2月20日(木)
テレビでコメンテーターとして活躍している鳥越俊太郎さんが書いた「がん患者」という本を図書館で借りて読んだ。以前、鳥越さんは自分の闘病経過をテレビで放映させた事がある。その時彼の表情には笑みと余裕があり、早期ガンで心配ないのだろうと思っていたが、本を読んで重篤な病態である事を知り驚いた。
ガンのステージは1~5段階の4(他の臓器等への転移が認められる)という最悪に近いレベル、原発・転移部位の外科手術も4回実施、と本には書かれている。
これは深刻にならざるを得ない状況だが、本の中の鳥越さんは時折弱音を吐きながらも淡々と病気に立向かい、飄々と困難な現実を幾度も乗越えていく。そして現在もテレビや講演に八面六臂の大活躍をしておられる。その姿には深い感銘を覚える。
私も一昔前に胃ガンを患ったガンOBだから、鳥越さんの心情は体験としてよく理解できる。術後5年間は、検査を受ける度にロシアンルーレット(拳銃に一発弾を込めこめかみに当て引金を引く死のゲーム)をやるような思いをさせられた。
ガンは今や日本人男性の二人に1人、女性の三人に1人が罹る国民病だ。現在も多くの人々が闘病の身で、思い悩む方も少なくないだろう。この本はとても簡潔で判り易い文章そして明るい内容なので、そんな人達に勇気と希望を与えてくれる気がします。絶賛お勧めの一冊です。