「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

止むことのない危機に、 どう力になれるか (3)

2015年12月24日 21時11分06秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o BPの対処能力を認識する
 
 あなたは 止むことのない危機に対して、 苦悩と心配,
 
 BPに降りかかるものへの恐怖, 自分を巻き込む状態への激怒の 間を行き来します。
 
 BPが、 危機にあることを分かっていないとき、
 
 あなたの助言は 無視される確率が高いでしょう。
 
 BPは どんな酷い気分か知ってもらいたくて、 助言を求めます。
 
 BPは承認を望んでいます。
 
 重要なふたつの提案を 思い出してください。
 
・ BPに能力があると 想定しないように。
 
・ 介入とコーチングのバランス。
 
 いつも干渉することは、 あなた自身を 止むことのない危機から出られなくしますし、
 
 BPが 問題解決を学ぶ力にもなりません。
 
 BPが 自己非承認をやめられなかったり、 感情的なままならば、
 
 BPが落ち着いてから、 専門家の治療の利益を 強調しましょう。
 
 BPが ストレスから休息がとれるように、
 
 ストレス要因がどこにあるかを 見極めてください。
 
 BPを脆弱にさせているもの  (孤独, 金銭的ストレス, 身体的問題) に
 
 介入しましょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

止むことのない危機に、 どう力になれるか (2)

2015年12月22日 21時36分33秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o あなた自身の苦悩に耐える
 
 大切な人が 災難に向かうのを見ることは、 あなたを苦悩させます。
 
 BPがトラブルを避けられるように、 あなたは大金を使うかもしれません。
 
 しかしそれは、 あなた自身を 止むことのない危機に陥れかねません。
 
 BPに力を貸す方法で 最も重要なのは、 苦悩耐性を学ぶことです。
 
 それには あなた自身の感情の調整が含まれます。
 
 自分自身を大切にする方法, あなたを落ち着かせる方法,
 
 気を紛らわせてくれる活動を 見つけましょう。
 
 注意の方向転換 (注意をそらす) です。
 
 苦悩を引き起こしている状況から、 何かを学べるか試してみましょう。
 
 問題を解決しようとはしないことです。
 
 その瞬間を切り抜けるだけです。
 
 それから、 受容の練習を続けましょう。
 
 とにかく何かしなくては、 と感じることを防いでくれます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

止むことのない危機に、 どう力になれるか (1)

2015年12月21日 20時13分51秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o 専門家の助けを得るよう促す
 
 感情的で衝動的な行動パターンは、 治療を受けさせる典型的なパターンです。
 
 でもBPは通常、 問題が起こる前ではなく、 後になって治療を求めることです。
 
 効果的な治療を提案することで、 BPを助けるチャンスが巡ってきます。
 
o BPの感情調整を手助けする
 
 ボーダーライン行動に 効果的に反応するための、
 
 5つのステップを使うことができます。
 
1. あなた自身の感情を調整する
 
2. 承認する
 
3. 質問/ 査定する
 
4. ブレインストーミング/ 調停
 
5. あなたの役割をはっきりさせ、 目標が設定されたら その結果を聞く
 
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64876995.html 参照)
 
 BPの感情を助長しないように、 あなた自身の感情を調整してください。
 
 次に、 BPが圧倒されている原因は何か、
 
 圧倒されている感覚に どのように対処できるか、
 
 彼がブレインストーミングできるか 試しましょう。
 
 過去に他の方法があったか 尋ねましょう。
 
 問題解決の7つのステップに 手を貸しましょう。
 
1. 問題を定義する: 何を解決しようとしているのか
 
2. 問題を分析する
 
3. 解決策をブレインストーミングする
 
4. 解決策を選ぶ
 
5. 解決策の調停: 邪魔になるものは何か?  どう乗り越えるか?
 
6. 解決策を実行する
 
7. 解決策を評価する: うまくいったか?
 
 BPが実行できなくても、 あなた自身が感情調整を行なったので、
 
 事態に対処する手段を 講じることができます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

衝動で行動する: 原因か結果か? 

2015年12月20日 18時37分36秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 止むことのない危機に巻き込まれている人は、
 
 すでに何かが起こっていて それに反応していることがしばしばです。
 
 今まさに 圧倒的な危機の只中にあり、
 
 それを終わらせるために、 衝動的行動をしてしまいます。
 
 そしてその行動が、 それ自体の危機をもたらすのです。
 
 BPには認知の問題があり、
 
 感情が思考を押しのけてしまったり、 問題解決技能も欠けていたりするのです。
 
 感情の調整と問題解決こそが、
 
 止むことのない危機から 脱出するための良薬となり得るのです。
 
 しかしながら、 衝動的行動が危機の結果であり、 危機の原因でもあるとき、
 
 この連鎖を断ち切るのは 難しいかもしれません。
 
 危機的状況が慢性化してしまっているとき、 そこから抜け出すのは困難でしょう。
 
○ まずい価値判断 + 下手な問題解決
 
 BPは、 悲劇的な結末になる 危機的行動のきっかけを 作ろうと思ってはいません。
 
 発生する問題は多くが、 まずい価値判断の結果であり、
 
 それが下手な問題解決で 複雑化しているのです。
 
 BPの行動は制御不能になっています。
 
 身体的, 感情的, または人生の問題に 圧倒されている感覚は、
 
 危機的行動の前兆となります。
 
 感情的苦痛やストレスを 取り除いてくれることのほうに、 精を出してしまうのです。
 
 BPは 問題解決の方法を思い付かなかったり、 問題の解決策を無視したりします。
 
 そのために、 BPは 危機が続くことを望んでいると 思われてしまうのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BPの限界を理解する。 でも壊れ物扱いはしない

2015年12月15日 21時18分10秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPを壊れ物のように扱わず、 同時にその人に 非現実的な期待を抱かないことです。
 
 BPの代わりに何かしてあげるのは、
 
 その人が独力で物事をこなせないという 信念を強化してしまいます。
 
 では何をしたらよいでしょう? 
 
1. 能力があると想定しないように。
 
   BPが以前に ある行動をできたからといって、 またそうなると考えないように。
 
2. 介入とコーチングの バランスを取るように。
 
   この状況で、 BPがそれを行なえるのかどうか 確認しましょう。
 
3. 気分と感情が 般化に与える影響を思い出す。
 
   BPがある行動を 般化できなくても失望しないように。
 
   そうすれば あなたの感情の高まりを抑えられ、 軽蔑的にならずにすむでしょう。
 
   操作されていると考えない方が、 皆にとって気が楽でしょう。
 
 BPが感情をマスキングしている と思えたら、
 
 内面では死にそうなのか 聞いてみましょう。
 
  「見せかけ」 ということを 覚えておくのが大切です。
 
 BPの周りの人たちは、
 
 BPが能力を出せない場面で、 能力があるように扱いがちです。
 
 それは 理解されていないという感覚を助長してしまい、
 
 その瞬間の感情調整不全が 増してしまうでしょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見せかけのコンピテンスに対して

2015年12月14日 21時38分22秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 見せかけのコンピテンスに対して 最も重要なことは、
 
 BPの行動パターンを思い出すことです。
 
 BPは 外側に示しているものを、
 
 内側では感じていないかもしれないと 意識するだけで効果的です。
 
 見せかけのコンピテンスは、 「ふりをしている」 状態ではありません。

 環境が BPの行動に影響しているときに 発生します。
 
 つまり、 次のうちのどれかてす。
 
1. 支援的な環境が 問題への感情的反応を弱める。
 
2. ある状況では 感情と非言語的行動が一致しない。
 
3. 行動が般化されていない。
 
o 5つのステップの反応を使う
 
1. あなた自身の感情を調整する。
 
   BPの行動は 気分に依存していることを 思い出してください。
 
   BPの反応は 昨日と今日で違いうることに 気付くでしょう。
 
2. 承認する。
 
   BPがひどい気持ちになるのも 理解できると伝えましょう。
 
3. 質問/ 査定する。
 
   BPが何を懸念しているのか 聞いてみましょう。
 
4. ブレインストーミング/ 調停。
 
   一番よい選択肢を リストアップするのを手伝いましょう。
 
5. (もしあれば) あなたの役割と結果について 聞いてから、
 
   あなたが何をできるか 情報を得る。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

支援がある時は有能

2015年12月13日 20時52分41秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPは 支援的な人と同席しているときには、 有能に見えることがあります。
 
 例えば セラピー面接ではうまくやっていても、
 
 同じ日のうちに電話してきて、 絶望的なので自殺するというのです。
 
 クライアントはセラピストといるときには、 本当に自殺傾向などなかったのですが、
 
 面接が終わるや、 そのような思考や感情が 戻ってきてしまったのです。
 
 BPは関係に影響されやすいことを 忘れないようにしてください。
 
 もしBPが あなたと思いやりのある関係を 持っているなら、
 
 あなたと一緒にいるだけで、 感情がうまく調整されるでしょう。
 
 しかし一人になると、 また孤独が襲いかかり、
 
 絶望的な感情が戻ってきて、 調整不全がぶり返すのです。
 
 あなた方のどちらも 間違ったことはしていません。
 
 あなたの保護的な存在感が、 BPの気分を改善するというだけのことなのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感情のマスキング

2015年12月12日 21時09分37秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 見せかけのコンピテンスは、 感情を隠すことの 最終的な結果です。
 
 BPは 感情が顔や体に出ないよう、 感情をマスキングしてしまいます。
 
 それは次の理由からです。
 
1. 子供時代、 ネガティブな感情を表わすのは (或いは持つことも)
 
   不適切だと学んでしまった。
 
2. 長い間、 ネガティブな感情の表現を 罰せられてきた。
 
 BPは 感情のせいで 繰り返しトラブルに陥るので、
 
 感情と感情表現の間に 壁を築きます。
 
 シャットダウンを始めますが、 感情の自然な表現をも抑制します。
 
 本当は怒っているのに笑ったり、 悲しいのに大丈夫と言ったりするのです。
 
 BPは人生最悪の日に、 何が起こったのか あなたに語りますが、
 
 表情は涙ぐんでもいませんし、 声はか細くもありません。
 
 その人は 実際に制御不能だと感じていて、 自殺を考えているかもしれないのに、
 
 それを正確に伝えていないかもしれません。
 
 もし あなたの反応が物足りないと、 BPはあなたに 腹を立てるかもしれません。
 
 或いは、 絶望してしまうかもしれません。
 
 もしBPが 恐ろしい経験を話しているのに、 感情表現が欠けているなら、
 
 自問してください。
 
・ この状況で、 自分ならどう感じるだろうか? 
 
  BPの非言語的行動ではなく、 言葉を信用しましょう。
 
・ BPに、 あなたが見ているものと 聞いているものの違いを述べて、
 
  どちらが正しいのか確認しましょう。
 
 マスキングは、 相手をコントロールしようとする 試みではありません。
 
 制御不能な感情との 厄介な経験に対する 適応反応なのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

非承認につながる仮説

2015年12月11日 21時17分02秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPが実際以上に有能だという 仮説を立てていませんか? 
 
 BPが あるときに感情調整を行なえたからといって、
 
 その行動を繰り返せるわけではありません。
 
 BPが脆弱になる要因は いくらでもあります。
 
 それらのいくつかは、 般化が難しいことと関係しています。
 
 見せかけのコンピテンスが、 必ずしも BPの実際のコンピテンスとは限りません。
 
 BPは恐らく本当に、 少なくともその場所、 その時点では、
 
 それをできないかもしれないのです。
 
 BPが実際にそうである以上に 有能だと、 想定しないでください。
 
 もしあなたが、 BP本人が考えている以上に 有能だと考えていたら、
 
 それはその人に対して 非承認的になっています。
 
 「本当に望めばできたはずだ」 「努力が足りない」
 
 「操作していた」 「駆け引きをしていた」 と 言っているのと同じです。
 
 問題は、 BPが実際以上にできると、 あなたが想定してしまったことなのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

能力の般化

2015年12月09日 21時21分06秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 能力の般化とは、 ひとつの能力を 他のことにも応用することを言います。
 
 全ての動物は ある文脈 (環境) の中で 行動を学習します。
 
 (状況特異的学習)
 
 例えば幼い子は 学校で静かにすることを学びますが、
 
 教会でも同じことをするのだと 教わらなければなりません。
 
 行動を ひとつの環境的文脈から 別の文脈へと般化するのに 困難をもちますが、
 
 BPは 感情と認知の調整不全があるので、 般化はより難しくなります。
 
 高度の感情的興奮は般化をほとんど不可能にします。
 
 もしBPが、 職場でよりも家庭で調整がとれていれば、
 
 家庭でのほうが 有能に見えるでしょう。
 
 気分状態が、 異なる場所で行動する能力に 影響するのです。

 家庭でより不安になるなら、 家庭でのほうが コントロールが難しくなるでしょう。
 
 問題は、 BPの周りの人が、 この事実に憤慨してしまうことです。
 
 あるBPは、 父親とは意見が合わなくても 冷静になれますが、
 
 夫とは制御不能になってしまいます。
 
 しかしながら、 BPがそうしたいのではないのかもしれません。
 
 状況が違うか、 気分が違うということなのでしょう。
 
 懸命さが足りないのではなく、
 
 その行動が、 その環境での行動レパートリーに 入っていないのです。
 
 一般的に人は、 職場で脅かされていると、 問題に対処できないものです。
 
 一方、 愛する人に対しては、 信頼があるため、 容易に対応できます。
 
 けれどもBPは、 見捨てられることを恐れて、
 
 職場よりも夫からの不同意に 脅かされてしまうのです。
 
o 気分が文脈になる
 
 BPは 行動の般化が不得手なだけでなく、 能力が気分状態で変化するのです。
 
 行動は 文脈 (環境) と気分次第です。
 
 それが分かれば、 見せかけのコンピテンスが、
 
 何故 無能さに取って代わられるかの 手がかりになるでしょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見せかけのコンピテンス (有能さ)

2015年12月08日 20時51分42秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BP (BPDの人) は
 
  「見せかけのコンピテンス (有能さ)」  というものを示します。
 
 見せかけのコンピテンスは 多数の異なる形態を取りますが、
 
 問題を解決する能力が あるように見えるのに、
 
 実際にはないという パターンについて述べます。
 
 この行動は 多くの点で問題になります。
 
 BPがあることをするのを見たのに、
 
 今はそれができないという 事態がありますか? 
 
 あなたが見た事実と、 その人が行なう事実とが 劇的に違うことはありますか? 
 
 見せかけのコンピテンスは あなたを途方に暮れさせます。
 
 BPが能力があると 思っていましたが、
 
 それはただの夢だったのかと 不思議になります。
 
 学校や職場では 容易に成果を上げられるのに、 家庭では不可能に思われます。
 
 1時間前には微笑みながら、 自分が悪いといって謝り、 仲よくすると言ったのに、
 
 今は絶望感から 酷いことをすると脅かしています。
 
 見せかけのコンピテンスは 幾つかの現象があり得ます。
 
 ひとつには、
 
 ある場面では行動ができるのに、 他の場面ではできないことがあります。
 
 ふたつ目は、 BPが持っていない能力を 持っているように あなたはBPを扱って、
 
 事態をややこしくするかもしれません。
 
 第三に、 BPは 感情を覆い隠しているかもしれず、
 
 本当は爆発寸前なのに あなたは大丈夫と考えてしまうことがあります。
 
 最後に、 BPは あなたがいるときには明るくなり、
 
 あなたがいないと潰れてしまうかもしれません。
 
 これらをひとつひとつ 詳しく見ていきましょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

問題解決のための努力を 強化する

2015年12月07日 21時07分04秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPが 問題解決のために試みることを、 強化するのが重要です。
 
 失敗をしても、 何が悪かったのか、
 
 何を違うふうにできたのか 見直すために、 できることをしましょう。
 
 感情を承認することから始めます。
 
 ただし 承認できないもの、 つまり、
 
 まずい決断や 効果的でない行為を、 承認しないことです。
 
 うまくいかなかったことについて 正直で (かつ非難的でなく) ありながら、
 
 BPのした努力と うまくいったことを 強化する方法を見つけましょう。
 
 BPは無能だと感じていて、 無能と感じることを恥じているので、
 
 BPの感情を承認しながら、 学習された自己イメージに反論すれば、
 
 問題解決技能の学習への 扉が開くのです。
 
○ 感情調整を促す
 
 すっきりした頭を持つことは、 問題解決の必須条件です。
 
 問題解決を学ぼうとするのは、 長期目標のためだけでなく、
 
 失敗の連鎖による 感情的副産物が増すのを防ぐのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DEAR

2015年12月06日 20時16分30秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 望むものを誰かに求めるための、 対人関係技能を試しましょう。
 
 頭文字を取って、  「DEAR (親愛なる人)」 といいます。
 
D: Describe: 状況を描写する。 事実を述べるのみ。
 
E: Express: その状況についての あなたの気持ちと意見を表明する。
 
A: Assert: あなたの望むことを主張する。
 
R: Reinforce/ Reward: 
 
  あなたが望むことをしてくれることに対して、 相手を強化する/ 報酬を与える。
 
 BPに話すとき、 あなたは ふたつのDEARが必要かもしれません。
 
 ひとつは、 BPの話し方を変えるように求めるもの,
 
 もう一つは、 リクエストにノーと言うためのものです。
 
・ 助けてというリクエストに ノーと言うために
 
D: あなたは私に、 あなたの代わりに 銀行へ行くよう頼んだわね。
 
E: あなたのお金を 私が扱うのは変だし、 これはあなた自身ができることよ。
 
A: あなたの代わりに 銀行へは行かないけれど、 
 
R: あなたと一緒に、 あなたがすることに 力を貸すのはできるわ。
 
・ BPの話し方について話すために
 
D: あなたは私の助けが必要なのね。
 
E: そんな大きい声で言うと、 私はやりたくなくなるの。
 
A: もっと落ち着いて言ってくれる? 
 
R: そうすれば、 解決を手伝うつもりよ。
 
 BPを承認することを 忘れないでください。
 
 人に助けを求めるのが 難しいことも、 誰でも自信を持てない 状況があることも、
 
 あなたは知っています。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

積極的受動性への反応方法

2015年12月04日 21時23分38秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 積極的受動性へ反応するために、 以下の4つを自問しましょう。
 
1. BPは 問題の解決方法を知らないのですか? 
 
2. BPが解決しようとするのを、 感情が妨害していますか? 
 
3. BPは 解決策を選択する自信, 実施する自信が欠けていますか? 
 
4. あなたは BPの助けの求め方に 困らされていますか? 
 
 答に確信が持てなかったら、 BPに査定をしてみましょう。
 
1 「正確には何が問題ですか?」
 
・ あなたにできること
 
 BPが問題をはっきりできるよう、 一緒に努力しましょう。
 
 穏やかに解決策を探りましょう。
 
 それがBPにとって いかに難しいか、 あらゆる段階で 承認を繰り返しましょう。
 
2 「必要なことを起こせないと 恐れているのですか?」
 
・ あなたにできること
 
 BPに事実を点検させましょう。
 
 感情を事実としてしまっているために、 感情が行為を妨害するのです。
 
 恥ゆえに死んだりするでしょうか? 
 
 感情があっても 問題は解決できると 理解する手助けをしましょう。
 
3 「問題を解決できると信じていますか?」
 
・ あなたにできること
 
 自信の欠如は 失敗の歴史によるものでしょう。

 問題解決の成功を繰り返すことだけが、 自信に繋がるのです。
 
 あなたが 代わりに問題を解決するのは、 BPの自信を打ち砕くだけです。
 
 BPが解決するとき 一緒にいてあげたり、
 
 前もって解決のための 現実的なロールプレイをしましょう。
 
4 「助けを求める方法に、 私はノーと言いたいだろうか?」
 
・ あなたにできること
 
 助けなければならないと言われたあなたは、 腹を立てているでしょう。
 
 それは次のどちらに、 より影響を受けているでしょうか? 
 
 「BPが自力でできるという事実」  「BPの助けの求め方」
 
 前者なら、 問題の解決方法に時間をかけましょう。
 
 後者なら、 BPに話し方を考え直すよう 求めましょう。
 
 これはきっと BPの感情を高めるでしょう。
 
 それがあなたの感情を高めたら、 あなた自身の 感情調整方法へ戻りましょう。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

積極的受動性を 受動的攻撃性と混同しない

2015年12月03日 21時57分17秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPが助けを求めると、 受動-攻撃的になっていると 思われがちです。
 
 しかし彼は 故意にはやっていないのです。
 
 彼は 積極的に問題に取り組まず、 回避するでしょう。
 
 問題を解決しようとすると、 感情は高まり、 能力が落ち、 自滅してしまいます。
 
 彼はあなたに、  「私を助けなければならないのだ」 と 攻撃的に、
 
 或いは、  「私にはどうにもできない」 と 受動的に、 助けを求めるでしょう。
 
 そこであなたは彼を助けます。
 
 困るのは、 これが彼に 教訓を教えないということです。
 
 助けられたことは、 恥を感じさせ、 彼の無能力を強化するだけです。
 
 彼は次には もっと用心深くなるでしょうし、 自分に対して非承認的になり、
 
 感情が 問題解決し始めることさえ阻むでしょう。
 
 あなたが彼の求めに 違う反応をすれば、
 
 彼は問題解決方法を 学び始めるかもしれません。
 
 
※ 問題解決のステップ
 
 以下のステップを意識すれば、
 
 BPの能力が最も落ちる所に 狙いを定められるかもしれません。
 
1. 問題を定義する: 何を解決しようとしているのか
 
2. 問題を分析する: 問題の状況はどうか? 
 
3. 解決策を生み出す: ブレインストーミングをする
 
4. 解決策を選ぶ
 
5. 解決策の調停: 邪魔になるものは何か?  どう乗り越えるか? 
 
6. 解決策を実行する
 
7. 解決策を評価する: うまくいったか? 
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする