昭和には一口に「喫茶店」と言っても、いろいろなお店がありました。大人の雰囲気の「ジャズ喫茶」では、なかなか買えないジャズを沢山聴くことが出来ました。今でもいろいろな「〇〇喫茶」がありますが、そういう区分けではない喫茶店が1つありました。
それは、「待ち合わせのための喫茶店」です。待ち合わせに喫茶店を使うのでも、ただ珈琲を飲んでいるだけなら、どうしてもイライラしてしまうもの。そんな時に良かったのが、「テレビジョン」でした。
当時のキタのファッションビルの草分け的存在の、阪急ファイブにある「テレビジョン」は、内装もちょっとしたスタジオ風で、最新のビデオをじっくり観るには最適でした。そもそも80年代前半は、MTVが普及し始めた頃で、どこででも見れるものではありませんでした。
ここでは最新のビデオがいつもオンエアされているから、待ち合わせには退屈しませんし、貴重な存在でした。その代わり、お金の無いカップルが結構ここで粘っている姿も、よく見かけました。
阪急ファイブは1971年に開業。現在の「HEP FIVE」は、1998年に阪急ファイブと梅田コマ劇場を閉館して、その地に建替えたものです。昔の阪急ファイブは、もっと利用する年齢層が高く、洋服だけではなくいろんなお店が入っていました。その紹介もまた!