「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

岡本太郎「明日の神話」(2)

2006年08月03日 21時47分19秒 | Weblog
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/38385800.html からの続き)

 僕は昔から 岡本太郎の大ファンで、かつて 非常に傾倒していました。

 長らく絵画を観にいっていませんでしたが、

 「明日の神話」を観て、久々に絵に感動しました。

 涙が出そうになり、体がぶるぶる震えました。

 太郎の情念が 伝わってくるようでした。

 汐留の展示場では、間近で 絵を観られるようになっているのですが、

 僕は1時間半ほども 飽かずに観ていました。

 大規模な壁画なので、端から端まで観るだけでも大変です。

 最後の方まで観ると、最初の方とのつながりを見比べたくなって、

 何度も見直したり、目前で筆致に見入ったり、遠目で全体を見渡したり。

 体力的には疲れましたが、気持ちはずっと充足していました。
 

 「明日の神話」は 原爆をテーマに描いたもので、

 中央に 炸裂するような骸骨が 反り返っています。

 そこから 真っ赤な火炎が画面一杯に広がり、

 群衆が火の玉に巻かれ、動物たちが逃げまどいます。

 太郎の怨念に ぞっとするようです。

 しかし 絵から発せられているのは、それだけではない気がします。

 地獄絵図のような悲惨さだけでなく、

 暴力に対する怒り、人間の力強さ、再生の希望、生命力のようなものも感じます。

 それが 太郎のメッセージでしょうか。

 絵というのは 言葉や理屈では現わせないものを感じ取り、

 やはり本当に素晴らしいものです。

(壁画の中で 一箇所、太郎のダイナミックな筆の流れが

 何故かさえぎられているような所があり、とても不思議で 不可解な思いがしました。)

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/38485732.html
 
コメント
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