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本日の卓上四季に福音館書店刊の「おおきなかぶ」が取り上げられています。
1966年初版発行のこの絵本が200刷に達し、同社の「ぐりとぐら」「ねないこだれだ」に次ぐ版数とのこと。
耳になじみのある「うんとこしょ どっこいしょ」が繰り返され、なかなか抜けない大きなカブにおじいさん、おばあさん、孫、犬、猫、ネズミが加わるあの絵本。
ロシアの昔話をA・トルストイが物語として書き直した作品で、訳は内田莉莎子で画は佐藤忠良。
佐藤忠良の彫刻は以前に数度見たことがあり、当時から新聞や雑誌での評価が高かったと記憶しています。
この絵本の解釈は一般的には1人では不可能なことも皆が協力すれば可能になるというものですが、訳を担当した内田さんはそれを安易な捉え方と思っていたとのこと。
コラムではその解釈から一歩切り込んだと思われる西郷竹彦の捉え方が取り上げられているところに注目しました。
西郷竹彦は最後に加わるネズミに小さな弱い存在の大きな役割と値打ちを見ていると。
そこから40年あまり、「トランプ氏の米国に限らず、包摂や多様性への反感を見聞きする昨今である」としながら、コラムの最後は以下のように締めくくられています。
「小さな弱いものに目を向け、世代を超えて受け継がれてきた数々の本が刷りを重ねていく。それが簡単ではない時代が来るのか心配になる。」
コラムを読み終え、包摂や多様性を受け入れる大きな森のような寛容さがノスタルジアとして語られ始めていることに一抹の不安を感じる自分に気づきました。
おそらく、いびつになっていく世の流れを感じているのは私を含めて、ほかにも少なからずいることだろうなと・・・・・・・。
それでは今日はこの辺で。
明日が皆様にとって良い一日となりますように・・・・。