透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

『十二の月たち』

2017-01-03 21:52:31 | 日記

曇りのち晴れのち雪。最低気温-6.8℃、最高気温-0.3℃。

今は一月。この絵本の始まりも1月の設定です。

家を追い出された女の子が向かう先は暗くて寒く、雪深い森の中。冬の山へ凍えそうになりながら向かう場面は印象的です。

「十二の月たち」はチェコやスロバキアからロシアにかけて、広くスラブ地方に伝わる民話だそうです。この本はボジェナ・ニェムツォヴァーというチェコの作家の再話をがもとになっていて、本文はチェコ語、会話文はスロバキア語で書かれているとのことです。

あらすじ

善良なマルシェカはまま母とその娘ホレナにその美しさゆえにいじわるをされながら一つ屋根の下に暮らしていました。

一月のある日、ホレナからスミレの花をつんできてと言われ、まま母に家を追い出されてしまいます。

スミレを求めて山へ向かうマルシェカ。深く積もった雪のうえには足跡一つありません。

長いこと歩き続き、寒さと空腹に耐えかねて、神様の下へ召されたいと願うマルシェカ。

そのとき、遠くに灯りが見えるのです。

灯りを目指して山の頂上まで行くと、そこには大きなたき火があかあかと燃え、その周りに12人の男たちが座っていました。この男たちは十二の月だったのです。

雪のような白いひげをたくわえ、杖をもった一月が一番高い椅子に座っていました。

なぜ、ここに来たかを尋ねる一月にマルシェカはスミレを摘みにきたと言います。この時期にスミレはないという一月。ホレナ姉さんがスミレを取ってこいと言い、摘んで帰らないとただじゃすまないからスミレがどこに咲いているのか教えてとお願いするマルシェカ。

一月は立ち上がってもっとも若い三月に席を譲ります。三月が一番高い椅子にすわって、たき火の上で杖をふると、雪は瞬く間に消えさり、春になるのです。スミレをたくさん摘んで家へ帰ると、次の日には、イチゴを摘んできてとまた無理なことを注文されてしまいます。

・・・明日は病院へ行く予定なので、今日はこの辺で。続きはまた次回にと・・・。

ボジェナ・ニェムツォヴァー再話  出久根育文・絵  スラブ民話『世界のお話傑作選』より 

コメント
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