![]() | 昭和の犬 |
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幻冬舎 |
姫野カオルコさんという方が10年くらい前に『整形美人』を拝読したことがあって、でも、それ以降はまったく読んでいませんでした。
この昭和の犬は作者の自伝的作品…なんだろうなあというのは読んでいるうちに作者の経歴と重なってから気が付きました。
なにかセンセーショナルな事件が起こる訳ではなく主人公が見た景色をおっていくのですが、その身近にいるのは時に猫、時に犬なのです。
おもしろかったのは、大きな事件があったりなにか解決するのではないということ。
教訓くさくもなく、本当に淡々と。
ただ、主人公の家庭も主人公自身も一般的とは少し違います。大多数という意味では。
意外なのは聖書がモチーフとして度々でてくること。
短編連作的な書き方で主人公5歳から49歳までの人生の一端を犬を絡めて得外た一作です。