ゴエモンのつぶやき

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手厚い改革の北欧諸国、脱入院化の米国

2010年08月05日 00時45分58秒 | 障害者の自立
“福祉の模範国”とよくいわれる北欧諸国はどうだろう?

いちはやく知的障害者・身体障害者・老人福祉に取り組くんだデンマークやスウェーデンなどでも、精神障害者に関してはやや出足が遅れた。北欧諸国が精神障害者福祉に本腰を入れ出したのは70年代も後半のことであった。

しかし、さすが“福祉国”だ。ひとたび改革に着手するやそのスピードは速かった。例えばデンマークでは75年に「1万:21床」だった精神病床数が98年で「8床」、スウェーデンでは75年に「1万:39床」だったのが98年には「7床」と激減している。

病院を出た者の殆どがグループホームなどに移り住み、手厚いケアのもと、近隣の人たちと普通の交流をして暮らしている。国民全体が「それが当たり前なのだ」と思うようになっている。「開かれている」とは、こんな状況のことを言うのであろう。

もうひとつ、アメリカの場合について述べておきたい。アメリカの変革過程は極めて特異であったから。

アメリカの州立精神病院が巨大化して悲惨な場と化したことは既に述べた。1995年にはアメリカ国内の入院者数は実に55万人に達した。1960年の精神病床数は「1万:40床」である。

この惨状にJ・F・ケネディは63年の大統領教書のなかでこう訴えた。

「アメリカの精神病院は恥ずべき状態にある。患者は死ぬこと意外にそこから逃れる術のない日々を送っている」。

彼は全州に向かって病院改革や医療体制の整備を督促したが、彼の言葉にもかかわらず事態はあまり変わらなかった。実際にアメリカを動かしたのは大統領ではなく、入院患者自身だった。それがいかにもアメリカらしい。

いきさつはこうだ。

66年にコロンビア州で、70年にアラバマ州で、入院患者が州裁判所に裁判を起こした。訴えの内容は、「私は治療も受けずに拘束されている。これは違法である」というものだ。この問題では、患者と州政府・病院との間で長い間の論争が交わされたが、結局、患者側が勝訴する。

アラバマ州でのこの勝訴判決は、判事の名前をとって「ジョンソン判決」と呼ばれるが、この判決がその後、アメリカの全州立精神病院を大きく揺さぶることになる。

ジョンソンの判決は「治療のない拘束は違法である」と断じたうえで、州立病院が早急に整えるべき条件を35カ条に亘ってこと細かに示した。入院数に見合ったスタッフ配置や治療システムや施設整備基準などなどの改善命令である。

この判決以降、全米各州で患者の提訴が相次い出されることになり、いずれも同様の判決が出て患者側が勝った。

これで困ったのは州当局である。判決通りの条件を整えると莫大な費用がかかり、州財政が破綻してしまう。そのため当局は州立精神病院に向かって矢の催促をした。

「もっと入院者を減らせ。もっと患者を出せないか」。

かくして、あっという間に多勢の患者が退院させられた。退院というより追い出された。彼らは倒産したモーテルや古倉庫を改造した「ボーディングホーム」なる安上がり施設に移される。やがてその一部が路上に流れ出し、路上生活者となった。

ともあれ、アメリカの入院者数は驚異的なスピードで55万人から10万人を切るまでに減少した。しかし、それに見合う地域ケア体制はほとんど整えられなかった。

シカゴ北部郊外では1万5千人近い患者が無資格施設に住まわされ、そこは“精神科ゲットー”と呼ばれた。彼らの生活交付金はマフィアら略奪者の格好の餌食となった。ニューヨークのマンハッタンでは2万5千人が安ホテルなどに住まわされて同様の憂き目をみた。

要するに彼らは、かつて“病院に捨てられた”と同じように、今度はゴミの如く“町へ捨てられた”のである。金はベトナム戦争で使われていたし、その後の経済の悪化で彼らに十分な資金が投ぜられなかった。

こんな状況を評して、「アメリカの改革は“脱入院化”であって“地域化”ではない」と批判する人は多い。精神病院の解体が、真の地域化理念からではなくて、経済の都合から進められた結果である。

だが一方でこんな見方をする人もいる。

「たしかにアメリカの改革は失敗だった。でも、以前にくらべればまだましだ。何故なら、精神病者はいま精神病院の中にではなくその外にいるのだから」と。

確かに、これも「開かれた精神医療」の一型ではあるだろう。

以上、第二次大戦後から今日に至るまでの、欧米諸国の精神医療改革についていくつかの国をあげて概観した。

見ての通り、それぞれの国によって、その開始の時期や方法や質や内容に違いはある。だが、すべての国に共通している事柄があることも容易にわかる。

その共通項は、「めったやたらの収容政策の放棄」と「精神病院の縮小」と「精神病者の地域化」だ。

第二次大戦を境として、欧米諸国は精神医療政策を「収容」から「地域」へ、「閉ざされた精神医療」から「開かれた精神医療」の構築へと、その舵を大きくきったのだった。【つづく】

■関連情報
石川信義(いしかわ・のぶよし):1930年、群馬県桐生市生まれ。海軍兵学校78期、旧制二高を経て、東京大学経済学部・医学部卒。学生時代は東京大学スキー山岳部所属。61年、第5次南極観測隊に参加。65年、東京大学カラコルム遠征隊の副隊長・登攀隊長。東京大学附属病院神経科、都立松沢病院勤務を経て、68年、群馬県太田市に三枚橋病院を創設し、日本初の完全開放の精神病院を実現した。以来、精神病院の自由・開放化、精神障害者の地域化(ノーマライゼーション)運動に尽力する。

著書に、『心病める人たち』岩波新書(1990年)、 href="http://books.livedoor.com/item/1754987">『鎮魂のカラコルム』岩波書店(2006年)、『開かれている病棟』(星和書店)など。

【むかしとんぼ】ムカシトンボ(昔蜻蛉)、学名Epiophlebia superstes。トンボ目・ムカシトンボ科のトンボ。体長約5センチ。春季、渓流で見られる。日本固有種。原始的なトンボの形をつたえ、生きている化石といわれる。日本以外では近縁種のヒマラヤムカシトンボ(Epiophlebia laidlawi)がヒマラヤ山脈周辺に分布するのみ。

【PJニュース 2010年8月3日

施設職員らを起訴

2010年08月05日 00時43分47秒 | 障害者の自立
   ■入所者の用紙で投票偽造事件


 参院選の不在者投票をめぐり、特別養護老人ホームの施設職員が入所者の投票用紙を使って勝手に投票したとされる事件で、甲府地検は3日、中央市極楽寺のホームの次長深沢佳房容疑者(50)=韮崎市龍岡町下条南割=と、介護長内藤直美容疑者(59)=甲府市高室町=を公職選挙法違反(投票偽造)の罪で甲府地裁に起訴した。投票の経緯は裁判で解明されることになる。


 起訴状などによると、両容疑者は7月6日、同ホームで実施された不在者投票の際、認知症で意思の疎通を図れない83~90歳の入所者の女性5人の選挙区と比例区の投票用紙計10枚に、選挙区は輿石東氏、比例区は中村博彦氏の名前を勝手に書き、中央市選挙管理委員会に送って投票したとされる。


 甲府地検の矢野元博・次席検事は「投票者の意思を無視して投票を作り上げる悪質で重い犯罪。要介護度や認知症の程度など意思疎通ができるかどうかが捜査のポイントになった」と話している。


 職員が起訴された同ホームの相馬健治・苑長は、朝日新聞の取材に対して「事実確認ができませんのでコメントできません」としている。


   ◇摘発、一定の警鐘/透明性確保必要


 県内の高齢者や知的障害者の施設で相次いで摘発された参院選での不正な投票事件。福祉施設が不正投票の隠れみのになっているとの指摘は、関係者に警鐘を鳴らすとともに、投票制度の課題を改めて浮き彫りにした。不正を防ぐ仕組みづくりを求める声も高まっている。


 期日前投票に出向く障害者に、特定の候補の名前を書いた紙を渡して投票を促した。施設内で実施した不在者投票で、入所するお年寄りの投票用紙を使い、候補者の名前を勝手に記入した――。


 今回の参院選で摘発された2件の選挙違反事件は、いずれも入所者の選挙権をないがしろにしたものだ。


 「高齢者や障害者を選挙の道具として使い、弱者を食い物にするような不正が横行している」。事件にかかわった捜査幹部は憤る。


 福祉施設を確実に票が入る「票田」ととらえ、選挙前になると、施設と支援者との間
で「1票数万円」という金銭のやりとりがある。そんな情報が警察に寄せられたこともあるという。


 別の捜査幹部は「全国的に買収など従来の選挙違反の摘発が難しくなっている」とした上で、「福祉施設が増えている中、今後は施設がかかわる事件に力を入れなければならない」とみる。


 ただ、今回の摘発が不正への警鐘になった一方で、県内の施設関係者の間では「投票は入所者の権利なのに、一部の違反行為で施設全体が萎縮(い・しゅく)してしまう」という懸念や、「誤解されないような仕組みづくりが必要」との声が交錯する。


 不正を誘発しがちな施設の密室性を解消するのは容易ではない。不在者投票は、投票所まで行けない人たちのために、県選管が指定する施設や病院などで実施できるが、その立会人などを施設の職員が務める場合が多く、第三者の目が入りにくいのだ。


 県選管も参院選の前、違反がないよう各施設に注意を呼びかけていたが、具体的なチェックの仕組みは今も確立されていない。


 一方、他県には不在者投票の透明性を確保しようと取り組みを始めた自治体もある。


 特養ホームを舞台にした投票偽造事件が昨年発覚した岡山県。今回の参院選では27市町村のうち9市町で、自治体職員や選管委員が不在者投票所を巡回したり、投票に立ち会ったりした。自治体職員らの立ち会いは義務ではなく、自治体と施設両方の協力が不可欠。それでも同県選管は「真剣に対策を考える第一歩となればいい」と、取り組みの広がりに期待する。


 また、総務省によると、昨年の総選挙の時にも、岩手、福井、広島、宮崎の各県では、選挙管理委員会が外部の立会人名簿をつくり、施設が立会人を呼べるように名簿を提供した。ただ、すべての施設で第三者を立ち会わせるのは人員確保の点から難しく、「それぞれの立場で適正に対応してほしい」と同省。判断は自治体と施設に委ねられているのが実態だ。

朝日新聞

きめ細かく障害者就労支援へ

2010年08月05日 00時42分10秒 | 障害者の自立
 豊橋市障害者就労促進支援事業「チャレンジドセンター」(山下徹事業統括責任者)がこのほど、市総合福祉センターあいトピア2階に開設された。市内企業で働きたいという障害者の希望に応え、関連機関で連携をし、きめ細やかな支援をする。

 同センターは、地域で暮らす障害者の人たちに働く場を創出しようと開設。障害や就労についてノウハウがあることから、市障害福祉課が豊橋障害者(児)団体連合協議会へ委託した。実施は来年3月末までとなる。

 取り組みは、地域企業の障害者雇用の状況把握や啓発、企業と障害者のマッチングを行い、就労を促進する。またビジネスマナーなどの研修会を開き、適応能力の向上を図る。

 現在は、従業員数201人以上の市内企業を対象に回っている。また、まず障害者がどんな働きができるか知ってほしいと、実習先として受け入れる「チャレンジバンク」の登録も呼びかけている。

 スタッフは4人でうち2人は障害者。山下さんは「現在は20人の障害者の方が登録しています。就労に向け、サポートしていきたい」と話していた。

 時間は午前9時から午後5時で、休みは日・月曜、祝日。問い合わせは、同センター=電話0532(56)7741=へ。 

東海日日新聞

16施設の商品置いてます 障害者 自立支援へ

2010年08月05日 00時40分22秒 | 障害者の自立
 墨田区にある十六の障害者施設でつくる組織「Kai(カイ)」が三日、同区役所一階アトリウムに、施設利用者が作った食品や雑貨を販売する可動式ワゴンの店「スカイワゴン」をオープンさせた。これまで授産施設の工賃収入は内職作業が多かったが、景気低迷を受けて企業からの受注が減少。施設自らが出店することで、利用者の自立支援につなげたい考えだ。 (小野沢健太)

 スカイワゴンは毎週火、木曜の午前十~午後三時に営業。区営と民営の十六施設で作ったパンやクッキー、ビーズのアクセサリー、革の小銭入れなど約六十品目を販売する。障害のある人も売り場に立ち、接客の訓練をする。

 Kaiに所属する区営の障害者施設すみだふれあいセンターによると、同施設では利用者が文房具の袋詰めなどの内職作業をしているが、最近の不況で企業からの受注は四割ほど減少。利用者への工賃も昨年に比べて二割減っているという。

 スカイワゴンは区の事業として実施。三日は約十九万五千円を売り上げた。収益は各施設に配分される。同センターの阿部作哉さん(44)は「施設間のネットワークを広めて販路を拡大し、障害のある人が自立するきっかけをつくりたい」と話していた。

東京新聞

笑顔詰まった弁当だヨ 障害者作業所の宅配好評 仙台

2010年08月05日 00時38分35秒 | 障害者の自立
 仙台市太白区四郎丸の障害者小規模作業所「フリースペース ソレイユ」の作る宅配弁当が好評を博している。施設を利用する障害者が盛り付けや配達を担う弁当の「売り」は、地元の農家が育てた米や野菜だ。配達エリアも太白区内にとどまらず泉区にまで広がっている。

 弁当を作っているのは、19~62歳の障害者22人とスタッフ9人。障害の種別や程度に応じ、ご飯の計量やおかずの盛り付け、仕分けや配達、洗い物を分担している。
 配達は週4日で、メニューは火曜がカレーライス、水、木、金曜が週替わり弁当。前日までに予約を受け、1日平均200~250食宅配する。
 評判の食材は、ソレイユを応援する地元四郎丸地区の農家女性5人組「マザーズマーケット」が市価より1、2割安く提供している。
 ソレイユは2002年、施設長の菅井明里(あけり)さん(57)が、1人の障害者の女の子のために義母の家を開放してスタート。ボランティアのお母さんたちとカレーライスの宅配を始めた。
 03年に小規模作業所へと衣替えし、週替わり弁当も作るようになった。施設利用の障害者も増え、今年1月には調理施設を新築した。
 マザーズマーケット代表の菅井すみ子さん(59)は「弁当の数はもちろん、作り手の施設利用者も増えて自分のことのようにうれしい」と話す。
 イベントを開催すると住民が手伝いに訪れ、近くの農家が無償で野菜を提供してくれることもある。「地域の人たちが支えてくれたから、ここまで続けてこられた」と明里さんは感謝する。
 「宅配に行くのが楽しい」「お客さんの笑顔を見ると力になる」と、障害者にとっても弁当づくりは張り合いになっている。明里さんは「多くの障害者が安心して、楽しく来られる場を提供していきたい」と語る。
 弁当は配達料込みでカレー350円(大盛り400円、特盛り450円)、弁当400円(大盛り450円)。連絡先はソレイユ022(241)1046。


2010年08月04日水曜日

河北新報