大妻女子大生がデザイン、障害者らモデル 上尾・リハビリセンター /埼玉
身体障害を抱える人たちがリハビリに取り組む「県総合リハビリテーションセンター」(上尾市西貝塚)で31日、義肢や車いすの利用者がモデルを務めるファッションショーが開かれる。モデルが身につけるのは大学で服飾を専攻する学生がデザインしたファッションで、障害の有無にかかわらず、誰もが心地よく着られる服を提案する。
ショーは2013年秋に始まり、今年で3回目。同センターで義肢装具士として働く小川雄司さんが「日本義肢装具学会」で身体障害者らのショーを見て感動して発案した。「モデルや家族、会場にいる人すべてが笑顔で、心の中で号泣した」。服飾関係の大学・専門学校の関係者に接触し、大妻女子大被服学科の大網美代子・専任講師にめぐり合った。
大網さんは「元々、年齢や体形、身体能力などを問わず、誰でも使いやすい製品や環境づくりを目指す“ユニバーサルファッション”に興味があった」といい、ショーに協力するため、授業の一環で衣装をデザインすることを了承した。半年ほどかけ、学生と一緒に「指先が不自由でもスナップボタンで留めて着られるブラウス」や「車いすに座ったままで着られるドレス」を作りあげた。
今年は11〜40歳の女性5人がモデルとして参加。「脇がオープンファスナーで、腕が上がらなくても着やすいブラウス」や「襟ぐりがゴムで、頭からかぶることができるワンピース」を着こなす予定だ。
小川さんは「過去2回の開催でも最初は『人前に出たくない』と消極的だったモデルが、ショーで最高の笑顔を見せ、前向きになる姿を見てきた。今年も会場の皆が楽しめるショーになるはず」と話す。大網さんは「障害があっても着られる服は、障害がない人にも着やすい。誰もが心地よく着られる服が広く市場に出回り、一般的になるのが理想」と期待を込める。
ショーは31日午後2時から、同センターで「センターまつり」の一環として開かれる。入場無料で、事前申し込みは不要。
問い合わせは同センター(電話048・781・2222)。
毎日新聞 2015年10月30日 地方版