津幡高校のボランティアグループ「朱鷺(とき)サポート隊」が四日、東日本大震災の被災者に贈るため、津幡町の障害者就労支援施設「ジョブスタジオノーム」の利用者と協力し、絹やクワの葉の粉末を使ったクッキーを焼いた。(高橋淳)
サポート隊は毎年、現地訪問などを通じて被災地を支援している。今年は十二~十五日に福島県内の幼稚園や仮設住宅を訪ね、励ましのメッセージカードなどとともにクッキーを贈る。
ノームとは以前から交流があり、洋菓子工房も備えていることから協力を呼びかけた。隊員と教員、ノームの利用者と職員計十二人が集まり、絹とクワの粉末を別々に練り込んだ二種類のクッキーを作った。
絹のクッキーは卵形に焼き上げた後、砂糖の白い粉をまぶして繭のように仕上げており、しっとりした食感が特徴。葉っぱの形をしたクワのクッキーは、ほんのりとした苦味とさくさくの食感がアクセントとなっている。
クワや絹を使うアイデアは、農蚕学校として開校した津幡高の「伝統復活」の取り組みにちなんでいる。校内で昨年から、繭を作るヤママユの飼育や餌となるクワの栽培を始めており、今回は市販品だった粉末を、いずれは津幡高産のものに替えたいという。
この日は二種類を計百五十袋分焼いた。十二日までに約四百袋分を焼き、被災地に届ける。隊員で一年生の猪谷留衣さんは「たくさんの人に食べて喜んでもらえれば」と話した。