「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

消滅しそうになっていませんか? (2)

2015年06月22日 20時13分45秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
※ アクション・ステップ27 (2)
 
8. BPが親の場合、 18才を過ぎても 親の承認が必要だと感じますか? 
 
   もし 「いいえ」 と答えたなら、
 
   不承認を受けるような 重大な告白を恐れていますか?
 
   □はい   □いいえ
 
9. BPと違った場合には、
 
   自分自身の意見を疑ったり、 価値を下げたりしますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
10. この関係の中で、 重要な情報を故意に抜かしたり、 嘘を言うなど、
 
   不正直になっていますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
11. ほとんどマイナスなのに、 何故関係を続けているか 考えますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
12. この関係に対して、 自分の価値が認められ、 理解されていると感じますか?
 
   □はい   □いいえ
 
13. 人間的成長の時間がないくらい、 この関係が あなたを忙しくしていますか?
 
   □はい   □いいえ
 
14. BPの問題が最優先なので、 自分の問題に 取り組む時間がないほど、
 
   時間やエネルギーを取られていますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
 
 あなたは尊敬され、 親切にされる権利があるのです。
 
 自分に対する尊敬, 自分の意見や希望, 信念の欠如があったとしても、
 
 それを変えることができるのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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消滅しそうになっていませんか? (1)

2015年06月21日 19時33分34秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ27 (1)
 
 人生早期の影響が、 一部の人々を
 
 「消滅しそうな人々」 に組み立ててしまいます。
 
 「消滅しそうな人」 は、 関係を継続するために 自らの一部を放棄します。
 
 以下は、 自分が 「消滅しそうな人」 かどうか 確認するための質問表です。
 
1. あなたのBPの見方のほうが、 より良いという 暗黙の合意がありますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
2. 妥協する必要がある場合、 大抵あなたが妥協する側ですか? 
 
   □はい   □いいえ
 
3. 相手の承認や 関係自体を失うことを恐れ、 自己主張を恐れますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
4. 関係を維持するために、 楽しみをやめてしまいましたか? 
 
   □はい   □いいえ
 
5. BPが自分の子である場合、
 
   その子の問題を 他の家族のニーズより 重視しますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
6. BPが新しいパートナーの場合、
 
   その関係は 迅速・ 情熱的に始まりましたか? 
 
   ほとんどの時間を その人を夢想して過ごしていますか? 
 
   □はい   □いいえ
 
7. BPが長いパートナーの場合、 何が正常な関係か、 忘れてしまいましたか? 
 
   □はい   □いいえ
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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自分自身を大切にすること : 自分の現実を把握すること

2015年06月20日 21時43分31秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
○ 信念が あなたの現実を創り上げます
 
 他人は、 あなたの 自分に対する見方に応じて、 あなたを扱います。
 
 負け犬気分でいれば、 負け犬のように思われ、
 
 自分で自分を、 自信があり 価値のある人間として見なせば、
 
 人々はそれを感じ取り、 それに応じて対応してくれるのです。
 
 自分を見る見方は、 あなたの 「現実」 のひとつです。
 
 non-BP (ノン・ボーダーの人) たちは、
 
 自分は 何かを与えてもらうような価値がなく、
 
 人生の勝者ではないと 結論してしまいます。
 
 しかし、 その見方は変えられるのです。
 
 ほとんどのnon-BPは、
 
 自分自身に耳を傾けたり、 自分自身の認識力を信じることが 難しいでしょう。
 
 自信をもって 自分の意見を練り上げるのは、 自分を尊ぶひとつの方法なのです。
 
ex. ジョシュアの真実
 
 ジョシュアは35才の男性で、 ジョーンと結婚し、 堅実な家庭を築いています。
 
 ジョシュアの兄ケンは、 転々と職を変え、 借金で放蕩しています。
 
 ケンは ジョシュアに金を無心し、 ジョシュアは家族の手前、 断れません。
 
 しかしジョーンは、 個人的境界を尊重する人でした。
 
 「お兄さんを助けて、 無責任を強化するの?」
 
 「兄を飢え死にさせるのかい?」
 
 「生死の問題ではないのよ。 遊びを諦める問題よ」
 
 ジョーンのお金でもあるため、 ジョシュアはケンに  「ノー」 と言いました。
 
 ケンは大騒ぎしましたが、
 
 ケンは路頭に迷うことも、 食べ物に困ることもありませんでした。
 
 金の川が流れ出てくるかぎり、 ケンはお金をせびり続けるでしょう。
 
 ジョシュアは 自分のお金の使い方を、
 
 家族の承認を必要とせず、 自分で選択できることを学びました。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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距離をとるための表現

2015年06月15日 20時26分08秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ22 (2)
 
 相手に心は砕いても、 責任は本人に返すことを示すため、
 
 以下の表現を用いてください。
 
 一番適切なセリフと反応に ○を付けて、 暗記してください。
 
 練習するほどうまくなります。
 
_ BP: 「私の財布をどこに置いたの?」
 
_ non-BP: 「それは知らないけれど、
 
  最後に使った場所を思い出して、 記憶を辿ってみたら?」
 
_ BP (車を運転中): 「あなたのせいで道に迷った」
 
_ non-BP (同乗中): 「私が悪いとは思わない。
 
  最寄りのガソリンスタンドで 道を尋ねられるよ」
 
_ BP: 「こんなことできない。代わりにやって」
 
_ non-BP: 「大変なのは分かる。
 
  作業を小分けすれば、 やりやすくなるよ」
 
_ BP: 「私が責任を取るなんてあり得ない。
 
  あなたがあんなことをしなかったら、 こんなことは起こらなかった」
 
_ non-BP: 「自分は責任を感じていないけれど、 議論は解決にならない。
 
  あなたがすることをしたら、 問題は解決できるでしょう」
 
_ BP: 「やると言ったけど、 できなくなった。 他のことが出てきたので」
 
_ non-BP: 「ジレンマは分かる。 でも約束を守ると思ってる」
 
 
 次に、他のセリフや、 可能な反応を書き出してください。
 
_ BP: 「________________________________」
 
_ non-BP: 「____________________________」
 
_ BP: 「________________________________」
 
_ non-BP: 「____________________________」
 
 
○ 新しいスキルが 古いスキルに取って代わります
 
 自分自身の人生を コントロールしようと決心したら、
 
 はれものにさわるようにする代わりに、 自分自身を満足させようとするでしょう。
 
 意見の相違は 悪いことではありません。
 
 ボーダーの人に こちらの 「真実」 を 信じさせる必要はなく、
 
 こちらもボーダーの人の 意見を受け入れる必要もないのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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愛情をもって距離をとることを 学びましょう

2015年06月14日 20時54分51秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ22 (1)
 
 距離を取りたいと思う人の 名前を思い浮かべてください。
 
 以下の3つのフォーマットから ひとつを選び、 繰り返し読みます。
 
 自分に応用するため、 言葉遣いを改めてください。
 
フォーマット1
 
 「私は ○○を神のご加護にゆだね、 ○○は 私を神のご加護にゆだねます」
 
フォーマット2
 
 「私は○○を  『光』 の方に向けて解放し、
 
 ○○は私を  『光』の方に向けて解放します」
 
フォーマット3
 
 「私は○○を 彼自身として最高の善にゆだね、
 
 ○○は私を 私自身として最高の善にゆだねます」
 
 
 20秒以上かけて集中しながら、 数回繰り返し、 メッセージを味わってください。
 
 ただちに内的な平穏を 体験する人もいるでしょう。
 
 次に下の空欄に、 距離を取る他の人たちの 名前を書いてください。
 
 それぞれの人に 上記の宣言を言って、 20秒待ってから また繰り返してください。
 
 ________  ________  ________  ________
 
 ________  ________  ________  ________
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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ボーダーライン行動は あなたに無関係です

2015年06月11日 20時22分26秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPの能力や願望は、 あなたがコントロールできるものではありません。
 
 あなたは、 BPに対してどう感じるかを伝え、 解決策を提案することができます。
 
 しかし、 それでBPがどうするかは BPが決めるのです。
 
 コントロールできるのは、 BPに対する あなたの感情反応です。
 
 「他人の危機は必ずしも 自分の危機を意味しない」 のです。
 
 BPが危機的状況を迎えても、 反応する必要はありません。
 
 ただ 境界を繰り返して伝え、 自信をもって行動することです。
 
○ 愛情をもって離れること
 
 「愛情をもって離れる」 を モットーとすべきです。
 
 BPDから 自分を守ることが必要です。
 
 BPには 以下のメッセージを伝えます。
 
 「あなたのことを大事に思っていますが、
 
 あなたは自分の人生を 自分で決めなければなりません。
 
 私は愛することはできても、 あなたの人生を生きることはできません。
 
 正しい方向を教えることはできても、
 
 その道へあなたを 押し出すことはできないのです。」
 
 BPは 自分が引き起こした危機に 責任があるのです。
 
 あなたが責任を引き受けると、
 
 BPD行動を強化したり、 多くの悲しみをもたらすことになります。
 
 BPに処理させれば、 対処の仕方を学んだり、
 
 初めから問題の状況を 避ける可能性が高まります。
 
○ ボーダーの人の問題から 手を引くこと
 
 愛情をもって離れるための第一歩は、 自分に無関係な問題から 手を引くことです。
 
 もちろんBPは、 直接的にも間接的にも あなたに責任を負わせようとするでしょう。
 
 自分がコントロールできないことを放棄し、 BPに悪役にされることをやめれば、
 
 BPに 独力で処理できることを保証しながら、 愛と気遣いを表現できるでしょう。
 
 BPDの責任を取ることをやめれば、
 
 BPは感情的に成長し、 自分の責任を取れるようになるでしょう。
 
 あなたから始めるのです。
 
 BPの障害や回復に関して、 自分に責任はないということを、
 
 心底確信せねばなりません。
 
 あなたが冷静になるほど、 BPに責任を引き受けさせるほど、
 
 BPが問題に対処するのを 強化できるでしょう。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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アイデンティティの問題

2015年06月10日 21時18分41秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 自分の定義を変えるような変化は、 特に難しいでしょう。
 
 例えば、 あるBPDの女性は 厳しい人生を送ってきました。
 
 苦痛なしでは、 自分が一体誰になるだろうと 思ってしまいます。
 
 苦痛が彼女を成立させていたのです。
 
 メンタルヘルスの専門家の援助が必要で、
 
 うまくいけば、 なるべきに人間になることができます。
 
 
◎ 忘れないでください: 「愛情をもって」 距離を取るのです
 
 「愛情をもって」 ということを 心に止めておくのが大切です。
 
 愛情を込めて距離を取るのは、 相手に判断を下すことでも、
 
 行動をコントロールすることでも、 承認・ 不承認をほのめかすことでもありません。
 
(続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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変化実験 (2)

2015年06月07日 18時09分20秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
※ アクション・ステップ21 (2)
 
【実験2】
 
 変えたいと思う習慣を ひとつ取り上げてください。
 
 体重を減らすとか、 自分に利益があるもので、
 
 そのゴールを 手の届く範囲に定めましょう。
 
 成功したときの利益を 下に書き、 1週間参照してください。
 
 ______________________________________
 
 ゴールに向けて 1週間努力し、 次の質問答えてください。
 
1. 変えようとした習慣は何ですか? 
 
 ______________________________________
 
2. 1週間継続できましたか?  できなければ どれくらいできましたか? 
 
 ______________________________________
 
3. 変化を覚えていることは 難しかったですか? 
 
 ______________________________________
 
4. 1週間のうちに 違和感は減りましたか? 
 
 ______________________________________
 
5. もう1~2週間 この実験を続けたら、 もっと上手になりますか? 
 
 ______________________________________
 
6. 自分が選んだという事実は、
 
   この実験に対する態度, 成功, 意欲に影響しましたか?
 
 ______________________________________
 
 
 変化は難しく、
 
 忘れないよう努力しなければならないものなら、 一層難しいということを、
 
 このアクション・ステップは示します。
 
 加えて、 変化への動機がなければ、 成功の可能性はほとんどありません。
 
 自分で望んで変えようとしても 難しいのに、
 
 BPにとって 変化がいかに困難か 分かるでしょう。
 
 もし望んでいなければ、 変化はほとんど望めません。
 
 BPには 専門家の助けが どうしても必要なのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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変化実験 (1)

2015年06月06日 19時38分26秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ21 (1)
 
【実験1】
 
 利き手でない手で、 次の文章を書いてください。
 
 「私は、 新しい技術を学んでいて、 初回から完璧に成し遂げられるべきである。
 
  ぞんざいさや不完全さに対する 弁解は存在しない。」
 
1. これまで、 利き手でない手でどう書くか 知る必要がなかったという事実が、
 
   この実験をやろうとする あなたの態度, 成功, 意欲に影響しましたか? 
 
 ______________________________________
 
2. 書いた内容について考えてください。
 
   あなたはこの内容を信じていましたか? 
 
   書いている途中, 書いたあとはどうでしたか? 
 
 ______________________________________
 
 
 臨床心理士でもある フェンシングのコーチは、 無味乾燥で繰り返しばかりの練習を、
 
 何週間も学生に練習させてから、 同じ動きを左手でさせました。
 
 そのとき学生は、 どれほど進歩したかを知ったのです。
 
 このワークブックで努力をしているのに、 成果が得られないと思ったとき、
 
 このアクション・ステップを思い出してください。
 
 学習には時間がかかりますが、 忍耐が必要です。
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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BPを変えるための 過去の努力

2015年06月04日 22時05分28秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 自分以外は 誰をも変えることができません。
 
 でもまだ、 BPを変えたいと 責任を感じているでしょう。
 
 その気持ちは正常です。
 
 BPを変える努力に 効果があったか、 見てみましょう。
 
※ アクション・ステップ 20
 
 まず、 BPに変えてほしいと望んだことの、 全てのリストを作ってください。
 
 小さいことから大きなことへ という順で。
 
 次に、 それぞれの場合に、 BPを変えるためにしたことを 書き出してください。
 
 褒美や罰や 最後通牒を与えたことも。
 
 それから、 それらの努力の結果を ひとつずつ書いてください。
 
 BPは変化したか,したのならどのくらいの期間? 
 
 予期しない結果は? 
 
 あなたがBPを変えたのか、 BPが自分で変わろうと思ったのか、
 
 よく考えてください。
 
・ 望んだ変化
 
 ______________________________________
 
・ 試みた方法
 
 ______________________________________
 
・ 結果
 
 ______________________________________
 
 
 BPを治したり、 救い出したりする 責任を感じることは、
 
 あなたに コントロールの感覚を与えます。
 
 しかし それは錯覚です。
 
 誰のことも 根本的に変えることはできません。
 
 褒美や罰によって 短期間ならBPを操作できますが、
 
 褒美や罰をやめた途端に、 BPの思考や行動が舞い戻ってきます。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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関係の成果

2015年06月03日 19時54分55秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPDを理解したあと、 以下のうちの ひとつが起こるでしょう。
 
・ あなたは BPDが問題であることを否認し、 何もしません。
 
  現状がそのまま君臨します。
 
・ BPは BPDが問題であることを否認します。
 
  あなたがおかしくなることを除いて、 現状が続きます。
 
・ あなたは BPをありのままに受け入れて、
 
  あなたとBPから 幸福が剥奪されることを許してしまいます。
 
・ あなたは BPをありのままに受け入れようとしますが、
 
  色々なスキルを用いて 自分を守ります。
 
  セラピストにかかることもあるでしょう。
 
・ あなたとBP, あるいは 二人のうちの一方が、 知的レベルでBPDを学びます。
 
  その結果、 変化があるかもしれませんし、 ないかもしれません。
 
・ BPは、 BPDを抱えているのは あなただと責め立てます。
 
  あなたは、 共依存の問題を 見つめるのを避けるため、
 
  BPDに意識を集中します。
 
・ BPは、 問題は認識しますが、 変化する努力はほとんどしないでしょう。
 
  経験の浅いセラピストに かかるかもしれません。
 
・ BPは問題を認め、 障害を克服するために 精神科スタッフと努力するでしょう。
 
  (数年かかるでしょう。)
 
  non-BPは治療を補強し、 自分自身の問題に向き合うことが 期待されます。
 
 
 あなたが BPをどれほど愛していようと、
 
 BPに自分自身を愛するよう 強要することはできません。
 
 BPは 専門家の援助を受けながら、
 
 自分自身の悪魔を 征服しなければならないのです。
 
 変化は容易ではありませんが、 non-BPも変化する必要があります。
 
 それぞれが自分の問題に対しては、 完全に責任を負うべきなのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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否認を超えて : 変えられないものを受け入れること (そして、 変えられるものを変えるということ)

2015年06月01日 21時21分49秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 難しいことですが、 変化は可能です。
 
 けれども、 ボーダーラインの人 (BP) にとって、
 
 変化は あなたにとってよりも厳しいのです。
 
 ボーダーライン (BPD) の 9つの特徴を示す人は、
 
 自分の障害を否定しながら、 他の人の中には その障害を見出すのです。
 
 ノン・ボーダーラインの人 (non-BP) は、
 
 BPDの診断が付くと 安堵する人がいる一方で、
 
 障害を一時的なつまずきと 考える人もいます。
 
 時間の経過, 愛情, セラピーによって、 消滅すると考えるのです。
 
 多くのnon-BPは、 BPを変化させようとします。
 
 あるいは、 BPの要求に応えるため、 自分を変化させようとします。
 
 しかし 課題を達成したときには、
 
 また別の 不可能な課題の実現を 求められるのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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悲嘆過程の通過

2015年05月31日 19時34分34秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPと今まで持てなかったものや、 失ってしまったものを、
 
 嘆いて、 深く悲しむことが必要です。
 
 最初の一歩は、 感情をはっきり認識することです。
 
 特に 否認したり抑圧することを 学んでしまった感情を。

※ アクション・ステップ 19
 
 BPがからんでいない、 人生の不快な出来事を 選んでください。
 
 その時の情景, 音, 匂い, 感情はどうでしたか? 
 
 緊張感, 快適感, リラックス感など、
 
 できるだけ活き活きと、 4~5分かけて 細部を思い出してください。
 
 更にその時の 体の各部分の感触, 寒暖などに注目してください。
 
 手足, 顔, お腹, 首, 腕、 緊張していますか、 じっとりしていますか? 
 
 次に、 BPがらみの 最近の不愉快な経験を 思い出してください。
 
 何が似ていて、 何が異なっていますか? 
 
 こうすれば、 BPが新たな苦痛を作り出しているのか、
 
 それとも 古い痛みの感情を呼び覚ましているのか、 手がかりが得られるでしょう。
 
 non-BPを 不健康な人間関係に留まらせるのは、 昔の未解決の悲しみです。
 
 現在進行形の関係に 対処する能力を発達させるのは、
 
 過去の悲嘆を 終わらせることを意味します。
 
 不健康な人間関係に 耐えられるようにするには、
 
 痛む古傷を 蒸し返すことが要求されます。
 
 傷を放っておくほうが 楽だとしても。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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ボーダーラインとの関係の 神話を放棄する (4)

2015年05月30日 20時33分20秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
※ アクション・ステップ18 (4)
 
_ 「私は怒っていないし、 あなたも怒るべきではありません」
 
  BPの否認が 家族の要求より優先されるのは、 
 
  あなたを怒らせる可能性があります。
 
  この障害が 大切な人に起こったこと自体が、
 
  あなたを怒り狂わせるかもしれません。
 
  爆発の直撃を受けるのは 快いものではありません。
 
  自分や他人に、 ある感情を持つなと言っても、 その気持ちをは取り除けません。
 
  さらに害を与え、 激怒を呼ぶのが現実です。
 
  しかし 正しい怒りは、 山をも動かします。
 
  境界を設けたり、 障害について学び、 問題の提唱役になったり、
 
  サポートグループを立ち上げる 動機を与えてくれます。
 
_ 「BPが変化するまで、 私は犠牲者でいましょう」
 
  あなたは人生のギャンブルで 貧乏くじを引いてしまいました。
 
  一方で、 あなたは BPの苦しみを感じてはいません。
 
  BPが高機能なら、 ハッピーな仮面を被っているかもしれませんが、
 
  その下に笑顔はありません。
 
  知性では神話と理解しても、
 
  捨て去るのには 感情が追いつくのに時間がかかります。
 
  神話を放棄すれば、 自分を労ることができます。
 
  まずは自覚です。
 
  あなたは BPの悲劇を背負い込むこともできますし、
 
  自分の人生のために 必要なスキルを学ぶこともできます。
 
  後者を選ぶことを期待します。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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ボーダーラインとの関係の 神話を放棄する (3)

2015年05月29日 20時55分47秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
※ アクション・ステップ18 (3)
 
_ 「もう1回やってみましょう。 それからまた 同じことに挑戦しましょう」
 
  これも泥沼状態です。
 
  効果のないものは諦めましょう。
 
ex. 離れて暮らす ボーダーラインの母親を、 年に一度訪ねる 息子の話です。
 
  帰路の前日、 母親は息子を挑発して 大口論を始めようとします。
 
  息子は、 母親が見捨てられたと感じていると推測し、 口論に備えました。
 
  母親の攻撃に対して、 息子は口論の変わりに、
 
  訪問中に知った母親のことを 穏やかに暗誦しました。
 
  母親が 息子を自己中心的だと責めると、
 
  息子は冷静に、 多分当たっていると答えました。
 
  母親は  「二度と話したくない」 と 息子を勘当しました。
 
  息子は、 気持ちが変わるかもしれないので、
 
  電話してもいいし、 嫌ならしなくてもいいと答えました。
 
  3週間後、 母親は 口喧嘩などなかったように電話をし、
 
  数ヶ月後には その出来事すら否定しました。
 
  息子は3つのことを学びました。
 
  第一に、 やられっぱなしでいることはできない。
 
  第二に、 母親がぶら下げた餌を かじる必要はない。
 
  そして最も重要なのは、 自分が 「操作に耐える」 ように変われて、
 
  母親の愛と思いやりを ありがたく思えたことでした。
 
_ 「BPに 自分の行動の責任を 取らせることはできません」
 
  これは次の神話と 関係しています。
 
  「私は怒っていないし、 怒るべきではありません」
 
  そしてこう進んでいきます。
 
  「ボーダーラインは生物学的な障害なので、 誰もBPに腹を立てるべきではない」
 
  BPは ボーダーラインを選んだわけではありませんが、
 
  治療を受けるかどうかを 選択することはできます。
 
  その時点で、 あなたはBPの決定に どう反応するか決めねばならず、
 
  BPは 自分とあなたの決定の結果を 受け入れなければなりません。
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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