人間にとって最も恐ろしいのは、 予測不可能なことです。
BPDが どのくらい続くのか分からない、 治るのかどうか分からない。
障害がどうなっていくのかが分かると、
恐怖感が軽減され、 事実を受け止めやすくなります。
これからのことを計画したり、 うまく対処できるように 準備することもできます。
BPDは治らないものだと 思われていました。
「パーソナリティ障害」 と 呼ばれている所以で、
パーソナリティが生涯変わらないとしたら、
パーソナリティ障害も同じだと 考えられていたのです。
しかし今では、 パーソナリティ障害は不治のものではないと 分かっています。
また、 ある症状は長引いても、
他の症状は 良くなったり悪くなったり、 消えてしまうことさえあります。
変化する症状と 変化しない症状が分かっていれば、 回復への希望が持てるでしょう。
BPDの入院患者が、 6年後には 障害の基準を満たさなくなる、
つまり 「寛解状態」 になるという 多くの証拠があります。
(5つ以上満たしていた基準が 4つ以下になる)
メアリー・ザナリニらの研究では、
2年後には35%が、 4年後には49%が、 6年後には69%が、
6年以上では74%の入院患者が 基準を満たさなくなったのです。
さらに、 基準以下になった人の94%は、 再発することはありませんでした。
治療法は様々で、 全員が6年間ずっと 治療を続けていたわけではありません。
最新の特別な 治療を受けていなくても、 BPDが良くなっていったのです。
別の調査では、 BPDの人の半分以上が 2年以内に基準を満たさなくなりました。
25%以上の人が、 1年以上でほぼ症状がなくなった、
つまり ほぼ完全に回復した という報告もあります。
10%の人は6ヶ月以内に 基準を満たさなくなっています。
ただし、 BPD以外の障害がある場合は 治りにくいのです。
BPDは 他の様々な障害を 頻繁に併発しやすいのも事実です。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます