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1月7日付けの北海道新聞夕刊の「平和考」という特集に登場したのは池澤夏樹氏でした。
池澤夏樹氏は1945年帯広市生まれ。作家、詩人、評論家。小説に「スティル・ライフ」「マシアス・ギリの失脚」「カデナ」「双頭の船」など。94年から10年間沖縄に住み、現在は札幌市在住。道立文学館館長。個人編集の「日本文学全集」(河出書房新社)の出版が続いている。 ー同記事から引用ー
かつて沖縄に暮らし、後にフランスに、そして現在札幌に住んでいる池澤氏に沖縄から見える日本とはどのような国なのかの問いに、きっちり答えられていました。
ー米軍北部訓練場の工事を警備中の大阪府警機動隊員が反対派の人々に「土人」という言葉を投げつけた問題ですね。
「文化的に劣ったやつらだと蔑視する本音がでた。しかも沖縄北方担当相が『差別とは断じられない』と言い、それを追認する閣議決定までなされた。平等がないがしろにされている。根本の構図は変わっていない」
「経済と引き換えに沖縄に負担を強いている。沖縄を2級の国土を見なしているから、嫌がるものをおしつけていいと思っている。福島など原発がある土地も同じ。米軍基地と原発はよく似た存在だと思う」
また、このようなことも。
「平和というのは言葉の闘いです。利害は一致しないのだから、闘いは当然ある。それが言葉や理屈で済んでいるうちは平和と言っていいい。でも国は言葉ではなく機動隊を出す。警察と軍隊は合法的な暴力装置です。」
「今の民主主義は危うい。民主主義を運営していくには知性が必要です。歴史に学び、憲法を理解しなければならない」
特集は
「……文学は個人の生活を描き、個人の魂を刻む営みです。平和の側に立たざるを得ないのです」
との言葉で締めくくられていました。
池澤氏は宮沢賢治と彼の作品を深い造詣と繊細な言葉で読み解いた『言葉の流星群』を著してもいます。この本を読んだ時の驚きと感動がよみがえってきました。