◆ボランティア9人が手助け
中津、宇佐両市の視覚障害者12人と地元を中心としたボランティア9人が今夏、3泊4日の東北6県観光旅行に出かけた。ボランティアは移動の手助けや名所の説明を細やかにし、視覚障害者は観光の楽しみを十分味わったという。2003年以来今回で4回目の「共同旅行」。視覚障害者の旅の機会が限られる中、ボランティアが帯同する宿泊つき旅行は珍しいという。
旅行は中津市視覚障害者協会の会員らとボランティアが、そのたびに希望者を募る形で実施している。事務局長の辛島寛さん(76)によると、視覚障害者にとって「旅行は夢だった」。03年の同協会総会で、「富士登山をしたい」という希望者が7人出たため、地元山岳会の会員やボーイスカウトのリーダー、ボランティア団体のアイメイト中津きさらぎ会に提案。11人のボランティアが集まり、2泊3日の富士山ツアーが実現した。
富士山頂に立ったことやコースを無事に歩き通した感激は大きく、共同旅行は続いた。06年は視覚障害者5人とボランティア10人が2泊3日の尾瀬ツアー、翌07年は視覚障害者12人とボランティア14人が3泊4日の台湾ツアーを行った。費用は全員自己負担だ。
今回は7月11日に出発し、日本三景といわれる松島、世界遺産の白神山地や同暫定リスト掲載の中尊寺、十和田湖などをめぐり、計1700キロの行程を無事にこなした。視覚障害者は名所などに立つと、耳と肌で感じ、ボランティアの説明で理解を深めるという。旅の後、中津市で開いた反省会で、辛島事務局長は「疲れも忘れるほど存分に楽しめた。ボランティアの方の理解が深いのでできること。共に楽しむ精神です」と語った。4回とも参加したボランティアの大北信子さん(66)は「視覚障害者の方は見えないのに見えていると思える勘の良さがある。見えないことを乗り越えた明るさもある。旅行ではいろんなことを学べて楽しい」と話した。
反省会で、辛島事務局長はこの会を「中津市夢追い会」(豊武憲十郎会長)と名付けることを提案、了承された。今後も活動を広げるという。
朝日新聞
中津、宇佐両市の視覚障害者12人と地元を中心としたボランティア9人が今夏、3泊4日の東北6県観光旅行に出かけた。ボランティアは移動の手助けや名所の説明を細やかにし、視覚障害者は観光の楽しみを十分味わったという。2003年以来今回で4回目の「共同旅行」。視覚障害者の旅の機会が限られる中、ボランティアが帯同する宿泊つき旅行は珍しいという。
旅行は中津市視覚障害者協会の会員らとボランティアが、そのたびに希望者を募る形で実施している。事務局長の辛島寛さん(76)によると、視覚障害者にとって「旅行は夢だった」。03年の同協会総会で、「富士登山をしたい」という希望者が7人出たため、地元山岳会の会員やボーイスカウトのリーダー、ボランティア団体のアイメイト中津きさらぎ会に提案。11人のボランティアが集まり、2泊3日の富士山ツアーが実現した。
富士山頂に立ったことやコースを無事に歩き通した感激は大きく、共同旅行は続いた。06年は視覚障害者5人とボランティア10人が2泊3日の尾瀬ツアー、翌07年は視覚障害者12人とボランティア14人が3泊4日の台湾ツアーを行った。費用は全員自己負担だ。
今回は7月11日に出発し、日本三景といわれる松島、世界遺産の白神山地や同暫定リスト掲載の中尊寺、十和田湖などをめぐり、計1700キロの行程を無事にこなした。視覚障害者は名所などに立つと、耳と肌で感じ、ボランティアの説明で理解を深めるという。旅の後、中津市で開いた反省会で、辛島事務局長は「疲れも忘れるほど存分に楽しめた。ボランティアの方の理解が深いのでできること。共に楽しむ精神です」と語った。4回とも参加したボランティアの大北信子さん(66)は「視覚障害者の方は見えないのに見えていると思える勘の良さがある。見えないことを乗り越えた明るさもある。旅行ではいろんなことを学べて楽しい」と話した。
反省会で、辛島事務局長はこの会を「中津市夢追い会」(豊武憲十郎会長)と名付けることを提案、了承された。今後も活動を広げるという。
朝日新聞