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病院の朝

病院の朝は早い。

入院中は決まって6時起床、即採血だけど、検診も、8時にはもうたくさんの患者さんが

来ている。


K病院の場合は、受付してしばらくして処置室に呼ばれ、採血と同時にへブスブリンの点滴、

そして診察を待つ、という流れ。

効率的。



そして今日は、なぜだかあまり混んでない。

なので、処置室内を移動させられながら、看護師さん方によるベッドマットの取り替え。


これも看護師さんがやるんだ。

H大病院は業者さんだったのに。


色々大変です。
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移植後の問題点④~血管腫

間接的に言うと、

移植手術をした → 再手術をした → 内臓の位置が変わった → 胃が変形した → 胃カメラが入りづらくなった → 麻酔が必要になった

→ 麻酔用の注射をしなければならなくなった → その鎮静剤の圧が強い → 血管腫ができた → 治るはずが治らない



と、半ば強引に「移植後の問題点」。

真ん中を端折ると、移植手術をした → 血管腫が治らない、と。




で、今でも、血流が滞った時は、ぷくんぷくんになる。





溜りに溜まって、滞ったら膨れて、痛みが増し、弾けたら一旦落ち着き痛みも弱まる、と。

この繰り返し。





生きるか死ぬか、では決してないので、H大病院やK病院で相談しても、

「そんなの!フン。」

って感じ(個人的感想)。






でも、これが結構痛い。

腫れが最大級になった時なんかは、仕事ができないほど痛い。






胃カメラの鎮静剤、そういえば前回のも痛かった。

血管圧の低下で腕に適当な場所が見つけられず、左手甲からルートを取ったのだけれど、これが、翌日腫れた。

痛みも結構あった。


胃カメラぐらい、鎮静剤無しでできればいいのだけれど、入院中、あまりにも地獄の苦しみを味わったものだから、トラウマの様なものがあって。

今両腕を見ても、元気な血管が見当たらない。

血管も歳と共に弱まる、なんて言われても、じゃぁどうやって鍛えればいいんだろう。




そもそも、手術なんてしていなければ、今頃も、鎮静剤無しで、ゲロゲロ言いながら胃カメラを受けていただろう。

たま~の検診で。




検診で、何気なく受けた検診で、重篤な病気を発見、早期対処で命拾い、という人も、知り合いの中でも結構いる。

がん罹患率の高い身分で、年に一回、もしくは半年に一回、胃カメラや大腸カメラは貴重な自分のチェック。



時々腫れる血管腫が、自分の今の状態を知らしめてくれている、とも言える。





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移植後の問題点③~胆管炎

常に準備しているもの、入院セットとその心構え。


ここ数年、仕事をしながら、家のことをしながら、遊びながら、たまに遠出をした時も、ずっと気持ちの中にあるのは、

「いつ、入院しなければならない事態になるか」ってこと。



その大きな要因は主に三つ。

1.胆管炎

2.HBs抗原の発生(再発の可能性)

3.尿管結石



この三つのうち、2.の抗体に関しては、今のところはヘブスブリンの定期的な接種で最低限の値は確保されている。

問題なのは胆管炎と結石。


何が問題かって、どちらも「突然」やって来る。





この「突然」が、凄く問題。

仕事にもろに支障をきたす。







胆管炎、

再手術の翌年、「突然」やってきた。

40度を超える発熱。

まずまともに立っていられなかった。

這う様にして病院ヘ向かい、即入院。



胆管炎の原因は、胆汁の鬱滞とそれに加わる細菌感染。

胆汁の鬱滞により胆道内圧が上昇、胆汁内細菌が肝臓の静脈に流入することにより起こる。



肝臓移植者の「定番」と言ってもいい病気。

自分は運よく、明らかな(入院を伴うような)胆管炎はその後無いが、検診で必ず聞かれるのは、

「便通はいいですか?」

便が溜まると、つまりは便秘になると、胆管炎になる確率がぐんと上がるらしい。


だから今でも一日3度の胃腸薬も処方されている。




あと、腹圧を高めるのもダメ。

だから腹筋運動はもってのほか。

でもこれはかなり後から知ったこと。


何かの情報では、急に運動したりとか、身体の活性化さえも原因になる可能性があると読んだ記憶がある。(事実は不明)




「軽い胆管炎」というのがあるのか無いのか、

一番厄介なのが、風邪の諸症状が無い発熱。

風邪(気味)なのか、それこそ軽い胆管炎なのか、自分で判断できない。


だから対処のしようがない。

できることと言ったら、近医にかかって抗生剤を処方してもらうくらい。




「何か迷ったらH大に連絡を」と言われてはいるけど、「どの程度で連絡して指示を仰ぐのがいいのか」がわからない。


「胆管炎なら急激に高熱になる」と近医の先生には言われ、実際、前回の胆管炎も、発熱したと気づいたらあっという間に40度超え。






日常、これを理由に運動不足をごまかしている。

あれだけやっていた腹筋運動も最近は全然やってない。

左足のねん挫を言い訳に、ろくに歩いてもいない。



中には、普通に自然に、食べたいものを食べたい時に食べ、休みたい時に休み、動きたい時に動く、それこそが健康の奥義、

なんて嬉しいことを言ってくれる人もいるが、やっぱりある程度の運動は必要と思う。


せっかく生かされた命、少しでも長く全うするのが務めと思っている。






仕事場の隅の大きなカバンには、

入院セット一式、常備しています。




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移植後の問題点②~腎機能障害

H大病院での定期検診で、常に気にかけてもらっているのが、腎機能の数値。

肝臓移植で腎臓、って、少しだけ思うけど、そもそも薬の飲み過ぎは腎臓に少なからず悪影響を与える。


特に、プログラフやグラセプター等の免疫抑制剤の副作用の一つは、腎機能障害。



免疫抑制剤は移植患者にとっては欠かせない薬で、だからこそ腎機能障害の他にも多種の副作用を覚悟の上で、医師の的確な処方の元、服用する。

どんな薬にも作用と副作用があるわけで、そこはやはり薬無しでは生きていけない身になってしまったことを覚悟するしかない。




過去2回、検診で続けて言われたのが、

「移植から10年経って、透析になる人が2割ほど出てきている。」


だからずっと腎機能を気にしていたんだと今さらながら思いつつ、

「そうか、人工透析にまでなるんだ。」

と思ったのが正直な気持ち。



2割、という数値が多いのか少ないのか、よくわからないけど、透析に至るまでの経過がとても気になるところ。




どのミチ、免疫抑制剤を服用することで、ガンや感染症リスクが高まっていることは確かなわけで、腎機能低下を、必要以上に心配するつもりもない。




ただ、左足のねん挫じゃないけど、痛み止めを下手に飲めない、とか、市販の薬は飲めない、とか、

どこか痛んでも、風邪をひいても、その他諸々、やっぱり厄介だ。






痛み止め、と言えば、今唯一処方されている「カロナール」。


「小児にでも飲ませられる」

ということで、「すっごく弱い薬=安心して飲める薬」って信じていたら、

先日、内科の先生に言われた。


「カロナールって、マウスで実験する時に、劇症肝炎を発生させる時に与える薬なんですよね。」って。






なんか...何を信じていいのかわからないんですけど。。。





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移植後の問題点①~10年経て

移植後、まずは感染症と拒絶反応に注意が注がれる。

移植後1年間は殆どそこに重点が置かれると言ってもいいと思う。


それは、この期間を凌ぐかどうかで生きるか死ぬかを左右する、患者によっても大事な期間。


自分としてはその期間をほぼ病院で過ごし、違う意味で苦労もした。




で、無事に1年をこなし、2年、3年、5年、10年と、年数を重ねることで、当時の苦労など過去のもの、と思うことも、

ないわけではない。

それは何故か、と考えてみると、それは一にも二にも、血液検査の結果が、一応は安定しているから。

差し当たって一番の問題はHBS抗体値の「減り方」ぐらいのもの。

運がいいのか、今だけと心配すべきなのか...



むしろ内科の、これも定期的に検診を受けているリウマトイドファクター、これの方が数値的には「悪い」。

いわゆるリウマチ因子。

手指の痛みの原因と思われるもの。




ただこれは内科での話し。

外科では、たぶん、血液検査の結果だけをみれば、かなり良い方の分類に入るのだと思う。

それでも、ここ何回かの検診で毎回言われるのは、

「10年過ぎた患者さんの中で、人工透析になっている方が2割いる。」

と。



歳と共に腎臓は衰えていくので気をつけて下さい、と。

このごに及んで、これから、もっと歳を取ってから人工透析、っていうのはさすがに辛い。


お金も時間も、迷惑もかけることになる。




移植で助けられた命、助かった直後から、問題はこれから、というのは漠然とあった。

根拠も何もない素人の感覚だけど、運良くある程度長く生きられたとしても、簡単にはいかないんじゃないかと。





その感覚、ここにきて、やっぱり細かく、多項目に渡って出てきたように思う。

多種多様の薬、特に免疫抑制剤の服用、筋力の低下、長期入院の弊害...


いろんな原因があるのだろうと思うけど、ここら辺で一度整理しておこうと思い、まとめてみることにしました。



せっかく移植で助かった命、どうせなら一日でも長く...

本当は助けられたことに感謝し、多少のことには我慢をしなきゃならない身分。

でも、いろんなことは実際ある。


そこは目を逸らさず、きちんと残しておこうと思うのです。





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