BPDがなぜ長引くのかは 明らかになっていませんが、 ひとつの要因として、
「混沌とした、 または有害な 人生の出来事」 が考えられます。
BPDの人は、 耐えきれないくらい沢山の 不愉快でストレスの多い出来事や、
困難な問題に直面しています。
マーシャ・リネハンはこの傾向を、 「止むことのない危険」 と呼んでいます。
次々と災難が起こり、 立ち直る暇もなく、 また次の惨事に出くわすのです。
恐らく 他人との衝突が、 最も一般的な ストレス要因だと思います。
拒否されたり、 失敗をしたり、 ひとりぼっちになってしまうことが、
精神的苦痛の引き金になる という研究結果もあります。
それらの出来事が 絶えず起こると、 イライラしたり 傷つきやすくなったりして、
人生に立ち向かう精神力が 欠けてしまいます。
その穴を埋めるために、
自傷, 薬物使用, 自殺企図という行為に 走ってしまうのです。
BPDが長引く もうひとつの要因は、
BPDの人の危険な行動も、 短期間なら 有効であるという事実です。
BPDの 「行動調節不全」 は、
暴飲, 危険なセックス, アルコール, 無謀な運転などがあります。
一時的にはこういう行動で、 感情を和らげることができるのです。
これを 「強化」 といい、
似たような状況で また同じことをするようになってしまいます。
何か不愉快なことを 取り去る行動によって、 「負の強化」 として効果が表れます。
または、 そういう行動をすることで 何らかの快感が得られ、
「正の強化」 としての 効果が見られます。
行動の 「強化」 は 悪循環を招きます。
でも幸い、 こういう行動を取らなくても、
別の手段を探して、 もっと調子がよくなり、 強化を止めることができるのです。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
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