「肝」は血を蓄えるところ。それが不足している(肝血虚)と様々な症状が現れやすくなります。
その経緯を理解すると、一見バラバラに見える症状も関連性があることがわかります。
肝血虚:
目の疲れ、かすみ、乾き、視力低下、こむら返り、耳鳴り(低音でセミが鳴くような)、めまい、立ち眩み、眠りが浅い、爪や唇の色が薄い、月経が遅く経血量が少なめ
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肝陰虚:材料不足で空焚き状態が続くと火照る症状が加わります
不眠、夜になると手足が火照ったり寝汗をかく
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肝陽上亢:熱が体の上部にたまります
赤ら顔、目の充血、イライラしてじっとしていられない、片頭痛
肝風内動:筋肉に栄養が行き届かず突然動揺症状がでます
けいれん、しびれ、ひきつれ、震え、麻痺
寒滞肝脈:冷えが入り込むと痛みが生じます
肝胆系に沿った痛み(胸脇、側腹、鼠径部、陰部)
肝胆湿熱:湿熱邪が入り込むとベタベタした症状や抑うつ感が生じます
肝胆系に沿った部分の湿疹やかゆみ、口が粘る、イライラ、胸がつかえる
これらに用いる漢方薬はそれぞれ異なるのですが、おおむね処方の中に「補血」の生薬が配合されているのは、原因が肝血虚に由来するからと考えるからなのでしょう。
症状を根本体質からの流れで理解する、たえず体全体を考慮する中医学は奥が深いです。
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