芍薬となり、
妻によって山に還される(ネコを捨てた山に竜胆と一緒に植えてこられるのだけれど)
「山芍薬になりたかったなんて知らなかった」と今更ながらに驚く妻。
ネタバレだけど、こう書いてもたぶん意味不明ですよね。
男と女は分かり合えない異類の生き物、巻き込まれたり巻き込まれなかったり不思議な関係。
不思議な関係をお互いに楽しめる夫婦がいいかなあ。
みなさんはこの夫婦をどう理解するでしょうか。
ざらざらぞわぞわした感じが広がり続ける新感覚作品
本谷 有希子 1979年生まれ 劇作家、小説家、演出家、女優、声優なども兼ねる。石川県出身。「劇団、本谷有希子」主宰。

山芍薬
彼女の文章はなめらかで、見ているかのように情景が広がり想像力をかきたてます。
そしてその空間は思わぬ方向に豹変します。
「abさんご」を思い出したりもしましたが、それよりはわかりやすいです。
さて、
「自分の顔が旦那に似てきた」という出だしでもう、それは嫌だなあと思ったのです。
物語の中にも、夫に似た石を捨て続けたという女性が登場したり
飼い猫が歳をとり室内のアチコチに排尿するので山へ捨てに行く決心をした女性のエピソードも
「旦那」は妻をどんどん自分のペースに巻き込んでいく。
元来お人好しの妻だったが、しだいにあがく。
そして妻は「自分のなりたいものになりなさい」と夫に言い放つと、夫は山芍薬となり、
妻によって山に還される(ネコを捨てた山に竜胆と一緒に植えてこられるのだけれど)
「山芍薬になりたかったなんて知らなかった」と今更ながらに驚く妻。
ネタバレだけど、こう書いてもたぶん意味不明ですよね。
男と女は分かり合えない異類の生き物、巻き込まれたり巻き込まれなかったり不思議な関係。
不思議な関係をお互いに楽しめる夫婦がいいかなあ。
みなさんはこの夫婦をどう理解するでしょうか。
ざらざらぞわぞわした感じが広がり続ける新感覚作品
本谷 有希子 1979年生まれ 劇作家、小説家、演出家、女優、声優なども兼ねる。石川県出身。「劇団、本谷有希子」主宰。