英国でコロナウィルスの変異が確認されたことと英国内の感染拡大によって、英国の物流が停滞していることが報じられた。
物流の停滞は、変異ウィルスの感染力がこれまでの1.5倍とも云われたことで、拡散を恐れたフランスがドーバー海峡の海底トンネルを一時封鎖したことで発生した。昨日になって、フランスが72時間前のPCR検査陰性のドライバーに限って封鎖を解除したために、トラック等の滞留は解消されつつあると報じられているが、英国のEU離脱における不安をも掻き立てる事態となった。
現代社会はグローバル経済という危険な枠組みで、各国の弱点を相互に補い合う関係で保たれていた。この枠組にある国同士の関係は、共生、共存共栄、Win-Winとも表現されているが、今回のコロナ禍での中国デカップリングが世界経済を混乱させたことや英EU間の物流が停滞したことで英国の生鮮食品の供給が危ぶまれたこと等から、グローバル経済は共生ではなく「相互寄生」であることが明らかとなったように思える。
生物界での寄生では、概ね寄生生物が宿主を食い尽くすまで止むことは無いが、グローバル経済のように、それぞれが寄生生物であると同時に宿主である場合の終着点は共倒れであるように感じられる。この危険性を早くから予見していたのは中国であろうと思われる。そのために中国は何をしたかと云えば、来るべき時に備えて、産業スパイで先端技術を窃取して自立を図るとともに、利益や労働力のために先進国が手を引いたローテク製品供給を一手に引き受けていたものと思われる。この代表例が、電磁カタパルト装備の空母建造であり、月の土を持ち帰ったことであり、特に、製品組み立てに絶対必要はネジ類の7割以上を中国からの輸入に頼っていた日本の軽工業が、中国からの輸入が途絶した途端に需要に応じられなくなったことでも明らかであるように思う。さらに、物流拠点整備という美辞麗句で指導者を懐柔し、中国資金と中国人労働者で整備した途上国の港湾施設や国際空港が、ことごとく中国の租借地に姿を変えたのも、共生ではなく中国が寄生生物として宿主を食い尽くすことを企図した上でのことと思われる。
現在オーストラリアは、中國に汚染された前政権の中国寄り政策を清算しようと必死の努力を重ねており、高名な華僑の追放、ロビー活動の監視、中国企業の活動制限等を行っているが、中国からの農産品に対する高関税賦課等の対抗措置(反撃)を受けて、中国擁護の前政権幹部が中国帰依に戻ろうと暗躍しているようである。かねてから、豪州知識人から、「今の豪州は明日の日本」と警鐘を鳴らされていたが、ようやく日本は外国人の土地所有に関する調査に重過ぎる腰を上げた段階であるのは、いかにも先行きに不安を感じるところである。