千葉市中央区の千葉ポートアリーナで29日に開幕したウィルチェアーラグビー(車椅子ラグビー)の「三菱商事2015IWRFアジア・オセアニアチャンピオンシップ」。日本代表は予選リーグで2連勝し、来年のリオデジャネイロ・パラリンピック出場権獲得へ好スタートを切った。スタンドには多くの子供が詰めかけ、柵から身を乗り出しながら、必死に戦う選手に声援を送った。
「頑張れー」。午後4時からの韓国戦では、放課後に駆けつけた子供たちの声が会場に響いた。「授業ではないのに、こんなに来てくれるなんて」と日本障がい者スポーツ協会常務理事の高橋秀文さん(60)。協会は4月から市内4小学校で車椅子ラグビーの体験会を開き、5月の国際大会には約650人の児童が授業の一環で訪れた。今回も競技の魅力を知ってもらおうと、市内の全公立小中学校と特別支援学校にチラシを配った。高橋さんは「体験会前と後で子供たちの目の輝きが違う。障害のあるかわいそうな人がやるスポーツではなく、魅力あるスポーツの一つとして見てくれている。千葉では間違いなく浸透しつつある」と喜ぶ。
母紀子さん(41)と訪れた市立新宿小5年の永原凜花さん(10)は「学校で見に来た時迫力があって、すごかったからまた応援に来た。パラリンピックに行けるよう頑張って」と、スティックバルーンを打ち鳴らした。30日には市立寒川小の約80人が訪れる予定だ。
会場では、大会を特集した毎日新聞特別版が観客に無料で配られた。日本代表選手の紹介、車椅子ラグビーのルール、大会の展望などが掲載されている。
相手をかわしながらドリブルをする池崎大輔選手(右)=千葉市中央区の千葉ポートアリーナで
毎日新聞 2015年10月30日 地方版