大好き!本・花・旅

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他人事を自分事にする社会を

2010-12-04 08:56:28 | 文化
「暴力で解決しない社会を」第2講座は、富山福祉短期大学准教授の根津敦さんの「他人事を自分事にする社会を~北米での取り組みの紹介を通じて~」の講演だった。
根津さんは、マレーシアやカナダでソーシャルワークについて学び、毎週木曜日に富山駅でホームレスにおむすびを配る活動をされている。愛を行動に移すソーシャルワーカーだ。
日本の福祉はお上からの福祉という感覚が強い。そして、ソーシャルワーカーは、施設に就職する傾向が強いが、カナダでは、ソーシャルワーカーとは、民主主義の担い手であり、差別や貧困は社会から与えられるものだから、福祉は自分たちで闘って作っていくものだという意識が強く、社会変革家だそうだ。
少数意見を多数意見にする試みも、大学で行なわれているという。

企業は労働者の手で運営していくという新しい試みが、アルゼンチンで始まっているという。ワークシェアリングも、本来は、働き方を多様化する試みから生まれたものだという。
新しい問題解決型裁判所の仕組みも大変参考になった。暴行は人権侵害ととらえ、対話で対応し、社会のコミュニティもしっかり対応しているカナダの仕組みは素晴しい。
温情判決のビデオやミスチルの曲の紹介も感動的でした。

ひとり親の貧困率や子どもの貧困率が高く、女性賃金が低く、日本ほど公務員が減り、公共サービスが減った国はないという。ハローワークも嘱託が多いそうだ。
小さい試みであっても、他人事を自分事にしようと努力している人はソーシャルワークだと思った。とても素晴しい講演でした。時間がなくて話していただけなかった新自由主義を乗り越える新しい社会の動きを是非お聞きしたいものです。
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