「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害は治るのか

2011年09月24日 21時41分56秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 人間にとって最も恐ろしいのは、 予測不可能なことです。

 BPDが どのくらい続くのか分からない、 治るのかどうか分からない。

 障害がどうなっていくのかが分かると、

 恐怖感が軽減され、 事実を受け止めやすくなります。

 これからのことを計画したり、 うまく対処できるように 準備することもできます。

 BPDは治らないものだと 思われていました。

 「パーソナリティ障害」 と 呼ばれている所以で、

 パーソナリティが生涯変わらないとしたら、

 パーソナリティ障害も同じだと 考えられていたのです。

 しかし今では、 パーソナリティ障害は不治のものではないと 分かっています。

 また、 ある症状は長引いても、

 他の症状は 良くなったり悪くなったり、 消えてしまうことさえあります。

 変化する症状と 変化しない症状が分かっていれば、 回復への希望が持てるでしょう。

 BPDの入院患者が、 6年後には 障害の基準を満たさなくなる、

 つまり 「寛解状態」 になるという 多くの証拠があります。

(5つ以上満たしていた基準が 4つ以下になる)

 メアリー・ザナリニらの研究では、

 2年後には35%が、 4年後には49%が、 6年後には69%が、

 6年以上では74%の入院患者が 基準を満たさなくなったのです。

 さらに、 基準以下になった人の94%は、 再発することはありませんでした。

 治療法は様々で、 全員が6年間ずっと 治療を続けていたわけではありません。

 最新の特別な 治療を受けていなくても、 BPDが良くなっていったのです。

 別の調査では、 BPDの人の半分以上が 2年以内に基準を満たさなくなりました。

 25%以上の人が、 1年以上でほぼ症状がなくなった、

 つまり ほぼ完全に回復した という報告もあります。

 10%の人は6ヶ月以内に 基準を満たさなくなっています。

 ただし、 BPD以外の障害がある場合は 治りにくいのです。

 BPDは 他の様々な障害を 頻繁に併発しやすいのも事実です。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

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