もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

コンポスト埋葬を知る

2020年12月18日 | 社会・政治問題

 コンポスト埋葬なる言葉を知った。

 コンポスト埋葬とは遺体を火葬や土葬に依らず、堆肥(堆肥)として再生?させるもので、既に2019年にはアメリカのワシントン州法で認可されるとともに同州内には民間のコンポスト葬の企業施設が営業されているらしい。
 人間コンポストは、火葬のように大量の二酸化炭素を放出せず、土葬による土壌への有害物質の溶け出しなども防ぐことができるなど、時代に合わせたエコ&フレンドリーな埋葬法であるとされており、義肢、ペースメーカー、インプラントなどの人体以外の物質は堆肥になった時点でふるい分けられ、可能なものは再利用に回され、最終的に遺体は750㍑ほどの堆肥になるとされていた(アト販売?)。
 日本でもエコや生ごみ焼却に伴う二酸化炭素排出抑制を心掛ける人は生ごみを堆肥に変える努力をされ、各自治体も助成金を出して奨励することは知っていたが、外国では遺体にまで及んでいることに驚いた。特に、一部の教派が火葬すら忌避するキリスト教社会のアメリカが先鞭をつけたことを考えると、将来的には死に際して、堆肥となるかサプリメント(脚注)になるか遺言するようになるのかも知れない。
 輪廻転生や霊魂を信じない自分にとって死は無になることで、遺体がどのように処分されても一向に気にならないが、風習や宗教観を考えればコンポスト埋葬が世界基準になるのは、まだまだ遠いとも思える。
 遺体が堆肥になるためにどのくらいの期間が必要なのだろうかと調べて見たが、良く分らなかった。さらには生ごみが堆肥になるまでの凡その期間もネット上には見当たらないので、生ごみの状態や自然環境や撹拌等の諸要因によって大きく違うのだろうと思われる。また、コンポスト用品として腐敗促進材や促進菌、消臭剤も販売されているので、エコ活動にも結構な時間と手間と経費がかかるように思われる。

 北方水滸伝では、李逵と武松が敵の死体を切り刻んで肥溜めに放り込んで肥料にする場面があるが、フィクションで無くなる日も来るのだろうと思うものの、未だ帰還できない大東亜戦争の兵士、北朝鮮に拉致された人々、アウシュビッツで・カチンの森で・ポルポト虐殺で、集団投棄された遺体の例を考えれば、少なくとも由来と行く末が明らかなコンポスト埋葬は「有り」かも知れない。

 (注)映画「ソイレントグリーン」では、政府が食糧危機解決のために遺体を代用食に加工して配給する。