産経・FNN合同の世論調査で憲法に緊急条項を設けることに72%が賛成したと報じられた。
賛成者の詳細では、支持政党別では自民:84%、維新:85%、立民:60%、無党派:63%、年代別で最も高かったのは30代の82%、最も少なかったのは70代以上の68%と分析されている。
このことは、もはや「公のために私欲を抑える」という「傘かしげ」の美風に期待するだけでは、国が立ち行かないのではと考える人が過半数を占めて来たことを示しているように思う。
この数字を自分流に解釈すると、70代以上に現状維持の姿勢が強いことは、既に改憲というハードルを乗り越える気力を失うとともに、現行憲法でも「何とか遣れてきた」経験を若年者に強制することが正しいという押し付けがありはしないだろうか。加えて「アト10年程度の存命中は大丈夫だろう」という消極もあるように思える。
反対に、30代にはこれからの長い人生を考えれば何とかしなければという焦燥感もあるだろうし、親世代の退嬰的な軛からン逃れようとする意識もあると思っている。
立民の泉代表は街頭演説で「皆さんを「外出禁止令」の下に置くような日本にしてはならない」と述べ、立民支持者ですら60%を示す多数意見を民意と捉えない姿勢を固持し続けるようである。
立民はかねがね、民意を恣意的に解釈・取捨していると思っている。世論調査で自党に反する意見が大勢を占めた場合は「たかだか1000人のサンプリングでは民意と云えない」を常とするが、自党の主張に賛成者が多い場合には民意が示されたとすることも常としている。総選挙の惨敗を受けても、敗因は「主張を浸透できなかった組織力の不足」と総括するのを例とし、根本的な主張が時代の進化に適応しているか否かを議論した形跡はない。
東進塾講師出身の林先生は「今でしょ」のフレーズで一躍時代の寵児となったが、立民の辞書で「今でしょ」は「火事場泥棒の類義語」と記されているのではないかと思う。
集団安全保障体制を持ち得なかったウクライナはロシアの侵攻を受けたものの、クリミヤ併合を機に進めた国防の強靭化によって、粘り強く抵抗し得ている。
フランス大統領選では、移民排斥を是としてEU・NATOからの脱退も視野に入れるルペン候補がマクロン氏を猛追・肉薄している。
このように、多くの国の指導者は「今」への対応に腐心し、国民も「今」への対応を求めている。
立憲民主党が「今でしょ」に目覚めない限り、政権交代など夢のまた夢で、現状維持を墨守する頑迷な高齢者の死を考えれば、年を追うごとに支持率が低下して「第二の社民党」になるのは避けられないとするのは、老右翼の戯言であろうか。