「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

光市母子殺害事件 差し戻し審判決 (3)

2008年04月23日 09時46分10秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53886242.html からの続き)

 今回の判決は、昨今の重罰化傾向を 明確にしたといえるでしょう。

 これまで死刑は、原則不適用・例外適用でしたが、

 今回、原則適用・例外不適用と 示したのかもしれません。

 永山基準が事実上 修正され、過去のものになった ということでしょうか? 

 あるいは、各項目のウェートの置き方が 変わったのでしょうか? 

 裁判員制度を控えて、裁判所が民意を反映する

 先鞭をつける意味も あったのかもしれません。

 オウム事件から 民意が変わってきて、凶悪事件の低年齢化や、

 子供が被害者となる 事件の増加と共に、厳罰を求めるように なってきました。

(僕はそれに 与するものではありませんが。

 なお 実際のデータでは、

 この数年 殺人事件数は減ってきており、昨年は最低だったそうです。)

 また、今まで蚊帳の外に置かれていた 被害者感情が、

 尊重されるようにも なってきました。

 それは言うまでもなく、本村さんの存在が多大でした。

 それから、従来のマニュアル的な 判例主義ではなく、

 個々の事件に沿った 判断をすべきではないか ということも問われました。

 これからは、被害者と国民も 裁判に加わるように 変わっていくでしょう。

(もっとも、被害者遺族も顔を出さないと 量刑が変わってくるとしたら、

 それもまた問題ですが。)

 裁判員制度では一般国民が、

 死刑を言い渡さなければならない シーンに直面します。

 それは世界で 日本だけのことになります。

(他の先進国では 死刑制度はなく、

 アメリカは陪審員制で 量刑は国民が決めないので。)

 そのとき我々は、どういう態度で 臨むことができるでしょうか?

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53906338.html 
 
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光市母子殺害事件 差し戻し審判決 (2)

2008年04月22日 21時15分58秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53880108.html からの続き)

 差し戻し審で述べられた、母体回帰,復活の儀式という 新供述を

 どう評価するかが、今日の判決の 大きなポイントでした。

 しかしこれらは、行為の態様や 個々の証拠から 整合性がないとして、

 広島高裁は 信用できないと退けました。

 元少年は二審まで、「美人だなと思い、暴行しようと思った」

 「死体は怖かったが、性欲の願望が勝っていたので 暴行した」

 と供述していました。

 元少年は、旧控訴審の国選弁護人を 最高裁でも私撰弁護人としており、

 300回近くの接見があって、弁護人が差し入れをしたり、

 親代わりになっていたといいます。

 それにも拘らず、弁護人に新供述を 一回も話していないのは 不自然であると。

 被告は 虚偽の弁解を弄することで、

 死刑の選択を回避するすべを 見いだせなくなった、と 判決は述べています。

 弁護方針が全く逆効果になって、酌量の事情さえ なくなってしまったわけですが、

 これは差し戻し審開始直後も 指摘されていたことでした。

 安田弁護士は、反省したからといって 死刑が免れるわけではない,

 そんな甘い話はないと、今日の会見で述べていました。

 そのため、事実そのものを 争わなければならないという、

 強行手段を取ったのでしょうか。

 しかし元少年は、必ずしも 死刑から逃れたいと 思っているわけではなく、

 判決前の取材に対しても、死刑でも仕方がないと 言っていました。

 ただ、今後の少年審判の 判例となるとしたら、死刑は避けたいと。

 それは弁護団も 分かっていたようですが、弁護方針が噛み合わず、

 裁判所もまた 元少年の心中を どう読み取ったのか。

 あるいは、元少年が 死刑やむなしと思っていても、

 それだけでは 死刑回避の理由にならないし、

 被害者や遺族に対する 謝罪や反省の念も 不充分なので、

 どのみち 死刑は避けられなかったのか?

もっとも 最高裁から差し戻された時点で すでに、

 極刑を回避できる可能性は 極めて少なくなっていたわけですが。

「罪責は誠に重大で、特に酌量すべき 事情がない限り、死刑を選択するほかない」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53894384.html
 
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光市母子殺害事件 差し戻し審判決 (1)

2008年04月22日 12時35分25秒 | 光市母子殺害事件
 
 広島高裁の楢崎裁判長は 本日正午、

 被告の元少年に 「死刑に処する」 と 言い渡しました。

 情状面で 特段の酌量すべき 事情はないとしました。

 報道で 法廷の一部しか知らない 我々に対して、

 公判での現実や心証 を一部始終にわたって 厳密に検討した、

 裁判所の判断は 尊重すべきでしょう。

 裁判所は 弁護側の主張に対して、くまなく耳を傾け、

 ひとつひとつ検討し (業界用語で “挨拶をする” というそうです)、

 精緻な裁決を したのだと思います。

 弁護団が否定した 殺意や性的暴行目的ですが、

 広島高裁は 一審二審の事実認定を認めました。

 元少年には 今までも法廷で 事実を述べる機会があったのに、

 差し戻し審になって初めて 新たな事実を主張するのは 不自然であるとしました。

( 復活の儀式やドラえもんの話は、一審二審の弁護団の判断で、

 不謹慎で かえって少年に不利になるため、

 事実を認めて 情状を求めるという方針だった 可能性もありえます。)

 事実認定の理由として、裁判所は 次のように述べています。

 まず、逆手で首を絞めて 殺害するのは不可能だということ。

 この点は裁判所も 非常に関心を持った問題で、

 公判で何度も 質問をしていたそうです。

 また、元少年は 弥生さんが生き返ったかどうか 確かめていないので、

 復活のために姦淫したというのも 不合理であると述べました。

 取り敢えず 速報としてアップしました。

 また 詳細を書きたいと思います。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53886242.html
 
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光市母子殺害事件 判決公判を前に

2008年04月21日 11時15分49秒 | 光市母子殺害事件
 
 いよいよ明日 4月22日午前10時、広島高裁で 控訴審判決が言い渡されます。

 この差し戻し審になって、初めて 弁護側から出された “傷害致死” という主張が、

 果たして どのように判断されるのか、極めて注目されます。

 判決を前に、本村さんが会見を開きました。

(明日は 判決に対する 会見になるだろうから、

 この9年間の 思いを語るには その前にという趣旨で。)

 本村さんは 一審の無期懲役判決後、

 「私がこの手で殺す」 と訴えて 物議をかもしました。

 会見で本村さんは、これは不適切だった と述べました。

 自分は私人ではあるが、メディアの前で 発言すると決めた以上、

 ある限度や わきまえを持たなければいけない、それを逸脱したものだったと。

 しかし、この発言は 極めて重要で貴重なものだったと 僕は思います。

 僕は死刑制度廃止の立場ですが、この本村さんの魂の訴えは 重く深く響きました。

 被害者遺族としては 当然の感情だと思いますし、

 被害者の心情は これだけ強烈なのだということを、

 生の声で聞かされて 心が動かされました。

 死刑存廃の考えに 少なからず影響を受けたのです。

 本村さんは 自分の一連の言動が、死刑を促す 世論を喚起し、

 裁判を動かすことに なったとしたら、

 自分は十字架を 背負っていくと言っています。

 逆に判決が 無期懲役だったとしても、それを受け止めていくと 述べていますが、

 それは どんなに険しく長い 道のりの果ての心境だったか、想像に余りあります。

 本村さんの活動は、裁判員制度を前にして、

 我々が 死刑をどのように考えるか ということについても、

 非常に働きかけるものが あるでしょう。

 襟を正して 明日の判決を 待ちたいと思います。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53880108.html
 
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光市母子殺害事件・最終弁論

2007年12月04日 20時30分17秒 | 光市母子殺害事件
 
 本日、光市母子殺害事件の 弁護側最終弁論が行なわれ、

 差し戻し審は 結審しました。

 今回の差し戻し審で 出てきた、ドラえもんや ロールプレイングゲームの話ですが、

 実は 取り調べ段階の 32通の調書の中で、

 少年はすでに 全部しゃべっていたのだそうです。

 これは僕も 初めて知りましたが、

 マスコミでも どうして今ごろになって 報道されたのでしょうか。

 一審二審では  何故これらが 出されなかったのか? 

 審理を充分 尽くしたと言えたのか? 

 弁護側の、検察のシナリオだった という主張も、

 あながち 妄言だとも言えないのか……?

 早くから取り上げていれば、

 本村さんの気持ちも もっと変わっていたかもしれません。

 やはり取り調べを 可視化することが大事だと、大谷昭宏が語っていました。

 元少年が 獄中から友人に宛てた、強姦を示唆する 手紙もありますし、

 殺意や暴行の意志の有無を 判断する際に、どのような影響を 与えるでしょうか? 

 裁判所は、果たしてどんな 審判を下すでしょう……? 
 

(以下、TBS 「イブニング5」 より。)

 弁護側は 3時間にわたって、元少年の殺意や乱暴目的を 改めて否認しました。

 これまで認定された殺害方法には 事実誤認があると主張。

 さらに、元少年が犯行当時 18才になったばかりで、

 家庭で虐待を受けたため 精神的に未成熟であったことから、

 減刑の必要があると 訴えました。

 遺族の感情は 将来に向けて変わることもあり、

 現在の遺族感情だけで 量刑判断を変えることには 冷静であるべき、としました。

 最後に、主任弁護人の安田氏は 次のように述べたそうです。

 何よりも、事件や社会を受け止めて、生きていこうと決意する 被告人がいる。

 残された課題は ひとつ、彼は今後 どうやって生きていけばいいか ということ。

 元少年に 生きる道しるべを 見いだす判決を、出していただきたい。

 元少年は 差し戻し審で初めて 本当の裁判を受ける機会を 与えられたとし、

 以前の真相究明が 不充分だったと強調しています。
 

 一方、検察側は 10月の最終弁論で、

 元少年は反省するどころか 事実ねつ造をし、

 遺族に さらなる苦痛を与えているとして、死刑を求めています。

 判決公判は、来年の4月22日 午前10時に決まりました。
 
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光市母子殺害事件 第3回集中審理 (5)

2007年09月22日 13時16分59秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50249554.html からの続き)

補足です。

一昨日の記事で、取り調べ過程に 供述の強要があったと、

今になって 弁護側が述べてきたのを 訝る旨を書きました。

まず 事実の主張をしてから、その事実誤認の経緯を 訴えるという、

司法上の段取りのルールが あるのだろうかとも考えましたが、

やはりそうではなく、訴訟の方針として 不適切だそうです。

 元最高検察庁検事の 土本武司氏によると、

取り調べに問題があると 指摘するなら、

真っ先に争点に するべきことだといいます。

しかし最近、不当な取り調べによる冤罪事件が 続けて明るみになり、

裁判所も 今なら冤罪に目を向ける という計算ではないか、というのです。
 

 ところで、会見で涙を見せた 弁護士ですが、

最も泣きたい立場である 本村さんが 冷静で毅然としているのと、

全く対照的な 姿でしたね。

プロである弁護士が ああいう場で涙を見せては、

立証活動そのものの 信頼を損ねるという 意見もありました。



 関係ない余談です。

今回の集中審理の 報道を見ていて、

TVに出る テロップが間違っているのが 目に付きました。

例えば、本村さんが 「無辜 (むこ) の人間が殺され~」 と言ったのに、

テロップは 「無垢 (むく) の人間」 と出ていました。

無辜は 「無実」 という意味ですが、

担当者やプロデューサーは その言葉を知らなかったのではないでしょうか。


もし、汚れがないという意味の 無垢ならば、

「無垢の」 ではなく 「無垢な」 でなければなりません。

 また、某氏が 「被告は増上慢 (ぞうじょうまん) になっている」

と言ったのに対して、

「増長マンになっている」 というテロップが 付いていました。

増長しているヤッターマン みたいなもんなのか?

 「助長する」 を 「増長する」 と言ってた人もいたし、

本村さんの意見陳述の 「天網恢恢 (てんもうかいかい)、疎にして漏らさず」を、

「天網恢、恢疎にして漏らさず」 と読んだ ナレーターもいました。

テレビ関係者は、もっと言葉を 勉強してほしいもんです。

それに比べて 本村さんは、「造り花に匂いなし」 とか、

「弁をもって 非を飾ることはできない」 「水に描く如く」 など、

とても 文学的に豊かな 表現をされるのに感心します。
 

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光市母子殺害事件 第3回集中審理 (4)

2007年09月21日 11時26分22秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50232653.html からの続き)

 検察側の 法医鑑定人の 証言がありました。

 元少年が 逆手で弥生さんの口を 押さえようとして、

手が滑って 首を絞め 死なせてしまったというのは、

被害者が 必死に抵抗するなか、現実的にあり得ない と述べました。

 だから殺意を持って、執拗に絞殺したという意見でしょう。

ちなみに、僕は 日本の裁判の精密司法に 与する考えで、

弁護側・検察側 双方の主張を、厳密に 精査しなければならないと思います。

 しかし 来る裁判員制度だとしたら、

この事件は こんな複雑な成り行きにはならず、

短時間で 結論が出るような 事件だったのでしょう。

(そのため 裁判員制度では、冤罪が生まれやすいのではないか

という危惧を持つのですが、それは ここでは別の問題です。)
 

 元少年は 弁護側の質問に対しては、涙を流しながら 話したりしますが、

検察側に対しては 敵意や不快感をあらわにし、

感情の起伏が激しくて まるで別人のようだと、

傍聴していた記者は 報告していました。

 でも 意見陳述の場に立った 本村さんは、

元少年が真実を述べているとは どうしても信じられない と訴えました。

また、検察官や裁判官に対する 元少年の不遜な態度を見ると、

とても反省しているとは 思えないとも述べました。

( 検察官に 「僕をなめないでもらいたい」 と 言い放ったなど。)

それが、“生の被告” を目の前にして 見てきた、

「心証」 というものであり、

同様のことが 裁判官にも 感じられているのではないでしょうか。

(蛇足ながら、弁護団の会見では 一人の弁護士が、

「この裁判の弁護ほど、胸を張ってできたことは、今までありませんでした」

と言って、泣きだす一幕がありました。

 どうも 下手な演技なんではないかという、僕の “心証” でした。

古田の退任会見の 涙とは違うんですよね。)

本村さんと弥生さんの母親の 心底からの意見陳述は、

峻烈な被害者感情 というものを、法廷に伝えたことに なったでしょう。

被害者の感情が 重んじられるように なってきたという、

この 日本の裁判の流れも、他ならぬ本村さん自身が、

塗炭の苦しみで 切り開いてきた道だったのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50267411.html
 
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光市母子殺害事件 第3回集中審理 (3)

2007年09月20日 13時46分13秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50217450.html からの続き)

元少年は 件の手紙について、

今は 不謹慎だと思っていると 述べたそうです。

「無期で ほぼキマリ。

7年そこそこで 地上にひょっこり 芽を出す。」

「犬がある日 かわいい犬と出会った。

そのまま 『やっちゃった』。

これは罪でしょうか」

という部分に対して、次のような 弁明がありました。

 前者については、

「本村さんの著書 『天国からのラブレター』 で

(7年ということを)知った。

友人から 著書を差し入れられ、その本の中に、

『少年法があるので 7年くらいで出てこられる』 ということが書いてあった。

少年法に 詳しかったわけではない。」

 それから後者。

「犬は自分のこと。

自分が当時 鬼畜と言われていて、

人間扱いされていなかったことを 言いたかった。

その反感から書いた。

弥生さんに対する 姦淫のことではない。」

 しかし、どうでしょうか? 

まず前者ですが、本村さんの著書を 読んだ後でも 前でも、

少年法に詳しくても 詳しくなくても、

手紙の文面の 意味は変わらず、元少年の不謹慎さも 変わりません。

 後者も、姦淫のことではないというのは 余りに無理がありますし、

反感から書いたということとの 関連も理解に苦しみます。

検察側質問で 「かわいい犬とは 誰のことか?」 と聞かれると、

元少年は黙り込みました。


元少年は 弁護側の質問には 流暢に、あるいは 言葉を選ぶように 訥々と、

涙を流しながら 答えていたといいます。

弁護団は 書記官に向かって、泣いていることを 記録するようアピールし、

書記官は苦笑したとか。

ところが、検察側の反対質問では 一転して、

ふてくされたような 態度を見せたり、黙り込んでしまったり。

元少年が 計画性を否認していながら、

犯行時に カッターナイフや粘着テープを所持していた 矛盾点を突かれると、

動揺し 逆ギレする場面も あったということです。

(検察官は このことを記録するよう、

書記官にアピールすれば よかったのでは? (^^;) )

 もっとも、最高裁の意見では、この事件の あまりの残忍さ故に、

計画性の有無は 問題にしないとまで 言っているようです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50249554.html
 
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光市母子殺害事件 第3回集中審理 (2)

2007年09月19日 19時01分49秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50202257.html からの続き)

 今回の法廷で 元少年の態度は、前回までの審理とは 随分変わったようです。

髪を短くし、グレーのスーツという 出で立ちを始め、

遺族の立場を思う言葉を 涙まじりに述べたといいます。

また、初めて遺族に 謝罪の言葉を口にし、

キリスト教の教えも 受けているということです。

これが演技かどうかは 分かりませんが、

前回はまるで 法廷をばかにしたような 服装と態度だったのに、

弁護団は どういう指導をしていたのかと、当初から訝っていました。

 また、差し戻し審でいきなり ドラエもんやら 復活の儀式やら、

およそ荒唐無稽な 論理を展開して 世間の批判を受けるより、

初めから今回のような 話をしたほうが、

まだしも説得力が あったのではないかとも思います。

弁護団のやり方は、戦略的にも まずいのではないだろうか と思いますが、

まず最初に 事実の主張をしてから、次に、

一審二審で 事実と違う結果になった経緯を 明らかにしなければならない、

という順序があるでしょうか。

 今回の元少年の証言は、かなり 周到に組み立てられた 筋書きのようですが、

それが事実である という証拠もなく、獄中からの手紙など 矛盾もあり、

極刑が相当という 最高裁の判断を 覆すことはできるでしょうか。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50232653.html
 
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光市母子殺害事件 第3回集中審理 (1)

2007年09月18日 21時55分56秒 | 光市母子殺害事件
今 パソコン修理中で 書き込みを中断していましたが 〔*注〕、

 本村さんの事件の 公判が開かれたので 書かないわけにはいかず、

 無理をしてネットカフェから アップすることにしました。

 
〔*注: 僕は普段 親指シフトを使っているため、

 ネットカフェでのローマ字入力が とても非常に困難なのです。〕


被告人質問で 元少年は、強姦の意志と 殺意を否定しました。

取り調べ段階での供述は、検事に強要された ものだというのです。

その詳細についても 述べていました。

普通の人なら 少年や弁護側の方針に激怒して、

 なおさら 極刑を強く求めることでしょう。

けれども、強引な取り調べによる冤罪が 次々と表沙汰になっている昨今、

 元少年の証言が 全く嘘だとは 言い切れないかもしれません。

本村さんは 一般の人よりも ずっと冷静で、

 客観的に見つめる力を 持っています。

そのために本村さんは、

 何が真実なのか 分からなくなってきたと 困惑しています。

しかし、元少年が 獄中から友人に送ったという 手紙に書かれていた、

 あの内容は いかがなのでしょうか?

犬が かわいい雌犬に出会って やっちゃった、これは罪なのか 云々という。

以前の記事にも 書きましたが、

 元少年と弁護側は この点を明確に 弁明しなければなりません。

今回の公判でも 元少年は、

 「押しの強い エッチのつもりだった」 と言っていますが、

 これがレイプでないというのは 相当無理のある話でしょう。
 

折しも、本村さんと 在りし日の弥生さん,夕夏ちゃんの姿を 描いた映画、

 「天国からのラブレター」 が 公開されました。

この映画には 加害者や裁判のことは 出てきません。

それは 本村さんの希望だそうで、映画によって

 加害者たちを 断罪したいのではなく、命の大切さを 訴えたいというのです。

(また恐らく 本村さんにとって、

 役者が 元少年の犯行や その後の態度を演ずるのを 見るのは、

 また日本中の人に見られるのは、とても耐え難い ことだろうと思います。)

僕もぜひ 観たいと思っていますが、何とも切ない 映画なのではないでしょうか。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50217450.html


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光市母子殺害事件 第2回集中審理(5) 母胎回帰ストーリー

2007年07月28日 00時23分39秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49164455.html 続き)

 弁護側が描く 「母胎回帰ストーリー」 というのは、次のようなものです。

 元少年は 事件の2日前、父親に暴力を振るわれ、

 父に対する 恐れの感情が高まっていた。

 事件当日、仕事を休もうとしたが、父に知れるといけないので、

 作業服を着て 出勤するふりをした。

 その際、父が 元少年の名前を書いたほうの 作業着を選び、父親にアピールした。

 一旦外へ出るが、昼頃に帰宅する。

 義母がテレビを見ている 後ろ姿を目にして、寂しさから甘えたくなり、

 後ろから抱きついたが、すげなくされた。

 再び外へ出たが、孤独を感じ、誰かと話したいと思った。

 アパートなら 多くの人がいるだろうと思い、アパートへ行った。

 その時、配管の修理を装って

 「トイレの水を流してください」 という 言葉を思いついた。

 ロールプレイングゲームのようなもので、この言葉を言えばクリア という感覚だった。

 15軒の家を回って、弥生さんが初めて 家の中に招いてくれた。

 家に入るのは 想定外だった。

(できれば 話をしたいと思った。)

 弥生さんは やさしそうな女性で、

 こんな人が母親だったら どんなにいいだろうと思った。

 修理の仕方は 分からないので、トイレの中で しばらくじっとしていた。

 そして 黙って外に出て、アパートの階段の踊り場で 煙草を吸っていた。

 しかし、作業が終わったことを 弥生さんに告げないと、

 このことが 父親にばれてしまうのではないか と恐れた。

(父親と本村さんは 関連事業に勤めているので、

 黙って帰ると 弥生さんが不審に思って 本村さんに話し、

 作業着に名前が書いてあるため、そこから 父親に伝わってしまう という意味か。)

 部屋に戻ったのは、性的行為が目的ではない。

 部屋へ入り、弥生さんに 母親の姿を重ね、甘えたくなって 後ろから抱きついた。

 弥生さんが驚いて 声を上げたので、

 口を押さえようとして、誤って 首を絞めてしまった。

(その後は、例の魔界転生,ドラえもんの話。

 部屋を出た後は、アパートが 巨大な怪物のように感じられたなど、

 精神の不安定も強調。)
 

 以上、一見 ひとつの筋が 通っているかのようですが、

 ひとつひとつの行為に 後付けで理由を くっつけているようなもので、

 リアリティや説得力が あるとは思えません。

 作業の終了を 告げに戻ったとき、部屋に上がった理由も 分かりませんし、

 そこから 抱きつくというのも飛躍があるでしょう。

 そして、元少年が獄中から 友人に出した手紙によって、

 性行為が目的だった というのは明らかです。

 ここを 弁護団が何と説明するのか、見物です。

 次回の公判は、9月18日です。
 
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光市母子殺害事件 第2回集中審理(4) 精神科医の証言

2007年07月27日 00時10分02秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49154711.html からの続き)

 昨日は、関西学院大学の 精神科医・野田正彰氏による、

 精神鑑定の証言がありました。

 元少年は 野田氏との接見で、

「弥生さんはまだ生きている。」「来世で弥生さんと結婚する。」

 などと話したそうです。

 野田氏によれば、元少年は 被害者の死の意味を 理解していないということです。

 弁護側は、元少年は 父親の虐待や 母親の自殺によって 精神的発達が遅れ、

 現実認識能力を欠いていた と主張しています。

 「精神的に未発達 または正常でなく、責任能力が充分でない」

 ということを 訴えたいのでしょう。

 しかし、人格障害も 同じような理由で生じますが (および生物学的な原因)、

 刑事責任能力はある とされています。

(心子は 犯罪とは無縁でしたが、仮に 感情をコントロールできずに

 犯罪を犯してしまったとしたら、彼女は潔く 刑罰を受けるでしょう。

 僕としては 医学的な見地から 刑の減免、または 情状酌量を望むでしょうが。)

 反社会性人格障害は、反社会的な犯罪を犯して、

 良心の呵責を全く感じない というものです。

 池田小学校で 児童殺傷事件を起こした 宅間守は、

 反社会性人格障害といわれ、死刑に服しました。

 しかし 元少年は、人格障害とも診断されていません。

 とすれば、人格が未発達などという 曖昧な理由で、

 減刑されることは ないはずでしょう。

 そもそも 犯罪というものは、人格が未成熟な人間が 犯すことで、

 多くの犯罪者は 何らかの不遇な環境で 育ってきています。

(その程度が 余りにも悲惨な場合は、情状酌量の余地が あるかもしれませんが。)

 この点でも 弁護側の論法は、無理があると思われるのですが。

 
〔追伸〕

 野田氏は、膨大な鑑定試料を 読むのが面倒で、全部は読んでいない

 ということを明らかにしました。

 野田氏は 死刑廃止論者です。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49183925.html
 
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光市母子殺害事件 第2回集中審理(3) 上野正彦氏の証言

2007年07月26日 15時28分07秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49144088.html からの続き)

 「死体は語る」 の上野氏が、昨日の公判で どのような証言をしたのか

 ということを、インタビューを交えて TBSで放送していました。

 弥生さんの首には、被告の4本の指の跡が 付いていますが、

 下側 (鎖骨に近いほう) の指跡が長く、

 上 (顎に近いほう) にいくに従って 短くなっています。

 検察は、被告が左手で、順手で (人指し指が顎のほうで、小指が鎖骨のほう)

 被害者の首を締めた跡だ という見解です。

 下側の指跡は 小指の跡で、中指や人指し指の跡より 長くなっているのですが、

 それは 小指の付け根から掌の部分 (空手チョップで相手を打つ部分) の跡が

 付いたためだとしています。

 これに対して上野氏は、掌の部分は柔らかいので、この部分の跡が付くとしたら、

 もっと面積が広くなっているはずだ と指摘します。

 従って 長いほうの指跡は人指し指で、

 被告は逆手で 被害者の首を締めたことになる、という結論です。

 この裁判は不思議で、法医学的な鑑定がなされないまま 最高裁までいってしまった、

 と上野氏は 疑問を呈しています。

 しかし もし、被告が逆手で 被害者の首を押さえたとしても、

 手が滑ったのではなく、初めから絞殺するつもり だったかもしれません。

 また仮に 誤って手が滑ったのであれば、すぐに手を離すはずで、

 窒息するまで 締め続けたというのは、やはり殺意があった

 ということになるのではないでしょうか。

 最高裁の認定は、被告は 弥生さんの首を両手で、順手で 締めたというものです。

 これに対して 今回の弁護側は、片手で、逆手で締めたと 主張しています。

 上野氏は 弁護側の説を認める 死体所見を述べましたが、

 手が滑ったとは限らず、殺意がなかったとは考えていません。

 被告には極刑があってもいいと 個人的に言いながら、

 しかし殺害方法は 検察側のいうようなものではない、という立場です。

 
 また、夕夏ちゃんについて 最高裁は、

 被告が夕夏ちゃんを 床に叩きつけ、ひもで首を強く絞めた としています。

 一方 弁護側は、あやそうとしたが 力が入らず落としてしまった,

 泣き止ませようと チョウチョ結びにしたという意見です。

 そして上野氏は、叩きつけたにしては 被害者の傷の 皮下出血の程度が弱く、

 180センチ近くの高さから落とされれば 即死することもあるのではないか

 と述べました。

(実際は 夕夏ちゃんは泣き止まず、弥生さんのほうへ這っていった)

 「落下しただけ」 という 新証言のほうが

 自白よりも信用できる と証言しています。

 首に巻いた ひもに関しても、それほど強い力で 締めた跡はないとし、

 最高裁の認定には 否定的であるようです。

(確かに 床に叩きつけたという点には、僕も漠然と 不自然さを感じていました。

 けれども 大勢に流されて、深く考えていなかったみたいです。(・_・;) )

 それから 元少年は今回、最初に 被害者の後ろから

 スリーパーホールドのように 首を押さえたと、新たな証言をしました。

 弥生さんの顎には 円形の傷があり、それは 被告の作業着のボタンの跡と一致すると、

 法医学の証人・大野教授は述べ、元少年の新証言の 信憑性を認めています。

 もっとも、これらは 元少年の殺意を 否定することにはなりません。
 
 ただ一審二審は、粗雑な審議をしてきた ということなのかも知れません。
 

 昨日の法廷で、元少年は ランニングに短パン姿、

 頬を膨らませるように 口の中で舌を動かしながら、証言を聞いていたということです。

 弁護団の方針が 殺意はなかったするものなので、

 反省する必要がない ということなのでしょうか。

 本村さんも言うように、弁護団は 元少年の改悛の機会をも奪っている

 と思わざるを得ません。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49164455.html
 
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光市母子殺害事件 第2回集中審理(2)

2007年07月25日 23時59分24秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49124214.html からの続き)

 元少年は 今日の午後の法廷で、上は 薄い青(グレイ)の タンクトップ一枚、

 下はイージーパンツとでもいう、ゆったりしたズボン姿で 現れたそうです。

 いかにも 家でくつろいでいるかのような 出で立ちで、

 傍聴席からも ざわめきの声が聞こえたといいます。

 本日は 弁護側の証人として、日本医科大学大学院・大野教授と、

 「死体は語る」 で著名な、元東京都監察医務院長・上野正彦氏が 出廷しました。

 弁護団の 新たな主張であるところの、

 元少年は 声を上げた弥生さんの 口を押さえようとして、

 手が滑って 逆手で首を絞める 結果になってしまった、

 という筋立てを 追認する証言をしたといいます。

 検察側の反対尋問に対しても、殺意はなかったという 内容で反論しています。

 上野氏は マスコミにもよく登場し、説得力のあるコメントを 述べていましたが、

 今回の件に関しては どうなのでしょう? 

 自然に考えれば、弁護団の主張は いかにも無理があると 思えるものですが。

 ここまで 弁護側の主張が 繰り返されているだけで、新しい攻防が 見えてこず、

 非常に歯がゆい思いですが、この先の展開が 待ち望まれます。

 明日は、弁護側による 精神鑑定の専門家の 証人尋問が行なわれます。

 大体 言うことは予想できるのですが。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49154711.html
 
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光市母子殺害事件 第2回集中審理(1)

2007年07月25日 00時01分39秒 | 光市母子殺害事件
 
 本日から3日間、差し戻し審の 第2回集中審理が開かれ、

 今日は 前回に続き 弁護人による被告人質問が 行なわれました。

 元少年は 事件の2日前、父親に暴力を振るわれたこと、

 事件直前には 義母に甘えようとして 後ろから抱きついたこと、などを語りました。

 相変わらず 強姦目的と殺意を否認、ゲーム感覚に陥っていたこと などを主張し、

 新しい進展はないようです。

 弁護人の こと細かい 重複する質問に、

 さすがに裁判長が 釘を刺した場面もあったそうです。

 繰り返しになりますが、この差し戻し審では

 事実はすでに 揺るぎなく証明されており、事実関係を 新たに争う場ではありません。

 死刑を回避する 特別な事情があるのかどうかを 審議するものです。

 公判を引き延ばすような戦術は、厳に謹んでほしいと 望むばかりです。

 明日は 弁護側の証人として、

 被害者の遺体を鑑定した 法医学者の専門家が出廷します。

 弁護側に有利な証言を 引き出そうというのでしょうが、

 どんな内容が飛び出してくるのか 気になります。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49144088.html
 
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