おたくさの つぼみ寄せつつ 雨と陽と
馬糞 Bafun
今年は冷夏なのかなぁ、紫陽花もくちなしも咲くのが遅れている。
紫陽花は気持ちよいほど葉っぱを広げる頃から長く楽しませてくれ
る初夏の花である。
太陽も好きだし、雨も大好きな紫陽花を、シーボルトはオタクサと
いう、いとしい和名をつけて母国オランダに紹介したことが知られて
いる。
日本の雨季にふさわしい生命力にあふれた小さな精霊たちの花で
ある。
紫陽花が咲き始める頃、博多は山のぼせの男たちがそろいの浴
衣姿でそわそわとし始める。
男たちの紫と紫陽花が力水を呼ぶ季節になった。
それに重ねて、今年はオリンピック招致の動きがやっと盛り上がり
つつある。
「山の季節にならんば、オリンピックってゆうたっちゃ、気がはい
らんもんねぇ~。」
「そげんですたい。博多んもんが、オリンピックば博多でしようてゆ
うとに反対するわけがなかたい。ばってん、どこでん、貧乏神んごた
るとがおって、決まって福祉じゃなんじゃゆうて、反対運動ばすると
のおるもんねぇ。好かんばい。」
「公務員の労働組合も反対しよるっちゃろけん。なんが財政赤字か
いな。あいどんの給料が公費の無駄使いやろもんねぇ~。」
「ひろたろうがくさ、北京にも行ってきたげなもん。本気でオリンピック
ば呼ぶて言いよるたい。ばってん、いっちょん迫力んなか。本気なら、
吼えんかぁ~へたれ~。女性の会の会長さんのほうが、よっぽど市
長らしかもん。市長選に立候補すればよかばい。」
話しなつづく・・・
Bafun