天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

小山田浩子『穴』~「文芸春秋」2014.3

2014-02-12 21:43:18 | 
クリエーター情報なし
新潮社


第150回芥川賞受賞作です。
小説にも映像化しやすそうなのとそうではないのとがあって、それはどちらも小説としても面白みを持っています。これは、映像化しにくそうな作品。少しずれた世界を読者の想像にゆだねるのと、映像として表現するのは手段が違うように思えるのです。
非正規で働く主人公が夫の転勤で夫の両親の隣に住むことになり、そこで見える世界を描いています。
が、けっして主人公は「行動するもの」ではなく、巻き込まれるものであり、変えたいと願うものではなく大変受動的に、そして、淡々と物語が進んでいきます。
今あるものを1ミリ動かしたら、変わったのに気が付かない。5センチだとずれすぎ。
さじ加減が微妙。
なんだか、どこか、なぜか不気味な、不思議な作品世界。
でも、筆は確かで曖昧なようで曖昧じゃない。

ただ、主人公が受け身なだけで終わったのが私的には消化不良やけど、それはそれでええのかな。



それにしても「ああ、こういう小説が書きたかった!」ん?
コメント (2)
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