「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

胃ろう/PEGの進歩

2011年02月19日 19時00分26秒 | 介護帳
 
 高齢や病気などによって、 口から食事を 食べられなくなってしまった場合、

 点滴で栄養を補給するか、 胃に直接 チューブで栄養剤を注入します。

 後者には、

 鼻から管を入れて 胃まで通す経鼻胃管チューブ (マーゲンチューブ) と、

 腹部に穴を開けて 胃に管を通す  「胃瘻 (いろう)」 があります。

 僕は約10~20年前、 ターミナルケアなどの勉強をしていました。

 その当時、 胃ろうというと 僕は、

 延命のための 最後の手段、 食事介助の手間を省くための 本人無視の手段という、

 ネガティブなイメージを持っていました。

 ところが、 この10年ほどの間に 技術は進歩し、

 今は ペグ (PEG〔*注〕) と言って、

 本人にとっても 非常に快適なものになってきたのです。

〔*注 : Percutaneous (経皮的)

      Endoscopic (内視鏡的)

      Gastrostomy (胃瘻造設術)  の 頭文字をとったもの。〕

 PEGを利用する人は、 02年に14万人、 09年には40万人と急増しています。

 5~10年 生存している人が、 60%以上だといいます。

 以前は 胃ろうの手術 (造設) は、 全身麻酔で開腹手術をしていました。

 しかし現在は 局部麻酔による内視鏡手術で、 5~15分で終わるといいます。

 本人の負担は 非常に軽くなり、 術後の管理も とても簡単で、

 ピアスの穴を開ける感覚だと 言う人もいます。

 経鼻胃管は、 常に鼻から 管を入れているため、 本人にとっては 大変不快で、

 管を取ってしまう人も多く、 1~2週間ごとのチューブの交換も 苦しいものです。

 それに対して PEGは、 そういう苦痛がありませんし、

 4ヶ月~半年に1度の 交換で済みます。

 清潔にしていれば 消毒やガーゼを 当てる必要もなく、

 PEGを着けたまま 入浴もできますし、 外見も 普通の人と変わりません。

 何より、 栄養が取れることによって 全身状態が改善し、 肌つやも良くなって、

 QOL (クオリティー・オブ・ライフ = 生活の質,生命の質) が高まるのです。

 PEGを着けたまま、 ゴルフができるようになった という人もいるそうです。

(次の記事に続く)

〔参考資料 : PEGドクターズネットワーク 他〕
 

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