走行音の静かな電気自動車やハイブリッド(HV)車の接近を歩行者に音で知らせる装置を、明石市の研究所が製品化した。中学生が考案した原理を元にし、電気を使わずに音が出て簡単に後付けできる。1日には、視覚障害の人たちに効果を確認してもらう実演が同市内であり、参加者からは「もっと高い音にしてほしい」などの改善提案が寄せられた。
企画したのは「パスカル研究所」(岡本好晃(よし・てる)代表)。ジュラルミンと硬化プラスチック製の厚さ1センチ弱のケースにコインのような金属を入れ、ホイールの中心に装着する。低速では金属が「カタン、カタン」と音を鳴らし、時速20キロ超では遠心力で外側に張り付いて音がしなくなるという仕組みだ。商品名はカタカタ音を意味する「CLATTER(クラッター)i100」。
原理は昨年、中学3年生だった同市の藤原丸(まる)君(15)が思いついた。福崎町の自動車関連商品メーカーが製造を請け負い、防水ゴムを内蔵させるなどの改良をした。発売元や時期は決まっていないが、前輪用二つで千円程度を想定している。岡本さんと連名で特許も出願している。
岡本さんはNPO法人「兵庫県発明振興会」の理事長でもある。母親が振興会の会員という藤原君は「商品化されるとは思っていなかったのでびっくり」と喜ぶ。
明石市立産業交流センターでは1日、市産業振興財団主催の発明品展示会があり、発音装置をトヨタの「プリウス」に付けて試した。市視覚障害者福祉協会の約10人が参加し、目の前を通過した車からカタカタと音がすれば手を挙げてもらった。
全盲でマッサージ業の浅生(あさ・お)晴彦さん(58)は「自転車と間違う可能性がある。危険を感じさせるようなインパクトある音にしてほしい」と注文。弱視のためHV車の接近に気づかず冷やっとした経験があるという主婦の中島和さん(75)は「もう少し高い音にし、この音に慣れる機会も作ってほしい」と話した。こうした意見を踏まえ、今後改良も検討するという。
音の静かな車の接近を知らせる装置については、国土交通省が視覚障害者団体などの指摘を受け、「発進から時速20キロまでの間に自動で発音する」などの要件を定めたガイドラインを1月に公表している。
朝日新聞
企画したのは「パスカル研究所」(岡本好晃(よし・てる)代表)。ジュラルミンと硬化プラスチック製の厚さ1センチ弱のケースにコインのような金属を入れ、ホイールの中心に装着する。低速では金属が「カタン、カタン」と音を鳴らし、時速20キロ超では遠心力で外側に張り付いて音がしなくなるという仕組みだ。商品名はカタカタ音を意味する「CLATTER(クラッター)i100」。
原理は昨年、中学3年生だった同市の藤原丸(まる)君(15)が思いついた。福崎町の自動車関連商品メーカーが製造を請け負い、防水ゴムを内蔵させるなどの改良をした。発売元や時期は決まっていないが、前輪用二つで千円程度を想定している。岡本さんと連名で特許も出願している。
岡本さんはNPO法人「兵庫県発明振興会」の理事長でもある。母親が振興会の会員という藤原君は「商品化されるとは思っていなかったのでびっくり」と喜ぶ。
明石市立産業交流センターでは1日、市産業振興財団主催の発明品展示会があり、発音装置をトヨタの「プリウス」に付けて試した。市視覚障害者福祉協会の約10人が参加し、目の前を通過した車からカタカタと音がすれば手を挙げてもらった。
全盲でマッサージ業の浅生(あさ・お)晴彦さん(58)は「自転車と間違う可能性がある。危険を感じさせるようなインパクトある音にしてほしい」と注文。弱視のためHV車の接近に気づかず冷やっとした経験があるという主婦の中島和さん(75)は「もう少し高い音にし、この音に慣れる機会も作ってほしい」と話した。こうした意見を踏まえ、今後改良も検討するという。
音の静かな車の接近を知らせる装置については、国土交通省が視覚障害者団体などの指摘を受け、「発進から時速20キロまでの間に自動で発音する」などの要件を定めたガイドラインを1月に公表している。
朝日新聞