「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

利用者さんの暴力は 攻撃? 

2010年06月13日 22時27分33秒 | 介護帳
 
 うちのデイサービスは 認知症対応型です。

 もちろん認知の程度は 人それぞれですが、

 なかなか言いたいことが分からない 利用者さんもいらっしゃいます。

 Aさんは 発語に障害があり、 要求をうまく言葉にできません。

 それを こちらが理解できないと、 イライラしてスタッフを叩いたり、

 猛烈な力で 爪を立てて 手を握りしめてきたりします。

 痛いので、 最初は こちらも力を入れて 踏ん張ったりしていました。

 でもAさんは、 家に帰りたいという  「帰宅願望」 に駆られた時

 このような行動をしたり、 「こわ」 という言葉を 発することがありました。

 「恐い」 というのは 不安の表現であり、

 デイサービスにいて 安心できないという気持ちでしょう。

 Aさんは、 苛立って攻撃的な感情で 暴力に訴えているのではなく、

 不安な気持ちから 相手にしがみつきたくなったり、

 何とかしてほしいと 訴えているのではないでしょうか? 

 不安で 相手が敵に見えてしまい、

 叩くという行動になってしまうこともある と知りました。

 Aさんの心配な気持ちを 第一に理解すれば、 こちらの心構えも 変わってきます。

 「不安なんですね」 と、 Aさんの不安を まず受け止めるだけで、

 こちらも 乱暴を恐がったり、 力で対応したりする 必要はなくなるでしょう。

 今は、 「大丈夫ですよ、 安心してください」 と 手や体をさすったり、

 一生懸命 いたわるようにしています。

 「Aさんの気持ちを理解できなくて、 すみません」 と 言うのもいいようです。

 帰宅の時間が 近づいているときは、

 「帰りたいですね、 準備して帰りましょうね」 などと、

 早めに準備をすることも 効果があります。

 でもまだまだ Aさんの気持ちを 良く理解したり、

 適切な対応をすることは 充分にできません。

 もっと経験も積み、 Aさんに寄り添っていきたいと 思っています。
 

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