世界の酒と音楽をまとめておまかせのバーが、かつて神戸にありました。そして、阪神淡路大震災を経て、かつての場所から現在の場所に移動したものの、その時の看板や調度をそっくりそのまま持ってきて、店内の内装も空気も前の店を引き継いでいる。こんなお店が長く続いてくれるのは、本当に嬉しいものです。
写真は昭和58年(1983年)のものです。
良い酒を良い雰囲気で良い気分で飲む。マスターのお酒談義に静かにグラスを傾けると、お酒が美味しくて仕方がありませんでした。
ウエスタンスタイルのバーカウンター越しに、ズラリと並んだ世界のお酒は約1000本。お店のBGMはリクエストが出来、ラテン、クラシック、カントリー、ジャズと何でもありのLPレコード3000枚。
そして、日本で最初にダーツを置いたお店。初代創業者の山本さんは、昭和42年(1967年)自ら設立した日本ダーツゲーム連盟会長に就任し、神戸のバーをけん引して来られました。
店内の柱時計は、昭和13年(1938年)まで灘中学校にあったもので、創業者の山本さんは名門・灘校卒。「作家の遠藤周作氏や俳人の楠本憲吉氏などが、よくイタズラをしてあの前に座らされたといういわくつきのものです」と語られていました。
場所は変わっても、現在もこの看板が使われ、世界の名手と膨大なレコードを楽しむことが出来る「ローハイド」。幸いなことに今日は週末。ぜひ立ち寄ってみて下さい。楽しいひと時を過ごすことが出来ると思います。