もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

会期末恒例行事と野党共同提出法案

2019年06月17日 | 野党

 国会の会期が2週間を切ったが、政局は参院選の野党共闘や候補者調整に明け暮れている。

 例年であれば、会期終期には重要法を通したい政府・与党と審議未了・廃案に持ち込みたい野党との攻防で盛り上がるのだが、外国人労働者の受け入れや働き方改革関連法が成立した今国会は、既に休業状態となっている。重要法案の審議引き延ばし作戦としての会期末恒例内閣不信任案についても、不信任案→衆院解散・衆参同日選挙を官房長官からちらつかされて、今回は見送りになる公算が大きい。それでも立民の枝野代表は、参院に内閣問責決議案と麻生財務大臣不信任決議案を上程することを表明したが、不況のために打ち上げ個数を減らす花火大会に似て、寒々とした気分に襲われ、いっそのこと花火大会を中止した方が良いと思う気持ちに似ている。そんな中、13日午前になって立民を中心として分散型エネルギー社会推進4法案(「分散型エネルギー利用促進法案」、「熱エネルギー利用促進法案」、「公共施設省エネ再エネ義務化法案」、「エネルギー協同組合法案」)が共同提出された。提案の趣旨を要約すると、原発”0”のために、①地域の発電を協同組合に担任させて、電力の地産・地消を図る。②公共施設の断熱効果を高めて省エネを図る、ことが骨子と理解した。HPの趣意書には、ドイツやヨーロッパの成功例に倣ってとしているが、ドイツの例を見ると発電設備や送電網の整備や保守・更新から、住民は電力料金の高負担に耐えていることが窺えるし、協同組合への公的補助も多いようである。加えて、提案された法案には、日本の喫緊課題である少子高齢化や都市への人口集中による地方自治体の過疎化や限界集落救済等の対策が盛り込まれているのか不明で、都市部住民の負担軽減を狙った法案ではなかろうかと思う。会期2週間を切って、本格的な法案審議入りさえ望めない時期に法案を提出したことは、立民の支持が多い都市部住民に対する選挙目当ての行動かとも思うものである。公共施設の断熱効果を高めてエネルギー効率を高めるとの主張は正論ではあるが、小中学校の耐震化工事さえ完了していない現状を考えれば、いかがな論であろうか。民主党政権では”コンクリートから人へ”を施政の根本としていたが、公共施設の断熱性向上には如何ほどのコンクリート予算が必要になるのだろうかと悩むものである。

 安倍政権打倒のためだけに、中道右派から極左まで協調して選挙協力を行おうとするのは、どうみても不自然である。候補者は、当選後の行動を明らかにして有権者の審判を仰ぐべきであり、当選後にどのような政治主張をするのかを隠して選挙に臨むのはアンフェアーであると思う。例えれば、アメリカの大統領選挙で共和党の代議員が本選挙で民主党候補に投票するようもので、諸外国ではまず通用しない手法であると思う。有権者は最も自分の主張に近い候補者を議会に送り出して、その主張に従って行動することを望んでいる。故に、我々は国会議員を代議士と呼ぶのである。