2月1日(土)
先日、我家の傍を走る東武東上線で電車と軽自動車の衝突事故があった。原因は車を運転していた女性が踏切待ちの間、郵便物を投函しようと車から降りた途端、無人となった車が踏切内に進入し通過中の電車と衝突したというものだ。
事故の経緯は容易に推測できる。職場への通勤途中であったという40代の女性は、朝の忙しい時間帯に踏切待ちの時間も惜しんで、軽い気持ちで郵便物を投函する為車を降りたのだろう。
しかし彼女はミスを二つ犯したと推測される。シフトレバーをNかPにするのを忘れたか、あるいはしたつもりがDのままだった事。そしてパーキングブレーキを掛け忘れたか掛け方が甘かった事。これらの失敗は誰にも良くあるが、場所とタイミングがあまりにも拙かった。
この事故で東武東上線は半日ストップし、数十万人の足に影響を及ばした。鉄道会社から億単位の損害賠償を求められる可能性があるそうだ。事故さへ無ければ善良な無名の一市民であろう彼女の人生は、一気に奈落の底に突き落とされてしまったであろう。
報道は彼女のミスを厳しく糾弾しているが、果たしてこれを他山の石と言ってよいのだろうか。国民の1.7人に1台の車が普及する我が国で、多くの人がマイカーを持つ。
その大多数は過去に幾つか車のアクシデントを経験しているのではなかろうか。人間はミスをする生き物であり、むしろ経験しない人の方が少ないのではないか。かく言う私も過去に数度車を傷つけた苦い経験がある。
CM等で自動車メーカーが、バラ色のカーライフを華々しく宣伝しているけれど、小さなミスで車は殺人マシンにも成り得るのだという現実を、ハンドルを握る我々は決して忘れてはならないと思う。