「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

対人関係の技能

2015年12月01日 21時39分41秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 「対人関係での混沌状態」 は BPの5つの調整不全のひとつで、
 
 問題解決を妨げます。
 
 第一に、 BPが子供時代、
 
 感情調整不全のために コミュニケーションの問題があれば、
 
 問題解決技能を持てないままに なってしまうことがあります。
 
 第二に、 BPが 人とぶつかりがちな関係を持っていれば、
 
 人の怒りを恐れて回避するかもしれません。
 
 感情から逃れたいからだけでなく、
 
 「また失敗する」 という 対人的なおびえのために 回避するのです。
 
 第三に、 人に助けを求める方法にも 問題があります。
 
 子供のときに  「大騒ぎする」 のが 問題解決の唯一の方法だと 学んだ人は、
 
 大人になっても 大きな声で 自己本位な要求をしがちです。
 
 他の方法を知らないのです。
 
 BPのこのような要求で 悩まされていたら、
 
 行動の背後にあるものを知ると 役に立つかもしれません。
 
 BPは 問題を解決できないと信じていて、 多くの不安や恐怖を感じています。
 
 恐怖や不安は、 その原因を回避させようとし、 問題解決能力を減少させます。
 
 通常なら  「助けてくれると助かります」 というものが、
 
 高度な不安では  「いいか、 絶対に私を助けろ」 になるかもしれません。
 
 BPの一部は、 無力だというスタンスをとります。
 
 あなたがそれを、 同情を引くためだと考えると、 腹立たしく感じるでしょう。
 
 そこで、 本当に起きていることを 知るのが大切です。
 
 多くの場合は恥が、 BPを無力に振る舞わせているのです。
 
 BPを救出するために 待機させられているのは辛いことです。
 
 特に、 ノーと言いたくなる 求め方をされるときには。
 
 けれども、 BPが 問題解決の方法を学べなかったこと,
 
 コミュニケーション技能を持っていないことを 理解すると、
 
 積極的受動性に対して 違う反応ができるでしょう。
 
 それは BPの問題解決の力を 改善するプロセスなのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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BPが問題解決できない理由

2015年11月30日 20時20分06秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o 問題解決技能の欠如
 
 BPは他の問題には 対処する能力があるかもしれません。
 
 あるいは、 対処できないときでも  「対処できる」 と言い張るかもしれません。
 
 (見せかけのコンピテンス (有能さ))
 
 BPの多くは、 問題解決技能を学んできていないのです。
 
 まず、 高ぶった感情は しばしば認知能力を妨げます。
 
 感情的に脆弱な人は、 問題解決でうまくいった経験が 少ないのです。
 
 それから、 非承認的な環境が 問題解決の学習を妨げることもあります。
 
 BPは他人のリアクションや、 他の家族の感情調整不全のために、
 
 問題を解決する経験を していないことがあるのです。
 
 何かで取り乱している子供を 想像してみてください。
 
 大人が 子供の感情を許容できず、
 
 「泣くな」 と言って、 問題解決ではなく 感情制御させようとしても、
 
 子供は感情をコントロールできません。
 
 なかには、 どのような問題に対しても
 
 ひとつの解決策を伝える 大人もいるかもしれません。
 
 子供は 多様な解決策を試みる機会を 失ってしまいます。
 
 創造的な解決策が罰せられると、 子供は 何もしないのが最善だと学びます。
 
 感情をエスカレートさせるように 子供を強化する場合もあります。
 
 子供が言いたいことを聞いてもらえないとき、 より大きい声で要求します。
 
 その子の望むものを与えれば、
 
 その子は 大きい声を出せば 必要なものを得られると学んでしまいます。
 
o 自信の欠如
 
 問題解決には、 能力だけでなく 自信も必要です。
 
 BPは往々にして、 自分にできるという感覚がないのです。
 
 BPは 不成功に終わった努力が 非承認になる環境で育ったのでしょう。
 
 このような経験をすると、 BPは 「負け犬」 のように感じ、
 
 やり直す経験, 間違いから学ぶ経験, 回復力や創造性を伸ばす経験も
 
 持てないままになってしまいます。
 
 大人が失敗を批判すると、 その子は自信を失い、 受動性が発達しかねません。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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「あなたが私のために これを修正しなければいけないのです」

2015年11月29日 20時31分03秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BP (BPDの人) は 問題解決する能力がないと感じて、
 
 あなたにそれをやってほしいと 頼ってきます。
 
 BPDの人は 受動的な問題解決 (積極的受動性) を しようとしています。
 
 BPは 自分が努力をしないためや、 責任を放棄するため、 注目を得るために
 
 そうしているのではありません。
 
 彼らはこうすることを 気分よく感じてはいません。
 
 積極的受動性は非常に疎外的です。
 
 BPの要求に応えれば、 あなたの怒りは強まるかもしれません。
 
 そしてBPの恥の感情も。
 
 拒めば、 心配と罪責感を感じるかもしれませんし、
 
 BPはもっと絶望して 不安を感じるかもしれません。
 
 積極的受動性がパターンになっているときは、
 
 何が起きているのか理解することが 重要です。
 
○ なぜBPは 自分の問題を解決できないのでしょうか? 
 
 BPは生まれつき 知的である可能性が高いです。
 
 なぜその人は 自分にはできないと確信しているのでしょうか? 
 
 ひとつには、 問題の解決方法を知らないこと、
 
 もうひとつは、 問題解決を実行する自信がないことです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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恥への対処

2015年11月28日 20時51分49秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 恥と罪責感は、 自分自身の価値観に反することをしたときに 起こる感情です。
 
 問題は、 ほとんどの場合、 恥は妥当なものではないということです。
 
 BPは、 強い恥を頻繁に 経験している可能性が高いのです。

 BPが 自分の行動, 感情, 恥そのものまでも批判すると、
 
 恥はこじれ、 全ての感情をこじらせてしまい、
 
 その人を感情の渦巻きへと 再び引きずり込んでしまいます。
 
 恥を静める唯一の方法は、
 
 BPに 何が恥を引き起こしているか 話してもらうことです。
 
 あなたは 拒絶と思われそうなことは 絶対にしないようにします。
 
 BPは 自分の行動や感情が理由で 追放されないということを、
 
 学ばなければならないのです。
 
 トラウマとなる恥の場合は、 セラピストの助けを必要とします。
 
 BPは過去に問題を経験していて、
 
 自分は根源的に壊れた, おかしなところがあると感じさせる 行動をしてきています。
 
 過去の記憶が浮かび上がったり、 過去の経験と似た状況になると、
 
 恥に火が付いてしまうのです。
 
 BPは恥が小さくなるまで、 恥の引き金となったものについて、
 
 非承認なしで、 繰り返し話すべきです。
 
 自己非承認と恥は、 BPに深く染みついているかもしれませんし、
 
 取り組むには時間がかかります。
 
 何故なら自己非承認は通常、
 
 人々が無力ではないときに、 無力感を抱かせるからです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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自己非承認への反応方法 (4)

2015年11月27日 21時01分31秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o ゆっくりとした変化を促す (2)
 
ex. 高校を中退して、 12年間自傷と自殺傾向があった クライアント(女性)が、
 
 医学部へ行きたいと 思うようになりました。
 
 高卒でない、 長年コントロール不能状態にあった 30過ぎの女性が、
 
 実際に 医学部を卒業するのは難しいと、
 
 筆者 (臨床家) は 彼女に伝えませんでした。
 
 代わりに、 彼女が医学部に入るために 必要なことをリストアップしました。
 
 さらに 週ごとの学習目標も立て、
 
 目標の達成に対して 彼女が自分に褒美を与える スケジュールも立てました。
 
 もちろん彼女は ギブアップしたくなるときがありました。
 
 自分は馬鹿で、 自分には無理だと思うのでした。
 
 筆者は彼女に、
 
 目標を達するかは分からないけれど、 彼女の力を信じている と伝えました。
 
 誰でも 自分が賢くないと感じるときはある と言い、
 
 彼女を安心させるようにしました。
 
 最終的に、 彼女は 静脈切開の医療職に就きました。
 
 彼女は時間と共に、 医学部は現実的な選択肢ではない と認識したのです。
 
 けれども彼女は、 自己非承認をせずに 感情を許容する方法と、
 
 小さく 達成可能で 強化可能な目標を持つことを 真に学んだのでした。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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自己非承認への反応方法 (3)

2015年11月26日 20時57分30秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o ゆっくりとした変化を促す
 
 BPが ゆっくりと目標を達成できるようにすることが 重要です。
 
 目標に段階的に近づいていくのです。
 
 鍵となるのは、 承認できる小さなステップを 発見することです。
 
 目標に目を向けず、 今起きていることに 注意を向けることです。
 
 ひとつのステップが 目標にどう近づくかではなく、
 
 ステップの達成から 何を得られるかを強化すれば、
 
 BPの自己非承認を 思いとどまらせる役に立つでしょう。
 
・ BPの目標を決して否定しない
 
 目標をとても達成できないと 分かっていても、
 
 あなたは それを告げる立場にありません。
 
 「夢を見ているだけだ」 とは言わず、 承認できる小さな事柄を 発見することです。
 
 もしBPが 永遠に薬物と縁を切ると言ったら、
 
 今日は薬物を控えられると信じている と伝えましょう。
 
 BPが ITの社長になりたがったら、
 
 その人が コンピューターを楽しんでいる点を 承認しましょう。
 
 ただし嘘はつかないように。
 
・ 目標を 多くの 小さな達成可能な目標に 分割する
 
 小さな、 達成できそうなステップは 成功を生み出します。
 
 小さな成功による自信は 武器となります。
 
 ステップとステップの間で 一呼吸おけば、 考え直す余裕も生まれます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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自己非承認への反応方法 (2)

2015年11月25日 21時13分08秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o BPが事実を確認するのを 手伝う
 
 自己非承認する人は、 自分の感情を許容することが 必要です。
 
 自己批判へと引きずり込むのは たいてい感情ですが、
 
 BPは感情を 間違っているとは承認しません。
 
 BPは、 自分が邪悪だから悪いことか起きるのだと思い込みます。
 
 BPが起こった事実を確認する 手伝いをしましょう。
 
・ 何も付け加えず、 正確に何が起きたのか、 BPに話してくれるよう求める。
 
 「私が馬鹿だからタイヤがパンクした。
 
 私は 友達と外出する価値がない」  ではなく、
 
 「タイヤがパンクした」  となります。
 
・ その時 BPがどんな感情になったか 質問する。
 
 タイヤがパンクして恐かっただろう と推測できます。
 
・ 感情を承認する。
 
 誰でも、 タイヤがパンクしたら 不安を覚えるでしょう。
 
・ 物事を一般化せず、 その行動を表現するよう促す。
 
 感情を承認しても、 BPは 自分が悪いせいだと言い出すでしょう。
 
 例えば、 タイヤが古くて 交換する必要があったのかもしれません。
 
 でも、 交換しなかったから 悪人とか無能であるという結論に
 
 結びつけないようにしてください。
 
 「あなたは タイヤを交換する必要を 知っていた。
 
 次回はそうするということで 意見は一致しますね」  と言うとよいでしょう。
 
・ 壊れたレコードになる -- BPの自己批判が 的確かどうか論じない。
 
 タイヤを交換すべきだと知っていたのだ と繰り返し、
 
 BPが愚か者だという点には 賛成も反対もしないようにしましょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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自己非承認への反応方法 (1)

2015年11月24日 20時55分16秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPの自己非承認行動を どのように変えればよいのでしょう? 
 
o 自己非承認ではなく、 感情と経験を承認する
 
 BPが自分自身をけなすとき、
 
 私たちは本能的に  「そんなことはない」 と言います。
 
 けれども、 あなたは大いに忍耐を発揮し、 達人的な承認をする必要があります。
 
 自己非承認を承認せずに、 BPの経験と感情を 承認することです。
 
 これは、 承認できないことは承認しないという ルールから導かれます。
 
 BPは 自分は馬鹿だと感じていると 言っているのであり、
 
 あなたが言っているのは BPにとって、
 
 そのように感じるべきではない ということなのです。
 
 その人の感情は承認できない, 間違っていると言っているのです。
 
 あなたは、 BPが 生涯にわたって聞いてきたことを 裏付けしているだけなのです。
 
 BPが困難を経験したのを 知っている, 馬鹿だと感じているのも 知っている、
 
 と伝えましょう。
 
 それから 問題解決を手伝おうと 申し出てもよいですし、
 
 その人が馬鹿ではないと 安心させてもよいでしょう。
 
 その人の感情が高まっていたら、 一歩引いて、 承認へ戻りましょう。
 
1. BPの経験を承認する
 
2. BPの感情を承認する
 
   BPが感じていること, 恥や無力感を感じていることを、
 
   あなたは知っています。
 
3. 問題解決を手伝うと申し出るか、 その人の結論は不正確だと言って 安心させる
 
4. BPの感情が高まっていたら、 承認に戻る
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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自己非承認の3つの行動パターン (2)

2015年11月23日 20時55分45秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
○ 状況に対する 自分自身の感情的反応を信頼しない
 
 自己非承認する人は、 自分はあまりにも不完全なので、
 
 他の人たちのように 感情を経験しないのだと信じています。
 
 自己非承認のせいで、 自分の感じることは間違っていて、 病的で、
 
 自分にはそれが何なのかも分からない、 と考えるのです。
 
○ 過度に完全主義的
 
 これは いくぶん逆説的な行動パターンです。
 
 BPは自分自身に対して、 非現実的な 高い目標と水準を 設定するかもしれません。
 
 そして それらの崇高な志が 到達不可能だと判明すると、
 
 予想していた通りに、 自分は無価値だと宣言するのです。
 
 それから 自分自身を叱責し始めます。
 
 この “失敗” のせいで、 最終的には、
 
 成功のためのリスクを 回避するかもしれません。
 
 人生の中で  「苦境を自分で乗り越えなさい」 という
 
 教訓から学習されたモデルです。
 
 しかし達成できないと、 自己批判で一杯になります。
 
 自己嫌悪は急上昇し、 生きるに値しないと 自殺を試みます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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自己非承認の3つの行動パターン (1)

2015年11月22日 20時18分01秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
○ リアクションが正当なときでも、 自分の感情を承認しない
 
 BPは、 喪失体験をしたときに、 悲しみを否定するでしょう。
 
 感情を抑えてしまうのです。
 
 一見冷静そうでも、 感情を抑圧し、 否定しているので、 冷静なのかもしれません。
 
 若い頃に こうするよう学んだ 可能性が高いのですが、
 
 感情を長い間抑圧すると リバウンドする傾向があります。
 
 感情は強烈に襲ってくるのです。
 
 自分の感情を承認しないでいると、 さらなる痛みや 困難な反応が誘発されます。
 
 感情を経験しているとき、 BPは自己批判と恥で 反応するかもしれません。
 
 恥は それ自体が強烈な感情になります。
 
 恥は BPの生命に関わる敵です。
 
 BPにとって 一番問題となる感情なのです。
 
 自殺, 自傷, その他の衝動的な行動と 相関性が高いものです。
 
 恥は彼らを 他人から切り離してしまいます。
 
 BPはまた、
 
 他の人が苦しんでいるときに 自分など存在するに値しないと 考えてしまいます。
 
 結果はしばしば絶望となります。
 
 絶望は自殺思考を生み出すので、 BPにとって 生命に関わる2番目の敵です。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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「すべて私が悪いのです」

2015年11月21日 21時11分53秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BP(BPDの人)はしばしば、 自分は無価値で、 何をやってもだめだと言い張ります。
 
 これは自己非承認と呼ばれ、 学習された行動です。
 
 感情の渦が ボーダーライン行動スペクトラムの一方の端で、
 
 自己非承認は反対の端にあります。
 
 感情が蓄積していくと、 感情は圧倒的なものとなり、 もはや我慢できなくなって、
 
 自分の経験の非承認へと 動いていきます。
 
 突如として、 感情が関連性を失うか、 存在しなくなります。
 
 或いは、 感情の原因の問題が 簡単に解決可能になります。
 
 BPは、 正確に伝えられないせいで、 または他人を守るために、
 
 自分の問題を矮小化します。
 
 これは  「見せかけのコンピテンス (見せかけの有能さ)」 と呼ばれる行動です。
 
 長い間、 自分を承認しないでいると、 極端な感情が戻ってくるでしょう。
 
 絶望と怒りは多くの場合、 自己非承認の結果です。
 
 怒りは、 自分は無価値で無能だとして 自分自身に向けられることもあれば、
 
 その人の辛さを認識していないとして 他人に向けられることもあります。
 
 感情が蓄積するにつれて、 BPは感情的脆弱性へ戻っていきます。
 
 それは 振り子の上に乗っているようなもので、
 
 強烈な感情から、 その感情を否定する 必死の試みへと揺れ、
 
 そして 強い感情に戻るという具合に 揺れ続けます。
 
 例えば、 BPは  「二度と再び動揺しない」 というような、
 
 非現実的な目標を掲げます。
 
 彼は本気で言っているのです。
 
 問題は、 それを実現するのは 不可能だということです。
 
 BPは 罪責感, 恥, 絶望がたまっていきます。
 
 これらの感情は 感情的脆弱性へと戻っていって、
 
 感情の深い淵へと また飛び込んでいってしまいます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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BPが感情の渦にはまっているとき (4)

2015年11月19日 21時06分44秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
6. 問題解決する手助けを望んでいるか、 BPに質問しましょう。
 
 「質問する/ 査定する」 は 重要なステップです。
 
 はっきりした答が得られないときは、 承認に戻ります。
 
 「そう感じるのは分かります。 でも私は 手助けしたい気持ちが確かにあります」
 
 感情的になっているときには、 問題解決の能力を失っているものです。
 
 そのときは、 後でまたやってみようと 提案できます。
 
7. 全てが失敗したときは、 承認に戻りましょう。
 
 その人の感情が激しくなったら、 承認に戻ります。
 
 静まってきたら、 どのように手助けできるか 質問しましょう。
 
 BPは 様々な感情で調整不全になっており、
 
 あまりにも制御不能に感じられるために、 ますます感情的になってしまうのです。
 
 また、 当人ほど自分を責めていることも 忘れないでください。
 
※ BPが  「反対の行為」 を使えるように手助けする。
 
〔参照: http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64881645.html 〕
 
 全ての感情には 行為への衝動があります。
 
 感情で生理的覚醒が 増加するか減少するかによって、 やりたくなる何かがあります。
 
 BPの行為への衝動が 何かを見定め、
 
 それとは反対のことをさせるように 試みましょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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BPが感情の渦にはまっているとき (3)

2015年11月18日 19時38分53秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
3. その人の感情について、 承認できることを探しましょう。
 
 例えば、 BPの怒りが
 
 他の感情 (悲しみ, 痛みなど) の二次的なものだとしても、
 
 その感情を隠している, 逃げているとは伝えないように。
 
 怒りを承認し、
 
 その人の人生が いかに苦痛に満ちたものかの理解を 伝えるようにしましょう。
 
4. 感情をコントロールできないという、 その人の感覚を承認しましょう。
 
 「制御不能だと感じていますか?  それは苦しいに違いありません」
 
 最初にすべきなのは、 その人が制御不能だと感じていることと、
 
 制御不能の状態は 苦痛で恐ろしいと理解していることを、 BPに知らせることです。
 
5. その人のコントロール能力に対する 信念と希望を伝達しましょう。
 
 BPの持っている調整能力を 信じていると、 応援することです。
 
 その人の感情が高まっていたり、 失望しているときは、
 
 ひとまず引いて、 BPの感情の承認に戻りましょう。
 
 その大変さを承認しながら、
 
 その人が以前 切り抜けられたときのことを 思い出させましょう。
 
 今回も 切り抜ける能力があることを信じていると、 伝えましょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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BPが感情の渦にはまっているとき (2)

2015年11月17日 21時36分46秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
2. 非承認的な 「~してはいけない」 は避けましょう。
 
・ BPの感情的経験について、 真の理解をするまでは、 何も言わないように。
 
 承認的な言葉 (「分かります」 「あなたにとって本当に大切なんですね」) を
 
 2回は言いましょう。
 
 助言を与えること, 気を紛らわせようとすること,
 
  「そんなに悪くない」 と伝えることは 全て非承認的です。
 
 BPは、 自分の感情が無意味だと言われるのは うんざりです。
 
・ BPに変わることを求めないように。
 
 BPは  「自力で何とかしなさい」
 
 (「さっさと」 「とにかく~しなさい」 「~すればいいだけだ」
 
 などのニュアンス) のように 言われることに敏感です。
 
・ 手助けが必要か質問せずに  「修正しよう」 としないように。
 
 BPのために 事態を改善しようとするのは、
 
 その人の痛みを 価値下げ (低く見ること) する 可能性があります。
 
 助けが必要か質問しないと、 その人の感情を承認していないか、
 
 あるいは その人の無能さを承認している 印象を与えかねません。
 
 質問のタイミングは、
 
 あなたが自分の感情を調整して、 BPの感情を 適切に承認した後です。
 
・ 誠実に意図していないことは 何も言わないように。
 
 BPは 人が自分について考えていることに 敏感です。
 
 BPは 人の不誠実さを 確実に関知するのです。
 
・ 「あなたにとって ~することは役立ちますか?」 と言うように。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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BPが感情の渦にはまっているとき (1)

2015年11月16日 22時15分44秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPを感情から救済しようと あなたが何をしても、
 
 別の感情的リアクションを 誘発してしまいます。
 
 BPへの反応で 変えられることの第一は、 感情から反応しないようにすることです。
 
1. 自分がどのような感情でいるか 自問し、
 
   その感情から反応しないことに 焦点を合わせましょう。
 
 あなたが 事態を修復するため 死に物狂いになったり、
 
 BPから手を引いたりする 原因になるのは、 あなた自身の高ぶった感情です。
 
 最初にすべきことは、 あなた自身の感情の調整です。
 
 あるクライアントは、 私 (筆者=セラピスト) が何を言っても
 
 怒りを表現し続け、 爆発しました。
 
 私は、 私自身の感情を調整して、 次に何をするか決めるために 沈黙しました。
 
 すると、 クライアントもまた黙りました。
 
 私と同様、 沈黙したとき、 彼女の感情も収まり、
 
 数分後に私たちは先に進みました。
 
 自分自身がコントロールを失ったり、 途方に暮れていると思ったら、
 
 立ち止まって、 自分が何を感じているかに 注目してください。
 
 それが功を奏しなかったら、 マインドフルに あなたの感情を受容しましょう。
 
 マインドフルとは、
 
 あなたの注意の全てを あなたがやっていることに向ける という意味です。
 
 沈黙を守って 深呼吸することから始めましょう。
 
 休息をとれるのなら、 とりましょう。
 
 あなたの感覚を 落ち着かせることをしましょう。
 
 後で感情でなくなったときに、 BPを手助けすることができるのです。
 
 BPは周りの環境から 規制を受けます。
 
 あなたが感情を調整するだけで、 BPの感情調整を助けられるのです。
 
 但し、 子供に語りかけるような調子で BPに話しかけることは問題です。
 
 BPは 見下されたようだと感じると、 感情が激化するでしょう。
 
 またこのような話し方は、 BPの感情への非承認的であり、
 
 BPが無能であるという メッセージを送ってしまいます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
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