■新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
年末年始にかけて、怒涛のように忙しく活動しながらも、楽しく過ごしておりました。
しかし、2週間前ほどから、
飼っている老衰で足腰の弱ったお婆ちゃんヤギの「なつ」の容体が悪くなり、
いつ最後の時を迎えるのか分からない状況になっていました。
そして昨日、1月2日の夜になつは静かに息を引き取りました。
ヤギの寿命は一般的に15年~18年と言われます。
なつは16歳まで生きてくれました。
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最初はすぐ記事にすることを迷いましたが、
今の気持ちを記録する意味で記事にしました。
生きものを飼うことの深みは、
飼ったことがある人みんなが知っていることですが、
飼ったことのない人は
なかなか知る事の出来ない世界だと思います。
小笠原は生き物を飼いにくい貴重な自然の島だからなおさらと思います。
島に関わってくれる獣医さんたちも減っていく島のペットの現状を憂いている方がいました。
ペットが人に与えてくれるギフトはあまりに大きいと思います。
今、ペットと人と野生動物が共存する地域づくりを今検討しています。
ぜひ、島の子ども達にとってもベストなルール決めが出来ればと思います。
今回はこなつみたく突然ではなく、
この2週間ゆっくりと老衰で弱っていきました、
こちらの気持ちの準備もできて、
最後にきちんとお別れできて本当に良かったです。
■去年の12月中旬から前足が膝立ちになり、
クリスマスを過ぎた頃には立てなくなりました。
心配にはなりましたが、食欲は健在だったのです。
それでも元旦までは首はしっかりと動き、モリモリ餌を食べていました。
しかし、1月2日の朝には首すら起こせなくなり、
大好きな桑の葉を少し食べるくらいの容体になり、
妻や次女の声掛けに反応しながらも、
どこか遠くの世界に行ってしまっている雰囲気になっていました。
それでも、少しその場を離れると、小さな声で鳴くのです。
最後は日没後に訪れました。
そのままの姿勢で、静かに亡くなっていきました。
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顔の周辺や体のあちこちに、長年生きてきた爪痕、
もうこの体は限界であることを示すサインは幾つもありました。
でも、寿命を迎えるということは、
とても厳かな状態になるのだなと感じました。
泣く次女にとっても、
カナダで泣いている長女にとっても、
妻にとっても、
僕にとってもとても大切な時間でした。
僕にとっては人生で一番一緒に過ごした動物だから、
島にいる限り、インフルでもぎっくり腰でも
毎日欠かさず世話した動物です。
なので、ほんと寂しいです。
■なつは我が家にとても縁のあるヤギでした。
最初の出逢いは2007年の春。
1年間のWWOOFによる日本の旅を終えて、
貨物船「共勝丸」で東京から父島へ向かう、その船の中で一緒のヤギが「なつ」でした。
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当時、私達は父島に住んでおり、
なつは母島の今の畑の大家さんが内地から取り寄せていたのです。
小さな木のかごの中でメェメェ鳴いていて、
船員さんと一緒にキャベツをあげたのを今でも覚えています。
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※2007年父島へ向かう共勝丸船上にて。若いですね~(笑)。抱っこしているのは当時3歳の長女です。
その後、2008年の暮れに母島に移住するのですが、
その時に畑を借りて、お世話することになったヤギがなつでした。
大家さんにあの共勝丸で一緒だったヤギだと聞いて、とてもビックリしたのを覚えています。
なつに生まれたから「なつ」と名付けたと聞いています。
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こなつを生んだ2009年から1年半ほどは美味しいヤギ乳が搾れました。
長女も良く絞ってくれました。
全国で色んなヤギ乳を飲みました。
手前味噌ですが、なつのお乳は日本一美味しいと今でも思っています。
■当時は他に「さくら」という角のあるヤギがいました。
2009年にはなつは2頭の子どもを産んでいます。
我が家は次女の出産のために信州・安曇野に半年間お邪魔している時のことです。
生まれた1頭のオスヤギは生後1か月で死んでしまいました。
もう1頭のメスヤギが「こなつ」です。
身体が弱く4歳で亡くなってしまいました。
娘たちにとっては一番遊んだヤギこなつだったと思います。
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今はもう1頭、「ゆり」というメスヤギがいます。
2006年生まれの14歳です。
母島には2010年にやって来ました。
なつにとってはいつも一緒のヤギ仲間です。
きっとゆりのおかげで寂しくない最期を迎える事が出来たと思います。
そして、動物と共に生きて、
最後の死というものを自分の娘たちにも学ばせてくれました。
なかなかペットの飼いにくい小笠原の生活において、
とても有難いことだと思うのです。
ほんとうにありがとう。
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■今日は家族みんなでなつのお墓を作りました。
こなつのお墓のすぐ隣です。
朝からみんなで穴を掘り、
沢山の敷き藁と大好きな桑の葉、ママキ(ウラジロエノキ)の葉、
次女は素敵な花飾りを添えてくれました。
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みんなで花葬をしている傍らで、もう1匹のヤギのゆりも見つめます。
なつが亡くなった日の夜はとても寂しい顔をしていて、
食欲も落ちて心配だったのですが、
次女の元気さに食欲を取り戻し、
すっかりお腹いっぱい食べていました♪
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長くなつの首にかかっていた首輪。
お墓になつを降ろして、それからはずし、
お墓の近くの木にかけてみました。
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花葬をしたあとは、みんなでお祈りをして、
沢山の敷き藁で包み、土をかぶせていきました。
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お昼の温かい日差しの中、
魂の抜けたなつの体は、静かに畑の近くに眠っています。
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■僕にとっても11年間の母島生活で共に過ごしたヤギです。
人生で一番長く付き合った動物になりました。
夫婦で仲が悪くなり、家を飛び出したときも、
いつも寄り添ってくれるヤギの存在はとても大事でした(笑)。
なつの名札だけが残るヤギ部屋。
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寂しい気持ちはありますが、
2週間かけて、ゆっくりと命の最後を看取らせてもらえて、
なんだか本当に「お疲れ様」といった気持ちが強いです。
まさに天寿を全うする、
天から授かった寿命を生き尽くして死ぬ。
十分に長生きして死ぬ事が出来たと思います。
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きっと今頃なつの魂は天国に行ってるのかな。
次生まれ変わるときは、どんないのちで生まれてくるのかな。
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なつをお墓に埋めた日の夕陽はいつも以上に深く美しい夕陽でした。
今年もどうぞよろしくお願いします。
年末年始にかけて、怒涛のように忙しく活動しながらも、楽しく過ごしておりました。
しかし、2週間前ほどから、
飼っている老衰で足腰の弱ったお婆ちゃんヤギの「なつ」の容体が悪くなり、
いつ最後の時を迎えるのか分からない状況になっていました。
そして昨日、1月2日の夜になつは静かに息を引き取りました。
ヤギの寿命は一般的に15年~18年と言われます。
なつは16歳まで生きてくれました。
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最初はすぐ記事にすることを迷いましたが、
今の気持ちを記録する意味で記事にしました。
生きものを飼うことの深みは、
飼ったことがある人みんなが知っていることですが、
飼ったことのない人は
なかなか知る事の出来ない世界だと思います。
小笠原は生き物を飼いにくい貴重な自然の島だからなおさらと思います。
島に関わってくれる獣医さんたちも減っていく島のペットの現状を憂いている方がいました。
ペットが人に与えてくれるギフトはあまりに大きいと思います。
今、ペットと人と野生動物が共存する地域づくりを今検討しています。
ぜひ、島の子ども達にとってもベストなルール決めが出来ればと思います。
今回はこなつみたく突然ではなく、
この2週間ゆっくりと老衰で弱っていきました、
こちらの気持ちの準備もできて、
最後にきちんとお別れできて本当に良かったです。
■去年の12月中旬から前足が膝立ちになり、
クリスマスを過ぎた頃には立てなくなりました。
心配にはなりましたが、食欲は健在だったのです。
それでも元旦までは首はしっかりと動き、モリモリ餌を食べていました。
しかし、1月2日の朝には首すら起こせなくなり、
大好きな桑の葉を少し食べるくらいの容体になり、
妻や次女の声掛けに反応しながらも、
どこか遠くの世界に行ってしまっている雰囲気になっていました。
それでも、少しその場を離れると、小さな声で鳴くのです。
最後は日没後に訪れました。
そのままの姿勢で、静かに亡くなっていきました。
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顔の周辺や体のあちこちに、長年生きてきた爪痕、
もうこの体は限界であることを示すサインは幾つもありました。
でも、寿命を迎えるということは、
とても厳かな状態になるのだなと感じました。
泣く次女にとっても、
カナダで泣いている長女にとっても、
妻にとっても、
僕にとってもとても大切な時間でした。
僕にとっては人生で一番一緒に過ごした動物だから、
島にいる限り、インフルでもぎっくり腰でも
毎日欠かさず世話した動物です。
なので、ほんと寂しいです。
■なつは我が家にとても縁のあるヤギでした。
最初の出逢いは2007年の春。
1年間のWWOOFによる日本の旅を終えて、
貨物船「共勝丸」で東京から父島へ向かう、その船の中で一緒のヤギが「なつ」でした。
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当時、私達は父島に住んでおり、
なつは母島の今の畑の大家さんが内地から取り寄せていたのです。
小さな木のかごの中でメェメェ鳴いていて、
船員さんと一緒にキャベツをあげたのを今でも覚えています。
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※2007年父島へ向かう共勝丸船上にて。若いですね~(笑)。抱っこしているのは当時3歳の長女です。
その後、2008年の暮れに母島に移住するのですが、
その時に畑を借りて、お世話することになったヤギがなつでした。
大家さんにあの共勝丸で一緒だったヤギだと聞いて、とてもビックリしたのを覚えています。
なつに生まれたから「なつ」と名付けたと聞いています。
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こなつを生んだ2009年から1年半ほどは美味しいヤギ乳が搾れました。
長女も良く絞ってくれました。
全国で色んなヤギ乳を飲みました。
手前味噌ですが、なつのお乳は日本一美味しいと今でも思っています。
■当時は他に「さくら」という角のあるヤギがいました。
2009年にはなつは2頭の子どもを産んでいます。
我が家は次女の出産のために信州・安曇野に半年間お邪魔している時のことです。
生まれた1頭のオスヤギは生後1か月で死んでしまいました。
もう1頭のメスヤギが「こなつ」です。
身体が弱く4歳で亡くなってしまいました。
娘たちにとっては一番遊んだヤギこなつだったと思います。
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今はもう1頭、「ゆり」というメスヤギがいます。
2006年生まれの14歳です。
母島には2010年にやって来ました。
なつにとってはいつも一緒のヤギ仲間です。
きっとゆりのおかげで寂しくない最期を迎える事が出来たと思います。
そして、動物と共に生きて、
最後の死というものを自分の娘たちにも学ばせてくれました。
なかなかペットの飼いにくい小笠原の生活において、
とても有難いことだと思うのです。
ほんとうにありがとう。
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■今日は家族みんなでなつのお墓を作りました。
こなつのお墓のすぐ隣です。
朝からみんなで穴を掘り、
沢山の敷き藁と大好きな桑の葉、ママキ(ウラジロエノキ)の葉、
次女は素敵な花飾りを添えてくれました。
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みんなで花葬をしている傍らで、もう1匹のヤギのゆりも見つめます。
なつが亡くなった日の夜はとても寂しい顔をしていて、
食欲も落ちて心配だったのですが、
次女の元気さに食欲を取り戻し、
すっかりお腹いっぱい食べていました♪
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長くなつの首にかかっていた首輪。
お墓になつを降ろして、それからはずし、
お墓の近くの木にかけてみました。
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花葬をしたあとは、みんなでお祈りをして、
沢山の敷き藁で包み、土をかぶせていきました。
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お昼の温かい日差しの中、
魂の抜けたなつの体は、静かに畑の近くに眠っています。
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■僕にとっても11年間の母島生活で共に過ごしたヤギです。
人生で一番長く付き合った動物になりました。
夫婦で仲が悪くなり、家を飛び出したときも、
いつも寄り添ってくれるヤギの存在はとても大事でした(笑)。
なつの名札だけが残るヤギ部屋。
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寂しい気持ちはありますが、
2週間かけて、ゆっくりと命の最後を看取らせてもらえて、
なんだか本当に「お疲れ様」といった気持ちが強いです。
まさに天寿を全うする、
天から授かった寿命を生き尽くして死ぬ。
十分に長生きして死ぬ事が出来たと思います。
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きっと今頃なつの魂は天国に行ってるのかな。
次生まれ変わるときは、どんないのちで生まれてくるのかな。
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なつをお墓に埋めた日の夕陽はいつも以上に深く美しい夕陽でした。