吹田市の警官襲撃・拳銃強奪犯人の実像が明らかとなりつつある。
自分から見れば、犯人は世間並以上に恵まれた環境に育ち、高等教育も受けているので、なぜ彼がドロップアウトしたのか理解に苦しむものである。一部、暴力的な性向が伝えられているが、まァ若年者特有のツッパリ的行動の範囲内であるように思え、幻覚症状を周囲に漏らしていたことから、ある種の精神疾患に起因するものであったのかもしれない。先の川崎市の小学生襲撃事件でダウンタウンの松本人志氏が番組で、「精巧なシステムのプラントからでも、何万個かに1個は不良品が出るので、犯人のような存在と犯行はあり得る」と発言されたらしい。この発言に対しては、犯人(人間)を『不良品扱いする』との批判が、炎上と呼ぶほどではない程度には寄せられたらしいが、発言は真理を述べているものと思う。ヒトゲノムの解読がほぼ完了しいることから、暴力的性向や集団行動ができない性向の因子は解明されているのであろうが、現在は彼等も社会の中で生活しており、自分も彼等と同様なDNA構造であるかもしれない。SFの世界では、危険なDNAを持つ人間を監視したり排除するストーリーがあるが現実的には不可能で、そう考えれば、松本人志氏の発言のように、世の中には”不良品”が存在するとの諦観をもって生きていくしか方法はないのではないだろうか。前述のヒトゲノムの解読に加え、出生前診断を容認する気運が高まっていることから、将来、彼等と似たDNAを持つ胎児は忌避或いは排除の憂き目に合うことすら予想されるが、かって我々は優生保護法という制度で先天性疾患者に断種や避妊処置を強制したという過ちを犯した。出生前診断が新たな優生保護に結び付いてはならず、世間もそうなることは望まないだろうと思うので、松本人志氏の理論を受け入れざるを得ないのではないだろうか。
最後に、犯人は元海上自衛官という肩書で報じられている。これまで「元自衛官」の呼称について複数回述べたが、犯人の海自在職期間はわずか半年であり、在職期間内に受けた教育が彼の行動と倫理観に決定的な影響を与えたとは考えられない。もしそうであるならば、6・3・3・4と受けた全ての教育を半年で覆し得る手法を自衛隊が持っていることになる。昨日のブログで書いたフランスの徴兵制復活には、社会生活不適合者の発見・教化の企ても隠されているのかも・・・。