「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自分の見方を認めさせること (3)

2015年08月11日 20時38分18秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
※ アクション・ステップ 41
 正しい対応を選びましょう
 
 以下のa, bのうち、 口論になる可能性が少ない方を 選んでください。
 
1.a) 「あなたは、 私があなたを嫌いだと言うのを 聞いたわけではありません。
 
  b) 「私はあなたが嫌いなのではなく、 愛しているのです」
 
2.a) 「私は仕事を楽しんでいて、 誠心誠意やれば報われると思っています」
 
  b) 「あなたは間違っています。 私は仕事ばかりはしていませんし、 
 
     もし仕事ばかりしているとしたら、 多分家に戻りたくないからでしょう」
 
3.a) 「私は プライバシーを守るのを好みます。
 
     だから家に来るときは、 前もって 電話をしてくれるとありがたいです」
 
  b) 「電話しないで来るのは無礼です。 これ以上しないでください」
 
4.a) 「私は、 あなたが 妹をそんなふうに扱うのを 拒否します。
 
     無礼であり、 配慮にかけています」
 
  b) 「私は母親として、 妹が安全で、
 
     不安がないようにする 責任を感じています」
 
【ステップ3】 認めること
 
 自分の立場を論ずるよりは、
 
 あなた方両方が 自分の感じ方や意見を持つ 権利があるのだということを、
 
 認めてください。
 
 以下は手本となる表現です。
 
・ 意見が異なることに 合意できると思います。
 
・ 二人とも独自の意見があるので、 争わないようにしましょう。
 
・ 分かりました。 あなたは○○○と感じ、 私は○○○と信じています。
 
  物事を見るのは、 いつも 最低2つの見方があるものです。
 
 
 --------------------------------------
 
 アクション・ステップ 41 の解答
 
1. b     2. a     3. a     4. b
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の見方を認めさせること (2)

2015年08月09日 19時50分33秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
【ステップ2】 応答すること
 
 自分の言いたいことを表明し、 かつ、
 
 自分には自分の見方, 意見, リアクションを持つ 権利があるのだと 
 
 自己確認することで、 自分の価値を裏付けることができます。
 
 発散できるように 話を聞いてくれる 友人の存在が大切です。
 
 「私」 を主語にしたセリフは、 論争の余地がないものです。
 
 「私はこう感じています」 と言えば、
 
 そのように感じていないと 言うことはできないのです。
 
 何を感じるべきか 命じることはできませんし、 命じるべきではありません。
 
 感情に、 正しい, 間違っているということはありません。
 
 ただただ 存在するのです。
 
 感情表現が、 「あなたは間違っていると思います」 という
 
  「意見」にならないようにしましょう。
 
 感情表現のあとに、
 
 意見を述べる 別の 「私」 主語の文を 続けることはできます。
 
 自分の見方や感情を表わすために、 BPを論駁したり 無効化する必要はないのです。
 
○ 感情と 「私」 主語のセリフ
 
 以下はその例です。
 
 ____ を語句で埋めてください。
 
・ 「私はそうは感じません。 私は ____ と感じています」
 
・ 「私は誤解されたように感じています。 私の意図は ____ でした」
 
・ 「私はその言葉に混乱しています。 どういう意味なのですか?」
 
・ 「私はそれについて 違うふうに感じます。 私の意見は ____ です」
 
・ 「あなたを傷つけるつもりだったと 思われたらごめんなさい。
 
   私が ____ と言ったとき、 私の意図は ____」
 
・ 「私は ____ を愛しているので、
 
   決して ____ なことは 意図的にはしません」
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の見方を認めさせること (1)

2015年08月08日 20時52分03秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 多くのBPは、 ある時には 現実的な話し合いをすることができます。
 
 でもあなたが先に、 BPに耳を傾けることで、
 
 誠意を示さなければならないでしょう。
 
 以下は、 3段階の単純なテクニックです。
 
 (1)BPが言ったことを繰り返し、 (2)感情を込めて 「私」 主語で応答し、
 
 (3)ふたり別々の意見を 持っているのを認めることです。
 
【ステップ1】 繰り返すこと
 
 アイコンタクトをしながら、 BPの言い分を繰り返してください。
 
 これは、 同意をしているのではありません。
 
 単に聞いたということを示しているのです。
 
 話を聞いてもらえたと感じるとき、 人は気分がよくなるものです。
 
 例え相手が同意しなくても。
 
 BPに耳を傾けることに より努力すべきです。
 
 BPの言ったことを繰り返したあとで、
 
  「これが言いたかったの?」 と 尋ねましょう。
 
 違っていたら 繰り返してもらいましょう。
 
 BPの感じ方を尋ねて、  「感情の表現」 を付け加えましょう。
 
※ アクション・ステップ 40
 語句を繰り返すこと
 
 繰り返すとき、 ご機嫌取りのためにへりくだったり、 怒ったり、
 
 優位な立場から 面倒を見ているかのように 感じさせないことです。
 
 あなたの言っていることを しっかり聞いています」 と 語るトーンに努めます。
 
 以下の 役に立つ言い回しを 完成させましょう。
 
・ ________ を信じてると言っているのですか? 
 
・ ________ と考えているように思われますが、 合っていますか? 
 
・ もし 私がこの権利を持てば、 あなたは ________ を望みますか? 
 
・ あなたの話を聞いていると 確認させてください。
 
  私に ________ してほしいのですか? 
 
・ ________ と信じていると、 あなたは言っています。
 
  それが言いたいことですか? 
 
・________ と感じているように聞こえます。
 
  当たっていますか? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

斬って捨てるような セリフや皮肉

2015年08月07日 20時33分47秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 皮肉は 遠回しに傷つける意図があるので、 対応が困難です。
 
 極力小さなことと受け止め、 皮肉に込められた重大性を 認めないことです。
 
○ 皮肉への対応
 
 自己防衛, 説明, 正当化, 反撃は、 全て口論になる元です。
 
 ただ引きこもるのは、 言葉の虐待を許すことになります。
 
 どちらもやめましょう。
 
 その代わりに、 以下のことを実行しましょう。
 
・ 意地悪な意図に 気づかないふりをしましょう。
 
 (さらりと受け流します。)
 
・ こちらが同意しなくても、
 
 あなたの批判者は 意見を持っていることを認識してください。
 
 (そして 自分の意見を変えないでください。)
 
・ BPが 皮肉や否定的なことを言ったら、
 
 当たり障りのない 曖昧なコメントをしましょう。
 
 BPの意見を気にしていないような、 気楽な感じで言ってください。
 
○ 心に留めておくべき、 最も大切な2つのポイント

・ あなたの対応が その場を去ることであっても、
 
 傷つけるコメントを 素通りさせてはいけません。
 
 小さな毒も蓄積すると、 非常に有害になります。
 
・ BPのしていることを 論じたり実行して、
 
 コメントをまともに受け止めてはいけません。
 
※ アクション・ステップ 39
  練習, 練習, そしてもう少し練習
 
1. BPの皮肉コメントを ノートに書き出してください。
 
2. 可能な対応 (心地よいと感じる応答) を書き留めてください。
 
3. ひとりで 声に出す練習をしましょう。
 
4. 想像されるBPの反応を 書き出してください。
 
5. 同じ表現を 繰り返す練習をしましょう。 (「壊れたレコード」 テクニック)
 
  穏やかで抑制を保っている あなた自身を思い描いてください。
 
  BPが何と言っても、 断固として 自分の応答を繰り返すのです。
 
  BPの挑発は ひたすら拒まねばなりません。
 
6. 友人にBPの役を演じてもらい、 練習してください。
 
  BPのあらゆる反応に、 確実に心の平静を 保てるようにしてください。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不正確な憶測への対応

2015年08月04日 20時52分08秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPは自分の感情に捕らわれて、 誤った思い込みをします。
 
 以下の対応例を試してみましょう。
 
・ もし私が あなたを苦しませることを、 言ったりしたりしたら教えてほしい
 
・ 私がそれを言ったときに、
 
  〈悲しく/不安に/ストレスを受けたと/嫌がらせを受けたと/気が散らされたと〉
 
  感じたように見える
 
・ 〈怒り/心配/失望/混乱〉 を感じるのも 不思議ではない
 
・ 私があのことを 〈言った/した〉 とき、 全く悪気はなかったと 信じてほしい。
 
  でも私の言動が  〈苦痛/困難〉 を引き起こしてしまった
 
・ 許してくれることを望んでいる。
 
  そしてこのような 〈結末/問題/感情〉 を
 
  もたらすつもりではなかった という私の言い分に、 耳を傾けてほしい
 
・ このような問題を防ぐ方法があるか、 思い巡らせている。
 
  何かアイデアはありますか? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

異なった気分状態に対しての 異なった対応

2015年08月03日 19時55分48秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 色々な状況に対する、 適切な対応と不適切な対応を記します。
 
(1)
状況
 BPが落ち込んでいるが、 本人はそう言っていない。
 
弱い対応
 元気を出して。 映画でも観たい?  何が問題なの? 
 
賢い対応
 間違ってるかもしれないけど、 落ち込んでるように見える。 気分はどう? 
 
(2)
状況
 BPが不安, 悲しみ, 苛立ちなどを感じていると 言う。
 
弱い対応
 今度は何?  悲しまないで。 私に当たらないで。 心配しないで。
 
賢い対応
 そのことを話したい?  何かできることはある?  話してくれれば理解できる。
 
(3)
状況
 BPが、 泣く, 声を上げる, 暴力を振るうなどの 行動化を示す。
 
弱い対応
 やめて。 大人らしくして。 怒ってるの?  話をして。
 私の言うことを聞いて。 失せて。
 
賢い対応
 落ち着いたら話し合いたい。
 
 愛してるから、 あなたの中で何が起きてるのか 聞きたい。
 でも 落ち着いて話してくれるまでは 助けられない。 あとで話を聞くと約束する。
 
 今あなたの心が静まるのに 役立つのは何? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「私」 を主語に用いること

2015年08月02日 20時08分36秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 前の記事の言い回しは、 2つの共通点があります。
 
1. 全て 「私」 が主語になっています。
 
 自分の感情は、 自分でなら変えることができても、
 
 人が取り除くことや、 善し悪しを決めることはできません。
 
 BPに  「そう感じるべきではない」 と言われたら、
 
 「でも感じるのです。
 
 あなたの感情を尊重するので、 私の感情も尊重してほしい」  と言いましょう。
 
2. BPがどう感じているか、 分かったふりはしません。
 
 BPは 自分の怒りを否認するか、 意識していないかもしれません。
 
 BPの感情の中心に何があるのか、
 
 無条件に関心を寄せることが、 よりよいコミュニケーションにつながります。
 
○ 覚えておくべきこと

・ ひとつの言い回しは、
 
 あるときはうまくいっても、 いつも効果があるとは限りません。
 
 これは 失敗したということではないのです。
 
・ コミュニケーション・テクニックは、 BPDを治癒するものではありません。
 
 適当な状況で適性に用いれば、 プラスになりうる道具なのです。
 
・ 異なる状況に向けて、 多様な対応を用意しておくことは、
 
 あなた方双方を よりよいほうへ導いてくれるでしょう。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

低機能BPに 話を聞いてもらうための秘訣

2015年07月31日 21時14分40秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 低機能BPは、 悪意のない言葉に、 話し手が意図しない解釈を加えて、
 
 自分をこき下ろしていると 考えるかもしれません。
 
 事が起きる前に、
 
 小さなサインや 微妙な気分の変化に 注意を払うことが求められます。
 
 非難や問題行動に、 怒りではなく共感をもって反応するには、
 
 適切な言葉が必要です。
 
 家族が自分の 感情やニーズに敏感だと、
 
 BPに感じさせるような 言い回しがあります。
 
 家族の 正確な解釈と共感的な反応によって、
 
 BPに 言葉によるコミュニケーションを促します。
 
※ アクション・ステップ 38
 
 これらの言い回しを暗記しましょう。
 
 以下の表現を暗記し、 友人や家族と 練習を重ねてください。
 
1. 「私には あなたがちょっと、
 
   ________ と 感じているように聞こえます」
 
2. 「私は ________ を聞いています。
 
   ________ のせいで、 ________ と感じているのですか?」
 
3. 「私が言ったことが、
 
   あなたが 〈苛々している / 怒っている / 不安・焦燥を感じている〉
 
   原因のなったのかと、 気にしているのです」
 
4. 「この点で、 あなたが少し
 
   〈孤独だ / 失望している / 裏切られた / やる気を損なわれた〉
 
   と感じているのではないかと思います」
 
5. 「もし、 これが私の身に起こったら、 ________ と感じるでしょう。
 
   あなたはどうですか?」
 
6. 「あなたが ________ を始めると、
 
   私は ________ と感じます」
 
7. 「約__ 〈分/時間〉 経ってから、 この話を再開することができますか?」
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

話を聴いてもらうこと : ボーダーラインの人との意思疎通

2015年07月30日 20時31分48秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
○ 正しいコミュニケーション方法を 選択すること
 
 BP (ボーダーの人) とのコミュニケーションでは、
 
 異なった状況において 異なった方法を 学ぶ必要があります。
 
・ 聞く能力と才能
 
 幼児期にトラウマを経験した人々は、 脳の回路が異なっているようです。
 
 ショックや否認によって、
 
 脳の情緒的部分が 認知的 (思考的) 部位を 締め出してしまうのです。
 
 non-BP (ノン・ボーダーの人) が 論理的な答を探せば探すほど、
 
 BPはnon-BPの反応を 理解できなくなります。
 
・ 激怒しがちな人に DEARを用いること
 
 激怒に関する境界を設けるためには、
 
 比較的穏やかなときに  「DEAR法」 を用いてください。
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64719285.html 参照)
 
 BPが怒ったら、 その場を離れると説明してください。
 
 誰かナイフで脅されたら、 逃げるのに許可を求めますか? 
 
 言葉による虐待は 同じくらい危険なものです。
 
 境界を一度決めたら、 死守しなければなりません。
 
 その場を離れる時、 見捨てられ恐怖に対処するため、
 
 いつ戻るのか必ず伝えてください。
 
※ アクション・ステップ 37
 
 以下の、 その場を去る幾つかの方法で、 使えるものに○を付けましょう。
 
_ 電話を切る
 
_ 別の部屋へ行く
 
_ BPのメールを削除する
 
_ ヘッドフォンを付ける
 
_ 子供を望みの場所に連れていく
 
_ 友人を訪ねる
 
_ 迎えに来てもらうように、 友人と事前に約束しておく
 
_ 予め鞄に必要なものを詰め、 どこへ行くか考えておく。
 
  必要なら警察に電話する
 
 
 自分自身の方法を考え、 下に記入してください。
 ______________________________________
 ______________________________________
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予想して実行すること

2015年07月29日 20時45分03秒 | 「BPD 実践ワークブック」より

※ アクション・ステップ 36
 
 感情的な脅迫をされている場合の 会話を予想して、 ノートに書いてみましょう。
 
 最良と最悪のシナリオに 戻ってください。
 
 各個人が 自分自身の行動に責任があることを 忘れないでください。
 
 あなたは自分の決断を持っていて、 脅迫者も自分の決断を持っています。
 
 初めは不快に感じるでしょうが、
 
 成功させるたびに 新たな自尊心を得て、 次はより容易になるでしょう。
 
 「私は自分を第一に考えている」  と言うのは避けましょう。
 
 見捨てられ恐怖の 危険度最大のボタンを押すことになります。
 
 「二人にとって最善のことをしていると 感じています。
 
 同意してもらえないなら残念です」  と言ってください。
 
 あなたが 自分のニーズに応えれば応えるほど、
 
 二人の関係は 改善する可能性があるのです。
 
○ 得られるものを心に留め続けましょう
 
 変化は 二人にとって難しいでしょう。
 
 自分の人生を取り戻すことと、 二人の関係の健全さを確保するという、
 
 両方の目的を 持ってやっているということを、 心に留めておくのが大事です。
 
 自分自身に、  「こういう気持ちを我慢できないわけがありません。
 
 大人の選択をするというのは こういう感じなのです。
 
 これが普通なのです」  と言い続けましょう。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

FOGと闘うテクニック

2015年07月28日 20時15分09秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
○ 内的な動機づけ
 
 感情的脅迫に屈伏する代償で、 当てはまるものに○をしてください。
 
_ 怒りや苛立ち, 罠にはめられている, ストレスがかかる, 燃えつきている,  
  欲求不満, 混乱させられる, 傷ついている, 愛してもらえない,
 
  気力をくじかれる といった気持ち。
 
_ 自尊心, コントロール, 高潔性の喪失。 喜びの喪失。
 
  自分や人のための時間の喪失。 人の手本になる可能性の喪失。
 
_ 同意することを強制された感覚。 何か言おうとするときに くじかれてしまう感じ。
 
  人にどう思われるかが気になる。 自分の人生を コントロールしている気がしない。
 
  自発的に同意した状況が 幸せでない。
 
○ 変化に対する 本気の取り組み姿勢
 
 個人的境界を明確にして、
 
 自分自身との  「変化への取り組み」 の契約書を書きだしましょう。
 
 何がしたいですか? 
 
 どんな条件で 人を受け入れたいですか? 
 
 見返りに何かを期待しますか? 
 
 何かを得ているという 感覚を持てるように、 利益を現実的なものにします。
 
 完璧でなくても大丈夫です。
 
○ 練習
 
 「ノー」 と言うのが難しいなら、
 
 BPDでない人に対して、 依頼を断ることから始めてください。
 
 脅迫者に対して、 自分の決心を正当化したり、 説明しないようにします。
 
 説明や正当化しても、 BPとは話が噛み合いません。
 
 弁解は BPに爆薬を与えるだけです。
 
 説明すればするほど、 BPは 義務感や罪悪感の ボタンを押してくるでしょう。
 
 「仕事をしなければならない」 と言えば、
 
 「私と仕事とどちらが大事なの?」  といった具合に。
 
○ 完遂
 
 以下のセリフを 必要なだけ繰り返し、
 
 説明するという罠に 陥らないようにしてください。
 
・ 悪いけど私にはできません。
 
・ 私はただただ できないのです。
 
・ そういうのは分かりますが、 「いいえ」 と言わなければなりません。
 
・ それはあなたの選択です。 こちらが私の選択なのです。
 
・ 以前にしたことはあるけど、 今回はできません。
 
・ 落ち着いているときに、 話し合いましょう。
 
・ 失望するのは分かります。 他の解答を 見つけられるとよいと思います。
 
・ 脅迫してもうまくいきません。
 
  すでに決断したし、 それを尊重してくれるよう 頼んでいるのです。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の人生を FOGから脱却させること (3)

2015年07月27日 21時37分48秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 34 (3)
 
○ 罪悪感
 
 感情的恐喝者たちは、 自分の不満や不幸に対して、
 
 私たちが 全面的な責任を取るように 仕向けてきます。
 
 自分の人生に 特有な言い分となるように、 以下のセリフの空白部分を埋め、
 
 1~5の尺度で 罪悪感を等級づけてください。
 
 なぜあなたは罪悪感を持つのか、 ノートに書き込んでください。
 
_ 私は____でなく、 ____と感じていることに 罪悪感があります。
 
_ 直接対決が大嫌いなので、 ただ 「悪かった」 と言ってしまい、 
 
  それで終わることを期待します。
 
_ 私は________のとき、 悪人であるかように感じます。
 
_ もっと早く ボーダーラインに関して知っていたら、 
 
  何もかもぐちゃぐちゃにすることは なかったでしょう。
 
_ BPが________と感じているとき、 それを私のせいにします。
 
_ 自分が悪いと感じることがないのなら、 私は________。
 
_ BPは私を 多くのことに関して責めます。
 
_ 時々、 ________と考えることに 罪悪感を持ちます。
 
_ 時々、 ________することに 罪悪感を持ちます。
 
_ 時々、 ________であることに 罪悪感を持ちます。
 
_ 時々、 ________を持っていることに 罪悪感を持ちます。
 
_ 何年も前にあることをして、 いまだに罪悪感があります。
 
_ 私の____が、 ________に関して 私に罪があると言いました。
 
_ 時々、 BPが死んだ方がいいと思うことを、 悪いことと感じます。
 
 
○ FOGを切り抜けて
 
 FOGで 搾取する人と搾取される人は、 愛や思いやりで行動していません。
 
 FOGを取り除けば、 BPは 欲しいものを明確に求められるし、
 
 non-BPは 自分がそうしたいからという理由で、
 
 BPの望むものを与えられるのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の人生を FOGから脱却させること (2)

2015年07月26日 20時58分13秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 34 (2)
 
○ 義務感
 
 私たちの義務感が、 自尊心と自己への思いやりより強いと、
 
 恐喝者たちはどのようにつけ込むか即座に学ぶのです。
 
 以下の事柄について、 1~5の尺度で、 どのくらい義務を感じているでしょうか?
 
 なぜ義務あると感じるのでしょう? 
 
 できるだけ現実的 かつ合理的になって、 ノートに書いてください。
 
_ 自分は良き 〈パートナー/友人/家族〉 だと思います。
 
_ BPは私を必要としています。
 
_ BPは私に いくつかの物を与えてくれたので、 感謝すべきです。
 
_ 人は 〈パートナー/友人/家族〉 を愛することになっています。
 
_ 私は 〈パートナー/友人/家族〉 の期待に 応じるように努力しています。
 
_ ボーダーラインは脳機能障害である以上、 私の方に適応する義務があります。
 
_ もし私がこれをしなかったら、 人々は私を悪く思うでしょう。
 
_ 私はこの関係の中に、 これほどの時間を注ぎ込みました。
 
  なぜ今やめられるでしょうか? 
 
_ 人々は 私が義務を抱えていることを好みます。
 
_ 私の宗教が このようなあり方を教示します。
 
_ 私の両親が これをすべきだと教えました。
 
_ もし私が 自分の義務に応えられなかったら、 自分が悪い人間だと感じるでしょう。
 
_ 自分の価値観が妨げになります。
 
_ BPは必ず私に思い出させます。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の人生を FOGから脱却させること (1)

2015年07月25日 20時39分00秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 34
 
 FOGから抜け出すために、 攻撃されやすい部分を はっきりさせて、
 
 FOGを警戒しましょう。
 
○ 怖れ
 
 怒りは、 怖れをすばやく引き寄せます。
 
 他人の怒りだけでなく、 自分自身の怒りにも怯えます。
 
 下記の筋書きは どの程度恐ろしいか、 1~5の目盛りで示してください。
 
(1が低く、5が高い)
 
 何が起こるのが怖いか、 できるだけ現実的に、 ノートに説明してください。
 
~が恐ろしいのです
 
_ BP (BPDの人) の承認を失うこと
 
_ BPが私に対して怒ること
 
_ 黙り込みを受けること
 
_ BPが危険な状態になること
 
_ BPが違法をすること
 
_ BPの自殺企図
 
_ BPの自傷
 
_ BPが抑うつ状態になること
 
_ 自己中心的と見られること
 
_ 変化
 
_ 責任を取ること
 
_ 正体を見られること
 
_ 悪いパートナーとなること
 
_ 悪い家族になること
 
_ 悪い友人になること
 
_ 見捨てられること
 
_ 報復されること
 
_ 人々が自分を悪人と思うこと
 
_ 新しい何かを試みること
 
_ 関係を失うこと
 
_ 愛・友情・仲間を失うこと
 
_ 子供との接触あるいは親権を失うこと
 
_ 事実ねじ曲げ作戦
 
_ 一人でいること
 
_ 一人のでの生活
 
_ ある種の実際的な問題の処理
 
_ 悪口を言われること
 
_ 公の場で困らせられること
 
_ 脅されること
 
_ 誤認逮捕されること
 
_ 誰かを殴ること
 
_ うつ状態になること
 
_ 期待に応えそこなうこと
 
_ 正面からの対決
 
_ 怒ること
 
_ コントロールの消失
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感情的脅迫でのFOGの行使

2015年07月22日 21時10分34秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 操作は色々な形で現れます。
 
怖れ
 
 パートナーが 浮気相手との性的な話をしますが、
 
 それをやめさせようとすると、 パートナーが去っていってしまうのが 怖いのです。
 
義務
 
 自分のことを 良い人と考えるのを好み、
 
 他者のニーズを 自分のものより優先する傾向があります。
 
罪悪感
 
 ボーダーラインの娘の両親は、
 
 自分たちが 娘の障害を引き起こしたのではないかと 案じています。
 
※ アクション・ステップ 33  日常の容疑者を逮捕すること
 
 感情的脅迫を仕掛けてくる人の リストを作りましょう。
 
 脅迫者が、 怖れ, 義務感, 罪悪感を弄ぶ状況を 考えてみましょう。
 
 脅迫者が求めているのは 何でしょう? 
 
 それを どうやって手に入れようとしますか? 
 
 あなたが降参したとき、 誰が何を言い、 どう感じ、 自分で自分にどう言ったか、
 
 思い出してください。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする