もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

台湾の巡航ミサイル近代化計画に思う

2022年04月23日 | 軍事

 台湾が現在配備している巡航ミサイル「雄風2E]の射程600㎞を1200㎞まで延伸することが報じられた。

 射程600㎞は、自領の金門島に対する通常火砲攻撃に対処するために火砲部隊(前進基地)への攻撃・反撃を念頭に置いていたものと推測するが、上海までも射程内に収める新型ミサイルでは、後方の指揮管制機能(司令部)や火砲部隊への補給基地を含む「策源地」まで攻撃できることを中国に伝えるものの、射程を北京までは届かない1200㎞に留めるところに台湾の真意を込めているのだろうとも思っている。
 新型ミサイル開発計画の情報は、台湾当局高官が新聞取材に回答し、立法院国防委員会所属の与党議員がフェイスブックで明らかにしたものとされるが、国防部はこれらの情報を公開していないことから、台湾の意図的・政治的なリークである可能性が高いものの、性能・要目・配備数に関する情報を公開することは、利敵行為であると云う軍事常識が共有されているものと思う。
 自民党の安全保障調査会が、国家安保戦略(NSS)等戦略3文書に対する提言として「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と変更するとともに、攻撃対象についても(後方)司令部を含む「指揮統制機能等を含む」に変更することを求める内容を纏めたことも報じられた。残念ながらこちらの方は、これからの国会論戦の過程で順次明らかにされるとともに、反撃の詳細まで語り尽くされることになるのだろう。
 過去には、戦闘機の増槽を撤去したり空中給油機能を取り外して航続距離を短縮した例があり、装備の全能発揮ができないようにすることが専守防衛にかなうという神話があった。また、国民の知る権利という名分から、配備の詳細・全容まで公表することが当然とされてきたので、敵国はスパイ活動などしなくても、国会中継を見るだけで自衛隊戦力の全貌と限界を知ることができ、作戦計画を作成することができただろうと思っている。

 ウクライナの悲惨な戦闘の状態を見ると、敵基地攻撃(反撃)能力を持たない軍では国土の防衛に限界があることを示しているように思える。
 古来「攻撃は最大の防御」とされているように、専守防衛ではあっても武力侵攻の意図を挫くためには効果的な反撃能力を保有することは必要であり、反撃能力の全てを公開することは敵を利するだけであるように思う。国民が「知らないと」+「ブレーキを踏まないと」=「軍(自衛隊)が暴走する」という数式は、60年以上もポリティカル・コントロールが機能し、定着した今では「お蔵入り」させるべきものと思っている。
 自公政権であれ、立民政権であれ、政府と軍(自衛隊)を信頼し、軍機(軍事機密)維持を有り得べきものと尊重しない限り、効果的な防衛は成り立たないように思う。


タケノコ 考

2022年04月21日 | 歴史

 新筍が出回って、エンゲル係数の高い我が家でも食べられる季節になった。

 現在スーパーで売られている筍は、癖のない「孟宗竹(モウソウチク)であると思うが、子供の頃に食べた「ちょっと苦みのある筍」の味を懐かしく思い出したものの、在所での呼び名は覚えているが果たして全国的に通用するのかと思い、竹(筍)について調べてみた。
 以下は、竹専門店の「竹虎」さんのHPからの抜き書きであるが、
・孟宗竹(モウソウチク):中国原産で、雪の寒い日に年老いた母親のために筍を掘りにいった孟宗という人物にちなんで付けられた竹で、江戸時代に日本に輸入され京都または鹿児島に植えられたものが全国に広まった。高さは10~20m、直径は8~20cm。
・ 真竹・苦竹(マダケ):竹製品、竹細工などの竹材料として最適で一番使用されている。筍には少し苦みがある事から苦竹(まだけ)と書く事もある。高さは10~20m、直径5~15cm。
・ 淡竹(ハチク):大きさは真竹とほぼ同じで稈全体が粉をふいているように白味を帯びて見える事から、ハチクの名前は白竹からではないかとも言われる。高さ10~15m、直径は3~10cm
・ 布袋竹(ホテイチク):真竹の変種で節間が布袋様のお腹を連祖させる事から布袋竹と呼ばれているが、呉竹(クレタケ)、五三竹(ゴサンチク)とも呼ばれる。
  しなりがあり、折れにくいという特徴があるので釣竿等に多用される。高さは3~5m、直径3~4cm
・ 黒竹(クロタケ):竹林に生えている時から渋い黒色をしているところから黒竹と呼ばれ、植え込み等で目にする。高さは3~5m、直径2~3cm。
とされていた。

 子供の頃に食べた懐かしの筍の呼び名は、ハチクとゴサンチクであったが、ハチクは「真竹」と「淡竹」を同一視したもので、ゴサンチクは「布袋竹」であることが分かった。竹虎さんの説明にはなかったが、筍の苦みの低い方から順位を付けると、孟宗竹<真竹・淡竹<布袋竹で、自分としては布袋竹の苦みがが一番好きであった。
 布袋竹は集落に1個所にしか生えてなく、大人の世界では持ち主に対する遠慮があったのだろうが、子供が採ることにはお咎めもなかった。また、根本の節くれによるゴツゴツ感は釣り竿としては最高であったが、稈(幹?)の節々も折れ曲がっているのが難点で、焚火で油を抜く傍ら真直ぐに伸ばすのに四苦八苦した。今では子供が焚火を作ることなど思いも寄らないであろうが、おおらかな世相であった。油抜きと矯正は失敗することが多く、無断で頂戴した10数本のゴサンチクで成功するのは1・2本であったように思っているが、1年でダメにするので竿作りは夏休みの恒例行事であった。

 故郷を離れて数十年。ゴサンチクの苦みも朧気となったが、布袋竹の筍は通販などで手に入るのだろうか。


緊急条項賛成72%。今でしょ!!

2022年04月19日 | 憲法

 産経・FNN合同の世論調査で憲法に緊急条項を設けることに72%が賛成したと報じられた。

 賛成者の詳細では、支持政党別では自民:84%、維新:85%、立民:60%、無党派:63%、年代別で最も高かったのは30代の82%、最も少なかったのは70代以上の68%と分析されている。
 このことは、もはや「公のために私欲を抑える」という「傘かしげ」の美風に期待するだけでは、国が立ち行かないのではと考える人が過半数を占めて来たことを示しているように思う。
 この数字を自分流に解釈すると、70代以上に現状維持の姿勢が強いことは、既に改憲というハードルを乗り越える気力を失うとともに、現行憲法でも「何とか遣れてきた」経験を若年者に強制することが正しいという押し付けがありはしないだろうか。加えて「アト10年程度の存命中は大丈夫だろう」という消極もあるように思える。
 反対に、30代にはこれからの長い人生を考えれば何とかしなければという焦燥感もあるだろうし、親世代の退嬰的な軛からン逃れようとする意識もあると思っている。
 立民の泉代表は街頭演説で「皆さんを「外出禁止令」の下に置くような日本にしてはならない」と述べ、立民支持者ですら60%を示す多数意見を民意と捉えない姿勢を固持し続けるようである。
 立民はかねがね、民意を恣意的に解釈・取捨していると思っている。世論調査で自党に反する意見が大勢を占めた場合は「たかだか1000人のサンプリングでは民意と云えない」を常とするが、自党の主張に賛成者が多い場合には民意が示されたとすることも常としている。総選挙の惨敗を受けても、敗因は「主張を浸透できなかった組織力の不足」と総括するのを例とし、根本的な主張が時代の進化に適応しているか否かを議論した形跡はない。

 東進塾講師出身の林先生は「今でしょ」のフレーズで一躍時代の寵児となったが、立民の辞書で「今でしょ」は「火事場泥棒の類義語」と記されているのではないかと思う。
 集団安全保障体制を持ち得なかったウクライナはロシアの侵攻を受けたものの、クリミヤ併合を機に進めた国防の強靭化によって、粘り強く抵抗し得ている。
 フランス大統領選では、移民排斥を是としてEU・NATOからの脱退も視野に入れるルペン候補がマクロン氏を猛追・肉薄している。
 このように、多くの国の指導者は「今」への対応に腐心し、国民も「今」への対応を求めている。
 立憲民主党が「今でしょ」に目覚めない限り、政権交代など夢のまた夢で、現状維持を墨守する頑迷な高齢者の死を考えれば、年を追うごとに支持率が低下して「第二の社民党」になるのは避けられないとするのは、老右翼の戯言であろうか。


解り難いこと

2022年04月18日 | 社会・政治問題

 素人観には不可解なことが多過ぎる。

 朝日新聞編集委員の峯村健司氏が、「週刊ダイヤモンド」に対して安倍元総理のインタビュー記事のゲラ刷りを求めた。
 経緯を振り返ると、峯村氏は、週刊ダイヤモンドが行なった安倍氏のインタビュー記事の掲載前に、同誌の副編集長に電話で「元総理が記事の中身を心配されている。私が顧問としてファクトチェックを任されているのでゲラ刷りを見せて欲しい。ゴーサインは私が決める」と要求したとされている。
 峰村氏は多くの受賞歴を持つ朝日のエース記者とされ、本人の弁によると「安倍元総理にも外交・安全保障について定期的にレクチャーしており、安倍氏から”明日から海外出張するので核兵器共用に関する部分のファクトチェックをして貰えると有難い”と言われ取材記者の名刺を貰った」と述べている。
 ダイヤモンド編集部は要求を拒否するとともに朝日新聞に「編集権の侵害」と抗議し、朝日新聞も調査したうえで「政治家と一体化して他メディアの編集活動に介入したと受け取られ、記者の独立性や中立性に疑問を持たれる行動だった」とダイヤモンド側に謝罪、峯村記者の行為が「報道倫理に反する」と編集委員の解任と停職1か月の処分を下した。
 一方の安倍事務所は、「朝日新聞社と峯村氏の間のことで、事務所としてコメントは控える」とするに留まっている。
 報道前の他社原稿を要求したことは新聞人としてあるまじき行為と思うが、安倍氏と朝日新聞が犬猿の仲とは云わないまでも相互不信の関係にあると思っていた自分としては、安倍氏が本当に峯村氏にファクトチェックを依頼したのかと疑問を持っている。
 一般的には、対談やVIPの独占インタビュー等は出版前に当事者の了解を得るとされているので、安倍氏と週刊ダイヤモンド間にも校正の手順は話され、安倍氏が峯村氏に校正を一任するならば当然に双方が了解していたように思うので、どうも峯村氏の主張は分が悪いように思える。
 かって、黒川弘務元東京高検検事長の賭け麻雀問題では、卓を囲んでいたのが産経と朝日の記者であったと聞いて「産経は分かるが、朝日も?」と感じたことを思い出した。自分は「左の朝日」と思い込んでいるが、「左朝日の中核であろう編集委員が「安倍氏の顧問」を名乗れるほどの存在」と思うと、なにやら伏魔殿の一角を覗き見た思いがする。

 パキスタンがアフガニスタンを空爆したことも自分の目から解りにくい。
 アフガンのタリバン政権樹立はパキスタン国内アルカイダの直接支援とパキスタン政府の陰陽支援の結果であると思っているが、現在、パキスタンは国内でパキスタン・タリバン(TTP)という反政府武装勢力の跳梁と討伐に手を焼いている。TTPはアフガンのタリバンとは別組織とされているがアフガンからの支援を受けているのは確実らしく、そのためにパキスタンは現在でも「アフガニスタン・イスラム首長国」を承認しない以上に今回の空爆に踏み切った。パキスタンにとって、まさに「一寸先は闇」、「飼い犬に手を噛まれた」状況であろうかと思っている。


締め切り迫る

2022年04月17日 | 美術

 当市の公民館施設を利用している油絵グループの合同展の締め切りが迫った。

 これまで5団体合同で行ってきたが、コロナ禍で1団体が消滅したために4団体での開催となった。
 一人2点のノルマであるが、コロナで怠け癖のついた身には、やっとの感が深い。
 今回は何とか間に合ったが、改めて眺めてみるとまだまだ手を入れなければならない箇所に気付かされる。
 しかしながら、不出来の個所は「カメラが真実を映していない所為」との寛容な視線での御高覧を。

 
Y氏(F10)                            戦士(F10)