「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

原発シニア隊 (1)

2011年06月21日 06時40分37秒 | 東日本大震災
 
 福島第一原発での作業員に、 高齢者たちが志願するという 動きが出ています。

 人呼んで 「原発シニア隊」。

 自分が何か役に立ちたいと、 大変な熱意で臨んでいます。

 このプロジェクトに参加できるのは 60才以上、

 これまでに330人以上の人が 参加を表明しています。

 政府もバックアップに動き出しました。

(因みに、 事務所が開かれたのは5月23日、 僕の誕生日と同じです。)

 呼びかけ人のYさん (72才) は、 学生時代に60年安保を闘い、

 その後 大手金属メーカーの エンジニアとして働きました。

 「被曝に関しては 年寄りは有利だ。

 優先的に現場に出るべきだろう」 と 述べています。

 Yさんは4月上旬に、 2500人の知人に メールや手紙を送り、

 活動への賛同を訴えました。

 その思いに 多くの人が共鳴し、 次第に輪が広がってきたのです。

 その一人、 Oさん (68才) は、 かつて 東芝の原子力部門に勤務し、

 福島第一原発には 20年間にわたって行き来したといいます。

 自分の設計したものが この世にある限り、

 自分に責任があるという  「エンジニアリングシップ」 が参加の動機です。

 「若い世代にも それを身をもって教えたい。

 放射線は 若い人の2倍受けても、 3倍受けてもかまいません」。

 Oさんの奥さんは大賛成で、

 原発を開発した立場として 何かやったら、 と後押しします。

 娘さんも、 父親が殉職なんて 絶対あってほしくないと思いますが、

 知識はあるから 無茶なことはしないだろうと 理解を示しています。

 ある志願者の女性 (68才) は、 かつて原爆を受けており、

 そこから生き延びたため、 放射能に対する恐怖感が あまり強くないと言っています。

 その時に助かったのだから、 今度何かあっても 構わないと思ったそうです。

 彼らの 熱い思いを受けて、

 当初は冷やかだった 政府や東電の態度も 変わってきました。

 細野総理補佐官が 東電を通して、 Yさんに会いたいと申し入れ、

 シニア隊のメンバーが どういう能力を持っているか 情報が欲しいと言ってきました。

 今月6日には、 海江田経産大臣とも面会し、

 具体的なことを進めていくという 話も取り付けました。

〔 テレビ朝日 「Sフロントライン」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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消防団員の苦しみ 今も

2011年06月20日 09時51分13秒 | 東日本大震災
 
 東日本大震災の被災地では、 一般市民である消防団員に 多くの犠牲者が出ました。

 岩手, 宮城, 福島の3県の

 消防団員の死者・ 行方不明者は 249人にのぼります。

(消防士のそれは27人。)

 団員のOさんは 同僚4人と、 民家で寝たきりの 女性を見つけ、

 津波を避けるため 2階に運ぼうと 民家に飛び込みました。

 津波は瞬く間に 家ごと呑み込み、 Oさんは2キロ先まで流されました。

 助かったのは Oさんはだけでした。

 現在 避難所暮らしのOさんは、

 少しのことでも怒りが込み上げ、 涙がこぼれてきます。

 深夜に目覚め、 朝まで眠れないことも。

 津波に呑まれた 同僚の叫び声が、 今も耳から離れないのです。

 別の団員Aさんは、 沖合の水門を閉めるため、

 同僚と軽トラックで 海を目指しました。

 防潮堤の操作室に飛び込みましたが、

 非常用のバッテリーに切り替えても 反応せず、 手動操作も受け付けませんでした。

 津波が消波ブロックを乗り越え、 轟音と共に流れ込んできて、

 Aさんたちは 裏山を目指して走ります。

 津波は岸壁を呑み込み、 木々を次々となぎ倒していきました。

 「逃げるのが あと1分遅かったら……」

 「街の人たちが危ないと思ったから、 とっさに行動した。

 もし同じことが起きたら、 あんな危険な作業を 誰かに命じることはできない」

 消防団員の中には、 自分だけが助かってしまったという 罪悪感や、

 津波への強い恐怖心から、 今後 消防団員としての職務を 果たせないと悩む、

 「惨事ストレス」 の兆候が報告されています。

 適切な診療を受けないと PTSDになる恐れがあるため、

 消防庁は  「心のケア」 の専門家チームを 派遣することを決めました。

 「緊急時メンタルサポートチーム」 所属の 精神科医や臨床心理士で、

 命の危険を感じながら 活動した消防団員のために 必要な措置です。

〔 読売新聞より 〕
 
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立ちはだかる がれき処理

2011年06月19日 12時15分11秒 | 東日本大震災
 
 震災から早100日、

 被災地は未だに 膨大ながれきが残されたままです。

 岩手, 宮城, 福島3県のがれきは 2400~2500万トン、

 この地方の100年分とも 言われています。

(これは建物だけの分で、 船や車両などは 含まれていません。)

 がれきに埋もれた 行方不明者を傷つけないように、

 現地では今でも 自衛隊が手作業で がれきの処理をしています。

 1回では 見落としがあるのを恐れ、

 重機が入る前に人の手で 2回、 3回と、 探すことを繰り返しているのです。

 「がれき」 といっても、 被災者にとっては命であり、 財産でもあります。

 行政が入らないため、 地元の被災者が 手作業で行なっている所もあります。

 行政自身も被害を受けながら 膨大な業務に追われ、

 全てに手が回らない というのも現状です。

 現在までに撤去されたがれきは まだ22%、

 石巻市では1割しか 片付けられていないそうです。

 がれきの仮置き場がなく、 次の処理が進みません。

 全てのがれきを処理するのは 3年と想定、

 処理費用は 6800億円と推定しています。

 ただしそれは 生活圏からの撤去であり、

 完全に除去するには 10年とも言われます。

 がれきの処分は 最終的に国の責任ですが、

 国が方針を示さないので、 現地は動けないという事情もあります。

 今後の生計の目処が 全く立たないという被災者は、 35%。

 これは 6月上旬の調査ですが、 5月上旬の調査では 27%でした。

 こういう調査では通常、 時間が経つに連れて、

 生計の目処が 立つという数字が 増えていかなければなりません。

 ところが、 遅々として進まない復旧作業に、

 現地の人は 絶望感にとらわれているのです。

 震災直後から、 復旧は 気が遠くなるような作業だと 想像していましたが、

 それをも上回って 難航している窮状です。

 ただただ 少しでも早く、 作業が進んでいくことを 願うばかりです。

〔 参考: 日本テレビ 「ミヤネ屋」
      TBSテレビ 「ひるおび」
      フジテレビ 「報道2001」 〕
 
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被災地でのアルコール問題

2011年06月16日 19時57分42秒 | 東日本大震災
 
 被災地で、 飲酒による問題が 密かに広がっています。

 アルコールが原因の、 近隣住民とのトラブルも起きています。

 被災後1ヶ月以上たつと、

 うつ病, PTSD, アルコール依存症が 増加してくるといいます。

 阪神大震災の時も、 半年ほどたってから アルコール問題が出てきました。

 アルコール依存症の専門家である、

 神奈川県・ 久里浜アルコール症センター 「心のケアチーム」 は、

 被災地での飲酒の問題の 潜在化を危惧し、 現地に入っています。

 避難所では アルコールは飲まないというのが、 暗黙のルールになっていますが、

 隠れて飲酒する人たちがいます。

 避難所にいる 70代の男性は、 朝から焼酎を飲んでしまい、

 アルコール依存症が強く疑われます。

 週に2日、 休肝日を作る約束をしましたが、

 その1時間後に もう焼酎を飲み始めてしまいました。

 近くの女性は、 その男性が飲みながら 泣いているのを目撃しました。

 男性は日頃、 独りで強がって 弱音を吐きませんが、

 本当は 寂しくて居たたまれない、 そのために飲むんだと、

 女性は確信したといいます。

 避難所のストレスや、 失業の辛さ、 自宅が崩壊した 喪失感を紛らわすため、

 やけ酒を飲まずにはいられないのです。

 独りだと 飲む量が増えて 健康を害し、

 場合によっては 不幸にも亡くなるケースが、 今後出てくる可能性もあります。

 早期に専門家が関わり、 支援することが求められます。

〔 参考 : テレビ朝日  「スーパーJチャンネル」

       久里浜アルコール症センター:
       http://www.ieji.org/dilemma/2011/06/post-345.html 〕
 
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福島原発による死者

2011年06月15日 20時55分41秒 | 東日本大震災
 
 東電と政府は、 原発による死者はいない と言っています。

 しかし、 酪農家の自殺が相次ぎました。

 「原発さえなければ」 と 書き残して……。

 これは 原発による死者とは 言えないのでしょうか。

 また、 自然死として扱われている人も 複数います。

 震災直後 (3月11日の夜) に 政府の避難命令が出され、

 ゴーストタウンと化した町に 取り残された人たちがいたのです。

 I さん (44才) は避難命令後、 両親と連絡が取れなくなりました。

 電話をしましたが通じず、 実家のある避難区域に 探しに行くことはできません。

 すでに避難したのだろうと、 避難所を探したり、 地元ラジオで呼びかけたり、

 町役場に捜索を依頼したりしました。

 3月23日、 自衛隊が避難区域の捜索に入りました。

 そして、 I さんの両親は 実家で発見されたのです。

 母親は津波による溺死、 2階にいた父親は やせ細って衰弱死、 つまり餓死でした。

 亡くなったとされるのは 3月21日。

 震災から10日間、 生きていたことになります。

 実家に食料はなく、 唇は渇ききっていました。

 他にも5人が衰弱死しており、 その多くが餓死でした。

 持病も怪我もなかったのに、 なぜ逃げられなかったのか、

 助けを待っているうちに 動けなくなってしまったのか、 分かりません。

 避難命令を知らなかったのでしょうか、

 妻の亡骸を 置いていけなかったのでしょうか……? 

 I さんの父親は、

 震災による死亡者リスト (福島県警発表) の 中にさえ入っていません。

 書類上、 「自然死」 として 扱われているためです。

 I さんは父親の死が、 社会から忘れ去られたように 感じるといいます。

 原発がなければ、 すぐにでも 探しに行くことができたのに、 それが叶わなかった。

 それは 原発による死ではないと……? 

〔 TBSテレビ 「NEWS23クロス」 より 〕
 
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被災者を雇う  「キャッシュ・フォー・ワーク (CFW)」

2011年05月20日 21時54分43秒 | 東日本大震災
 
 被災地の復興に 被災者を雇用する、

 「キャッシュ・フォー・ワーク (CFW)」 が 注目されています。

 災害地の経済復興と 被災者の自立支援につなげ、 自ら復興に関わることで、

 尊厳と 将来への希望を取り戻し、 地域の絆を強める手法です。

 復興過程の 数ヶ月から1年の間、 復興に関わる単純労働に、

 通常より低い賃金で 被災者を雇用するキャンペーンで、

 これまでも 被災した途上国で 用いられてきました。

 日本でも 有効な仕組みになる可能性があり、

 賃金よりもむしろ 精神的な支援が重要です。

 約40の団体で作る  「東北広域震災NGOセンター」 (事務局・山形市) は、

 CFW事業で 被災者10人を雇用しました。

 4月下旬から 民家の泥だしや がれき処理を請け負っています。

 時給750円ですが、 泥だし作業に携わる 40代の男性は、

 働いている姿を 家族に見せたいと思いました。

 「朝ご飯を食べて、  『行ってきます』 と 弁当を持って家を出る。

 『ただいま』 と言って 夕飯を食べて風呂に入る。

 それだけで、 嫁さんが笑ってくれるから」

 地元のために 汗を流すことが、 自身と家族、

 そして 地域の立ち直りにつながるのです。

 地元の地域では、 いま何が必要か、 何ができるかは、

 被災者自身が 一番よく知っています。

 それが強みなのです。

 事業の財源は、 センターへの寄付金 400万円ですが、

 5月一杯で 尽きる見通しです。

 事務局は 寄付金集めを続けています。

http://www.ivyivy.org/news/post-64.html

(団体名は  「国際ボランティアセンター山形 (IVY)」 となっています。)
 
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想定内でゲストを守った、東京ディズニーリゾート(3)

2011年05月11日 20時02分58秒 | 東日本大震災
 
(前の記事からの続き)

 園内に残された 帰宅困難者は2万人、

 復旧しない鉄道に 心細さが募り、 園内から追い出されるという デマも流れました。

 不安を抱えるゲストたちが 安全な屋内施設に 誘導され始めたのは、

 午後6時を回ったころです。

 しかし まだ多くのゲストが 屋外に残され、

 気温4度の下、 ブルーシートにくるまれて 寒さをしのいでいました。

 ディズニーリゾートは、

 安全確認がされた ディズニーシーの方へ 客を誘導することを決めました。

 ただし それには、 液状化の被害を受けた 危険な道路を、

 延々と歩いていかなければなりません。

 そのとき 統括本部が下した決断は、

 ディズニーリゾート28年の歴史を 覆すものでした。

 従業員専用通路を通って、 ディズニーシー側に 移動してもらうことにしたのです。

 それは、 “夢の王国” を支える舞台裏を さらけ出してしまうことになり、

 本来は 一切見せない場所です。

 守るべきは前例ではなく、 ゲストの安全なのです。

 全ての客が 屋内に避難したのは、 日付が変わってからでした。

 しかし 客から不安が消えることはありません。

 そんなときに配られたのは、

 ディズニーには少々不似合いな、 大豆ひじきご飯でした。

 ディズニーリゾートでは、

 非常時に 約5万人が3~4日過ごせる 食料を備蓄していました。

 その中から、 お湯をかけるだけで食べられる、

 温かい大豆ひじきご飯が 提供されました。

 さらに 、刻一刻と変化する 交通情報を張り出し続けました。

 最新の情報が 更新されることで、 人々の不安は ひとつずつ消えていきます。

 こうして 落ち着きを取り戻したパークは、 夜明けを向かえました。

 客たちは、 最後まで笑顔だった スタッフに見送られ、 家路に着いていったのです。

〔 フジテレビ 「Mr. サンデー」 より 〕
 
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想定内でゲストを守った、 東京ディズニーリゾート (2)

2011年05月10日 22時25分01秒 | 東日本大震災
 
(前の記事からの続き)

 震災の日は 1~2月並みの寒さで、 小雨も落ちてきました。

 ディズニーリゾートのスタッフは、 土産物袋やゴミ袋を ゲストに無制限に配り、

 地面に敷いたり、 頭から被って、 雨や寒さから 守ってもらうようにしました。

 マニュアルにはない、 スタッフ自身の判断です。

 使えるものは何でも使い、 普段は絶対表に出さない 段ボールや、

 使い捨てのポリエチレン手袋で 暖を取ってもらいました。

 さらに、 売り物のお菓子などを 無料で配布し、 空腹を満たしてもらいます。

 「必ず皆さんに配りますから、 その場をお立ちにならないように お待ちください」

 行列で混乱しないように との配慮です。

 ゲストから 「お腹がすいた」 という要望が あったのではなく、

 スタッフ自身がお腹が空いたので、

 ゲストはもっと 空いているだろうと思って 配ったということです。

 その結果、 商品棚は全て空になりました。

 「全てはゲストの 安全と安心のために」

 そのシンプルな哲学さえあれば、 アルバイトであろうが マニュアルにとらわれず、

 自分の頭で考えて、 実行することができるのです。

 あるスタッフは、 じっとしゃがみ込んでいるゲストに、

 エコノミークラス症候群に なってしまうかもしれないので、

 少しでいいから体を動かしましょうと 呼びかけました。

 怯える子供たちに、 笑顔でゲームを促す スタッフもいました。

 スタッフ自身も被災者なのに、 嫌な顔もせず、 笑顔を絶やしませんでした。

 客たちからは、 スタッフへの信頼、 

 「ありがとう」 という言葉が 伝えられています。

〔 フジテレビ 「Mr. サンデー」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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想定内でゲストを守った、 東京ディズニーリゾート (1)

2011年05月09日 19時36分54秒 | 東日本大震災
 
 3月11日の震災のとき、 東京ディズニーリゾートでは、

 「ゲスト (客) の安全と安心を守る」 という 哲学の下で、

 スタッフが的確に行動し、 7万人の命を守りました。

 地面が大きく揺れている 真っ最中、

 すでに ゲストに身を守るよう 呼びかけているスタッフの姿がありました。

 「頭を守って しゃがんでください!」

 また、 売り物のぬいぐるみを 大量にゲストに配り、

 それを防災頭巾代わりにして 頭を守るよう、

 ゲストの間を走り回る スタッフもいました。

 スタッフは一糸乱れることなく、 ゲストを安全な場所に 誘導しています。

 ディズニーリゾートの従業員は 9割がアルバイトですが、

 防災訓練が年間180回、 園内のどこかで行なわれているといいます。

 被災時は商品を使ってもいい という指導を受けており、

 スタッフ個人の判断で、 商品のぬいぐるみを配ったのです。

 揺れから40秒で 場内アナウンスが流れ、

 建物から離れるようになど、 安全対策を呼びかけています。

 30分後には  「地震対策統括本部」 が設置され、

 社長自らトップに就いて、 隅々にまで渡る 指揮命令系統が築き上げられました。

 ディズニーリゾートでは 震度6強を想定、

 なおかつ、 10万人が入園しているときの 対応を決めていました。

 最悪の事態を想定して、 準備し訓練をし、 全ては 「想定内」 だったのです。

 「想定外」 が 免罪符のように使われるなか、

 全てを 「想定内」 として 実行に移した、

 危機管理のあるべき姿が ここにあります。

〔 フジテレビ 「Mr. サンデー」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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カメラマンの苦悩

2011年05月05日 18時22分32秒 | 東日本大震災
 
 壮絶、 甚大、 驚天動地、 どんな言葉も色あせてしまう 未曾有の震災に、

 レンズを向けていた カメラマンたち。

 かつてない体験に、 彼らは苦悩していました。

 泣いている人、 叫んでいる人、 呆然としている人……。

 閉じ込められている人を、 担ぎだして救助している人。

 自分はこの現実を 記録として残すべきか、 自分も 目の前の人を助けるべきか。

 カメラを置いて 救助をしたカメラマンも、 何人もいるそうです。

 あるカメラマンは、 カメラマンになったことを 後悔したといいます。

 悪夢を見ているとしか思えない、 何を撮っていいのか分からない、

 100時間かけても 現状を表現することはできない。

 自分は 物資を供給することも、 人を助けることも、 何もできない。

 カメラマンというのは お邪魔虫でしかないと、 無力感に駆られた人もいます。

 人の不幸を撮るのは 申し訳ないという気持ちと、

 歴史的瞬間を取材しなければならない という気持ちの葛藤。

 救助を求める人を ヘリコプターから写すより、

 行政に伝えた方がいいのではないか? 

 膨れ上がった海が 船や家を押し流す光景に、 泣きながらカメラを回し、

 今も夢に出ては 目が覚めるという人。

 目の前で 自宅を流されながら、 波打つ足下の濁流を 撮り続けた人。

 仙台空港のヘリに 間一髪飛び乗って、 津波に向けて シャッターを切った人。

 しかし、 そうして苦労して放送しても、 停電でテレビを見ることができない。

 一体 何のために放送しているのか? 

 いや、 ワンセグで見ている人がいるかもしれない。

 カメラマンや放送局の人たちは、 そんな極限の葛藤の中で、

 懸命に撮影や放送を 続けていたといいます。

 そうして残された 貴重な映像は、 人々に重要な情報を送っています。

 必ず後世にも伝えられ、 防災の研究や啓発などに 寄与するに違いありません。

〔 参考資料 : テレビ朝日 「ANN報道特別番組」 , 朝日新聞 〕
 
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攻撃的な子  心に傷

2011年05月04日 19時19分34秒 | 東日本大震災
 
 震災や 長引く避難生活によって、 子供たちが精神的に 追い込まれています。

 殴る、 蹴る、 暴言を吐く。

 子供のストレスのサインには 色々ありますが、 そのひとつが 攻撃的な言動です。

 避難所で 小学校低学年の女児3人が、

 ボランティアの高校生の 足を蹴り始めました。

 「痛いよ、 やめて」 と言っても 止まりません。

 サッカーをしようと ボールを渡すと、 思い切り蹴飛ばして パスになりません。

 「ぶっ殺す!」 と叫ぶ。 噛みつく。

 新しいボランティアが来ると、 まず蹴られます。

 こうした 暴力的な子が出る避難所は ある特徴があり、

 周囲に自然が少なく、 遊ぶスペースが 少ない場所でした。

 ボランティアが遊び相手を初めて 2週間ほどすると、

 暴力がぐんと減ったといいます。

 不安が高まった時、

 その力が 内向きに働く人は 落ち込み、 外向きに働く人は 攻撃的になります。

(BPDも同じです。)

 子供は大人より自制がきかず、 言動に出やすいのです。

 大人の不安や苛立ちを 無意識に真似ている 可能性もあるといいます。

 愛や思いやりは 伝染しにくいが、 怒りは移りやすい と言う人もいます。

 暴力は、 もっと構ってほしいという サインでもあります。

 大人は、 まず暴力はいけないと きちんと注意することが必要です。

 子供は人目を気にするので、 こっそり一人だけ呼んで、

 「さっき蹴られたの 痛かったよ。

 イライラしちゃうのかな?」 などと 声をかけるといいそうです。

 生活のリズムが整って、 秩序ができ始めると、

 自然と落ち着くこともあるといいます。

〔 朝日新聞より 〕
 
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津波がれき 難敵

2011年05月03日 21時26分10秒 | 東日本大震災
 
 被災地では 大量のがれきの撤去、 可燃物の分別を急いでいます。

 しかし 多くが海水を浴び、 ぬかるみに浸かったままの 木材もあります。

 塩分を多く含む がれきを焼却すると、 有害物質の塩化水素が発生し、

 大気汚染の基準を超える 可能性があるのだといいます。

 塩化水素は酸性のため、 焼却炉が腐食する恐れもあります。

 がれきを保管場所に置いて、 雨水や流水で 塩分を取り除く方法が 考えられますが、

 表面は雨で洗えても、 下の方は難しいという 意見もあります。

 プールのような水槽で、 塩分を除去することも 検討されていますが、

 洗ったあとの 大量の汚水処理など 課題は少なくありません。

 がれきを洗わずに燃やし、 塩化水素の除去フィルターを 強化する案は、

 高濃度の塩化水素が 炉を傷めることが懸念されます。

 一方、 がれき専用の焼却炉を新設し、

 処理期間の短縮と 既存の炉の損傷を防ごうとする 自治体もあります。

 建設費は国費ですが、

 がれきだけを焼却すると 塩化水素の濃度が 高まるかもしれません。

 まだ見通しが立たない所もあり、

 終わるまで何年かかるか はっきりしない現状です。
 

 また、 撤去作業などで 破傷風にかかる危険性も言われています。

 土壌中の破傷風菌が 傷口から入り、 全身の筋肉の 強い痛みと痙攣,

 呼吸困難を引き起し、 致死率は6~60%に及ぶといいます。

 手袋や 底の厚い靴を付け、

 泥などで汚れた傷は 医者に見せるなどの 注意が必要です。

 1968年から 子供にワクチンを 予防接種するようになりましたが、

 67年以前の生まれの人も ワクチンで予防ができます。

〔 朝日新聞より 〕
 
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Win-Win支援

2011年05月02日 08時58分18秒 | 東日本大震災
 
 消費者が支払った料金の一部を、 企業が義援金に当てる 支援が広がってきています。

 消費者は 通常と同じ料金を支払うことで 支援に協力でき、

 企業も支援活動をしているという イメージアップに繋がり、

 双方が得をする 「Win-Win支援」 です。

 例えば、 ダイエーグループは 「被災地復興支援週間」 として、

 プライベートブランドの食品売上の1%を 義援金として寄付します。

 お客からは、 「少しでも役に立ててよかった」 という 声が出ています。

 カラオケ・ 第一興商は5月31日まで、

 カラオケを1曲歌うごとに 5円を義援金として寄付。

 居酒屋チェーン・ モンテローザは、

 5月31日まで 「飲んで食べて復興するぞ キャンペーン」。

 白木屋、 魚民、 笑笑などのグループ各店で、

 被災地の名物や地酒を 注文すると、 1品につき10円が寄付されます。

 その他、 結婚式場, ネイルサロン, 美容室, 足裏整体でも、

 同様の支援が行なわれています。

 また、 廃校になったばかりの農業高校が、

 ビニールハウスや畜舎, 畑などの施設を、 被災者に提供したいと呼びかけています。

 このような活動は、 消費者が支援に協力しやすく (敷居が低い)、

 企業も 事業の中で支援ができるので、 息の長い活動ができます。

 復興への活動は まだ第1ステージなので、 これからも広がってほしいものです。

(因みにイギリスでは、 Win×4, 4方一両得とでも言うような 支援があります。

 食パンの会社が パンの包装紙の一部に、 バター会社の広告を入れ、

 その広告料を 義援金として寄付します。

 バター会社は 最も有効な広告になり、 消費者は通常の料金で 支援でき、

 パン会社も企業イメージがアップします。)

〔 TBS 「ひるおび」 より 〕
 
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震災余話

2011年05月01日 21時09分46秒 | 東日本大震災
 
○ 被災から ちょうど四十九日の日に、 娘 (小学生) の遺体が 見つかりました。

 顔はもう分かりませんが、 左足にミサンガをしていたのが 証になります。

 遺体と対面した時、 両親の口から出てきた言葉は  「悲しい」 ではなく、

 「よかった」 「嬉しい」 でした。

 母親は涙を流しながらも、 娘が帰って来られて良かった という気持ちなのです。

 父親には笑顔さえ見えました。

○ 洗いたてのセーターや肌着が、 春の光にたなびいています。

 けれども、 持ち主が袖に腕を通すことは 二度とありません。

 宮城県警が、 身元不明の遺体が 身に付けていた衣服を 洗濯し続けています。

 名前や服の模様など、 手がかりを見つけるためです。

 服の写真を公開し、 情報提供を呼びかけています。

○ 避難所で、 今まで聞かれなかった声が 出てきています。

 「他の人が取った残り物しか、 物資が届かない」

 「よその地区の人が 食べ物を取りに来るのは おかしい」

 当初は出なかった不満が、 ささいなことをきっかけに 噴き出します。

 お互いが助け合う 避難生活が長期化し、

 気が張っている状態が 限界を超えるのです。

 これから より心配なのは、

 仮設に入る人と 避難所に残る人に 別れる時期だといいます。

 高齢者の見守りや、 精神的なケアに 本腰を入れなければ、

 被災者の心が ばらばらになってしまいます。

○ 南三陸町で、 高台に土地を持つ 住民から、

 無償の土地提供の申し出が 相次いでいます。

 高台の公有地が少なく、 仮設住宅の用地確保が 難航しているためです。

 申し出は約30件。

 支え合う気持ちが 住民を動かしているのです。

○ 避難所の高齢者に、  「生活不活発病 (廃用性症候群)」 が増えています。

 体を動かさないために、 全身の機能が 低下する症状です。

 自宅では 伝い歩きができた高齢者が、

 避難所では家具や手すりがなく 歩かなくなります。

 筋肉が弱るだけでなく、 心肺機能が衰え、 精神面でも うつ状態になったりします。

 地震で何もかも失い、 家の片づけや 想い出の品を取りに行こうという 動機も、

 持てないでいる人が多いといいます。

 本人はもちろん 家族のためにも、 要介護にならないよう、

 活動的にする工夫が必要です。

〔 朝日新聞, 日本テレビ 「ニュースZERO」 より 〕
 
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GWでボランティア殺到

2011年04月30日 17時32分17秒 | 東日本大震災
 
 ゴールデンウィークを利用して、

 被災地へボランティアにいこうとうい人たちが 列をなしています。

 (僕は残念ながら その余裕がないのですが。)

 石巻市の社会福祉協議会が 受け入れ窓口のボランティアセンター (VC) を設け、

 ボランティアの人に 作業内容や派遣先を割り振ります。

 GW初日の29日、 ボランティアの希望者は 1200人で、 前日の1.5倍。

 VCは45人のスタッフで 対応に追われます。

 車の有無や 保険の加入など、 各自の事情なども 確認しなければなりません。

 車で駆けつける人が多くなり、 交通渋滞が深刻になっています。

 移動時間は普段の2倍、 

 「せっかく来てくれても 実働時間がどんどん短くなってしまう」 と、

 VCの担当者は言います。

 こうしたなか、 気仙沼市などのVCは、 処理能力を超えた 希望者が殺到し、

 連休中の新規受け付けを 中止せざるを得ませんでした。

 ボランティア経験者のみ、 グループ限定などの条件付きで

 受け入れている自治体もあります。

 しかし 被災現場は圧倒的に 人手が足りていません。

 希望者の熱意と 現場の要求が結びついていないのです。

 阪神大震災でも 同じ問題に直面した 兵庫県社会福祉協議会などは、

 東北道に隣接した事務所に  「情報センター」 を設けました。

 ボランティア希望者は 高速から降りることなく、

 受け入れ可能なVCや 到着までの予想時間が分かります。

 十数人のスタッフは、 電話で案内をしています。

(022-377-3122)

 担当者は こう呼びかけています。

 「受け入れ情報は流動的で 刻一刻と変わっている。

 尊い志が生きるよう、 きめ細かく情報を集めてほしい」

〔 朝日新聞より 〕
 
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